温泉のないバラトなんて
こんばんなまらステ🧡🤍💚Kyoskéこと厚沢部煮切(あっさぶにるぎり)だべさ⭐️
札幌市の郊外にある茨戸(ばらと)温泉って札幌近辺以外の人はほとんど知らないんじゃないかと思うけどどう❓
あー『ゴールデンカムイ』で知った人は多いかな。
札幌の温泉といえば圧倒的に定山渓温泉だし、小樽市だけど札幌市と隣接してる朝里川温泉も小樽より札幌観光の際に行くところというイメージがある。
そんな茨戸温泉の知名度が急上昇しそうな案件がやってきた。
それは、我らがインドの対外名称がBhāratに変わりそうだということ。
そしたら鳥取の羽合(はわい)温泉とか雲仙の小浜温泉みたいな感じで取り上げられそーじゃん。
折角なんで、ナートゥダンスが踊れたり、ガチなインド料理、いやBhārat料理が食べれるようにしたりといったことを茨戸温泉で仕掛けたいよね。
さてこのBhārat、日本語表記としてはバラト、バーラト、バーラート、バーラットといった感じで揺れている。
ヒンディー語の長母音とか語れる立場にはないけれど、とりあえず発音はバーラットに聞こえるかなぁ。日本語表記としてはバーラトが一番多い。
インド政府が正式に要請してきたら日本の外務省はどれを選択するだろーか。
Bhāratってそもそも何❓って話だよね。
まず紀元前2600年頃から紀元前1800年頃までインダス流域でインダス文明が栄える。
この文明を創っていたのは、今の南インドに住むドラヴィダ人の祖先とされている。
インダス自体が川を意味するので、インダス川とは本来は言わない。
この川はちょこっとインド国内も流れるけど、ほぼパキスタンの川。
インダスの河口域にシンドという州があり、パキスタン最大の都市カラチがあるけれど、このシンドもインダスから来ているし、
インド、インディア、ヒンドゥ、天竺、印度、身毒、震旦などインドを意味する言葉もほとんどここからきている。
そしてそれらはインダス流域のシンド、パンジャーブ(ちなみに5つの大河を意味していて、インダス及びその4つの支流を指す)のみならず、インド亜大陸全体、一部アフガニスタン方面も含めた地域にその概念は広まっていった。
一方で日本では中国の向こうにある遠い世界、ヨーロッパではアジアの向こうにある遠い世界という概念でもあった。
ヨーロッパ人がアメリカ大陸を見つけて、先住民をインディアンと呼んだのはそーゆー理由。
ともあれ、インダス流域から拡大されたインドという概念の大半を領土にしているのが現在のインドという国。
だけどその源流を辿れば、パキスタン領に依拠した国名ってわけ。
こーゆーこともあって、分離独立したインド国家は、将来の公用語と位置付けたヒンディー語ではBhāratと名乗ることにした。
また歴史の話に戻るけど、紀元前1500年頃からインドにアーリア人が入ってきて、追われたドラヴィダ人は南インドに押し込められるけれど、一方でアーリア人はドラヴィダ人と積極的に混血して、文化的にも混淆する。
そんな彼らはガンガー流域に文明をつくったわけだけど、そのなかにバラタ族がガンガーのみならずインドの広範囲を支配したとされる。
インドの叙事詩『マハーバーラタ』を聞いたことがあるかもだけど、マハーはマハラジャやマハトマ=ガーンディーからわかるように「偉大な」なので、これは偉大なるバラタ族の物語。
インドがそもそもパキスタン領に由来していること、またブリティッシュ=インディアからの脱却を意図してだと思うのだけど、
分離独立したインドは将来の公用語としてヒンディー語を位置付け、そしてヒンディー語でBhāratを名乗ることにした。
ムガール帝国やブリティッシュ=インディアの後継国家じゃなく、バラタ族に新生国家の成り立ちを求めたわけ。
だけど、英語に関しては特にいじらずIndiaのままにしたし、世界の大半の国がインダスに由来する名前でインドのことを呼んでいる。
ところがここにきて、ヒンドゥー教原理主義のBJP(Bharatiya Janata Party)が台頭し、モディ首相は長期政権を誇るようになった。
