クシナガラ国際空港が涅槃してる件
こんばんナマステ💜Kyoskéこと暑寒煮切(あっさむにるぎり)だよっ⭐️
今日は所謂花祭りなので、かつてのインドアウトバウンドのメインコンテンツだった仏跡巡りについて取り上げたいと思う。
取り上げるのはクシナガラ国際空港、2021年の10月に鳴り物入りでオーペンしたインドでは珍しいれっきとした国際空港で、仏教国各国に問題なく直行便が飛ばせるように3,200mもの滑走路を持っている。
ところが現在、ここに飛んでいるのはスパイスジェットのデリー線週6往復のみで、機材もデハヴィランドキャナダDHC-8というプロペラ機で数十席しかない。
インドの航空便は需要に対して供給力が無さすぎるのは間違いないけど、そのなかでもなんでこんなにヘボいのか😨
しかもスパイスジェットはインドのエアラインのなかでも最大の負け組といえるところで今年潰れたって何にも不思議じゃない。事故やトラブルを頻繁に起こしていて、インドのJR北海道と呼べる状況になっている。
恐らくデリークシナガラ線はクシナガラ国際空港を維持するために補助金が出ていて、スパイスはそれに縋ってるんじゃないかとすら思う。
ここまでヘボい理由は、クシナガラ自体が巡礼者がいないとただの寒村だから。
クシナガラから50km西にゴーラクプルという街があり、クシナガラ空港ができる前はここがクシナガラの最寄りだった。というより今でもデリー以外やスパイスに乗りたくない人にとっては実質的に最寄りなんだけど。
ゴーラクプルは都市圏人口でいうと130万人ほどでインドでは小都市クラスになってしまうけど、それでもまあまあ利用はあって3社が乗り入れているし、州都ラクノウやムンバイ、コルカタ、ハイデラバード、ベンガルールという主要都市からの便がある。
それだったらゴーラクプルをクシナガラ巡礼客のために国際空港にしてもよかったんじゃないのか、というと軍民共用空港なので厳しい。日本だと他ならぬ新千歳や那覇、あと小松とか茨城とか自衛隊も使う国際空港ってあるけど、インドは厳然と区別している。
クシナガラには仏教聖地である以外の主たる産業がない。
世界ふしぎ発見!ではインドの仏教徒は1.5億人いるとかわけわからんこと言ってたけど、実際には1,000万人いるかいないか。
それはもちろん無視できない数だけど、彼らの改宗動機がカースト最下層からの脱却ということもあり、決して裕福な人達ではなく、例えばインドの仏教徒の拠点であるマハラーシュトラ州ナーグプルから仏教聖地への頻繁な行き来などないのだろう。
ほぼ内需が存在しないなかで外需に頼るしかないけど、コロナ禍がそれを邪魔していた。
でももう終わったようなもんじゃん。マスクしてるの日本人だけだよ、って話だけど。
そもそも、ブッダガヤの最寄りであるガヤー空港やサールナートの最寄りであるヴァラナシ空港からのバンコク線でも夏は飛んでおらず冬だけなんだよね。
要するにインドはとても暑いから、彼らもそんな時期にわざわざインドに行きたくもない。
これは何度も仏跡巡礼をしたお坊さんと話していて意見が一致したところだけども、日本人は仏跡巡礼を修行だと思っているので、暑かろうがなんだろうがストイックに過ごす。
だけど東南アジアやスリランカなどの仏教徒にとっては仏跡巡礼はひとつのエンタメなので、ツラい思いをしてまではやって来ない。
少なくとも前世紀において仏跡巡礼に来るのは大半が日本人で、彼らは道がいくら酷くても、ボロボロのベッドをあてがわれても内心どー思っているかは別にして文句を言わない。
しかし今世紀に入って日本以外からの巡礼客が急増すると、劣悪なインフラに対して非難囂々なのよ。
それでタイやスリランカなどの仏教徒の要望を受けて、あるいは彼らからの投資が急増して、仏跡周辺のインフラは飛躍的に向上しつつある。
新入社員研修で必ず習うことにクレームは業務改善に繋がる絶好の機会、っていうのがあるけど、ホントにそーゆーことなんだな。
聖地巡礼は物見遊山と表裏一体なのよ。ローマ、メッカなどみんなそうで、伊勢や出雲だって本来はそーだった。っていうか今でもそう。
日本人の戦後の仏跡巡礼だけが何故かおかしなことになっていった。
今はウッタルプラーデシュの北部やビハールも高速道路こそないけど道もきれいで、ホテルも冷房が当たり前に入り、獣道を歩かされた霊鷲山なんかただの展望台になってしまった。
タイやスリランカの仏教徒からの要望にインド政府が目覚め、そしてインド政府からの要請で日本のODAも入っていたりする。なんだかなぁ。
ということで、クシナガラ国際空港の真価が問われるのは実は今の季節ではなく、今年10月以降の冬ダイヤからなんだな。
冬にバンコクとヴァラナシ、ガヤーを結ぶタイスマイル航空がクシナガラに乗り入れてくれるかなぁ。そしたら日本人もわざわざデリーなんか経由しなくてよくなるじゃんか。
国境を越えてクシナガラとは割と近いネパールのゴーダマブッダ国際空港も2022年に国際化したはものの、まだ国際定期便が来てはおらず。
とはいえこちらは首都カトマンドゥから複数社の乗り入れがあるから行きやすいともいえる。だからネパールからクシナガラやヴァイシャーリーなどに入ってもいい。
ただ、インドのe-VISAを申請して行っても、ネパールからの国境を通れないので気を付けてね。
クシナガラ、ゴーダマブッダともにこれからの空港という感じなので、今後の動きを注視していきたい。
それじゃあバイバイナマステ💜暑寒煮切でしたっ✨
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