無料バスツアーはツーリズムの新しい可能性の示唆かもね
こんばんなまらステ💜Kyoskéこと厚沢部煮切(あっさぶにるぎり)だべさっ✨
時々話題になるやつなんだけど、無料バスツアーがSNSで話題になっているので、取り上げてみたい。
多いのはスーパーで抽選会やってたりして、それで抽選を申し込むかたち。
抽選と言いつつ40~65歳の女性が基本的には「当選」、当日はそこそこの観光と昼食、そして宝石店や毛皮店などに連れていかれて高額商品の説明を受けるという流れ。基本的に日帰りね。
観光は一瞬というのはウソで、一般的なバスツアーの水準くらいはあるし、食事もクオリティは高いとは聞く。
大抵の人は宝石店や毛皮店でのプレゼンに疲れて、意図に気付いて呆れるわけだけども、なかには意図を予めわかってたうえで割り切って何度も参加してタダメシ、タダ観光を楽しんでいる人もいる。
この手のバスツアーのひとつの原則として走行距離は500km以内、だいたいデリーからアーグラーの往復くらいだということが挙げられる。
なぜかというとそれ以上の距離を走るとなるとバスのドライヴァーを2名にしないといけず、コストが跳ね上がってしまう。
さて、このバスツアーを催行するのにどんな費用が掛かるだろうか。
まずバスの貸切料金、それに付随して有料道路料金や駐車料金、添乗員のギャラ、観光施設の入場料、食事代ということになる。
これらをすべて込みで満席の場合10万円で収まるかどうかってところかな。最近はバス高いので厳しいかもだけど、とりあえず10万円としておくね。
大型バスで満席というとリアル満席は補助席つけた60名だけど、普通はそれを抜いた49名。最後部の真ん中も売らないことが多いので48名としておこう。
この10万円をどうやって回収するかがビジネスモデルということになるけれど、通常のバスツアーと違って参加者からは回収できない。
ただし、「当選者」以外の同伴者は有料としており、女性しか「当選」させていない理由はここにある。
女性は友人なり家族なりを同伴させてくる可能性が高い。同伴者は6,000円程度と聞くので、同伴者が4分の1の12名いるとすれば72,000円。大部分はこれでペイできた。
残りのペイ、そして利益をどこから出すのかといえば、ご想像の通り宝石店や毛皮店ということになる。
仮にそのツアーの売り上げゼロでも、送客手数料というかたちで多少は入るんだろうけど、やはりモノがちゃんと売れたら大きなキックバックが旅行会社に入る。
多分、同伴率はもっと高いだろうから、同伴者収入と送客手数料で収支トントン、モノが売れたら旅行会社が儲かる、というような損益分岐点じゃないかと思う。
この手の旅行会社の人と話したことないわけじゃないけど、表面的なことしか教えてくれないしさ。
あとはお客様からお金をいただく通常のバスツアーを組んだ経験と、旅行業界のなかでの噂話、添乗員や参加者からの断片的な情報から判断するとね。
ちなみに通常のバスツアーであってもこの手のキックバックはあるし、安いツアーになればなるほど、キックバックなしではやっていけない。
結局のところ、バスツアーの費用を誰が負担していくかの違いなんだよね。
ハウスメーカーの無料ないし千円程度の廉価バスツアーの仕事はしたことがある。
東京近郊の人を北関東にある巨大な住宅展示場に連れていくのに、このようなバスツアーを組むんだよね。
要するに広告宣伝の一環ということになるのだけど、ハウスメーカーの多彩な技術、デザインを見せるにはテレヴィCMなり東京近郊の狭い土地では到底無理で、巨大な住宅展示場に直接連れていくことはとても重要。百聞は一見に如かずだよ。
広告宣伝ということでいえば、地方自治体などが無料バスツアーを企画してSNSでの発信を義務づける、なんてのもやっていいかもしれない。
もっというと、例えば無料バスツアーで田植え・稲刈り体験というのはどうか。
農村の問題は、田植えと稲刈りの人手が足りないことなの。
それを労働力の搾取と捉える人もいるだろうけど、農業をファッション的にやってみたいと思っている都会の人は多いわけで。
実際、おてつたびさんとか人気あるわけじゃん。
NPOが環境問題や社会問題のスタディツアーを無料でやるとかさ、無料だからこその訴求力というのは必ずあるからね。
あーまた無料バスツアーの抽選やってるよ、というのを見る度に移動、交流の力を再発見するツールに昇華させられないか、と常日頃から考えている。
技術は軍事によって生まれ、ポルノによって広まるといわれるようにさ、こーゆー個人的にはあまり関わりたくない同業者から得られるヒントもあるんだよ。
それじゃあバイバイなまらステ💜厚沢部煮切でしたっ✨