彼らはヒンドゥー教だけでなくヒンディー語原理主義でもあり、ヒンディー語を国語にしようともしている。
ヒンディー語とパキスタンの公用語ウルドゥー語は、もともと同じ言語だけど、ヒンディー語はヒンドゥー教徒が用いサンスクリット語の語彙を取り入れ、ウルドゥー語はムスリムが用いてアラビア語、ペルシャ語の語彙を借用している。
とはいえムガール帝国をはじめとしたイスラーム王朝の長い支配のなかでヒンドゥー語だってアラビア語、ペルシャ語の影響はあるんだけど、BJPの人ってそれをいちいちサンスクリット的に言い換えるのね。
BJPの人は英語を話す時もいちいちサンスクリット語、ヒンディー語の単語を混ぜ込んでくる傾向がある。
本来の北インドの人はローカルな話はヒンディー語、あるいはさらにベンガル語やパンジャーブ語などで会話して、グローバルな話は英語でする。
したがってインド人同士が英語で会話してるのも珍しくないし、言語の捉え方がそうだから、ある程度日本語を話せるインド人同士が日本のことを話すときは日本語で話す。
だから英語は英語なんだわ。
地位が高いほど英語も綺麗と言われていて、そこにヒンディー語の要素を入れない英語が美しい。
逆にいうと地位の低い人ほど、ヒンディー語が混ざる英語を話し、これがよく揶揄されるヒングリッシュというやつ。
ところがBJPはキレイな英語が話せる人でも無理矢理インド要素を入れて話す傾向がある。
したがって英語で話してても自国のことをBhāratと言い出すし、それが本気でかっこいいと思ってる。
であっても今までは日本のことを大和、瑞穂、八洲などと呼ぶような雅称だと思ってたのよ。
それがさ、明日デリーで行われるG20サミットの招待状に、Bhārat首相って書くから、みんな目を丸くしてるわけ。
そして対外名称をBhāratにするよう各国政府に求めるんじゃないのか、って話になっている。
個人的にはデメリットが大きいかなと思う。
とりあえずインドって知らない人ゼロなんだよ。日本人の9割はインドが嫌いというのが持論だけど、10割に良くも悪くも知られているというのはあまりに強み。
東山紀之みたいなこと言ってるって❓
これがBhāratになったら、どこそこ❓から始めなきゃいけなくなっちゃうし、
外務省がバーラートとかバーラットなんて長い表記を採用したら覚えてもらえなくなる。
そして札幌の温泉と混同される。
インドは極端に温泉少ないからねぇ。
ラージャグリハの温泉精舎は有名だけど、それ以外ホントにない。ほとんどヒマラヤだし。
温泉のないバラト、って呼ばれちゃうじゃねーかよ♨️
日本人は片仮名5文字以上を認識しないんだよ。
ちなみに南インドでは元々北インド要素が強いテルグ語を除いてインドのことをBhāratから派生した言葉で呼ばない。
南インドからの反発も避けられないよね。
その一方で、現在のインド共和国を指すBhāratとパキスタン・バングラデシュを含めた地域概念であるIndiaが分離されれば、色んなことを理解しやすくなる。
前にね、カレーはインドのもの、インドはヒンドゥー教の国、ヒンドゥー教は牛を食べない、だからビーフカレーを禁止すべきだ、
というツッコミどころ満載の主張してくる人がいて、結構真面目に反論したんだけど、
インドとBhāratが別物と解釈されたら、こういう人は出なくなるなと。
それにインドネシアと混同しなくて済むし。
したがってメリットがないわけじゃないけど、時期尚早という気はする。
来年選挙だからね。公約に盛り込んできそう。
基本的に現在のインド政界はBJPの圧倒的なヘゲモニー多党制だけど、次の選挙で野党が何十も集まって選挙協力する話もあるので、
思想も何もかもバラバラな野党連合が打ち出すとしたら「インドの価値」ってことになるのかもしれない。
このあたりの争点も出てくる可能性あるので押さえておこう。
それじゃあバイバイなまらステ🧡🤍💚厚沢部煮切でしたっ✨