のぞみから自由席が消える日
こんばんなまらステ🧡💙❤️Kyoskéこと厚沢部煮切(あっさぶにるぎり)だべさっ⭐️
いよいよこの時が来た。
東海道・山陽・九州新幹線から喫煙ルームが消える。
喜ぶ人もいるだろうし、悲しむ人もいるだろう。
後者のなかには航空便や喫煙車を保持する近鉄特急へシフトする人も少なくなさそう。
北海道新幹線の利用率の低さは禁煙だからではないか、という見方もある。
約4時間タバコが吸えないことに耐えられないという人もいるはず。
喫煙ルームは現在の東海道・山陽・九州新幹線の主力であるN700系の登場とともに生まれたもので、それまでは喫煙車と禁煙車に分かれていた。
ここで男性の喫煙率を見てみたいんだけど、
https://www.health-net.or.jp/tobacco/statistics/jt.html
東海道新幹線開業翌年の1965年で82.3%、翌1966年で83.7%と驚異的な数値を誇っていて、この当時禁煙車などという概念すらなかった。
オフィスでも吸ってて当たり前だったし。
ちなみに女性は1966年の18.0%がピーク。
今では喫煙者同士、非喫煙者同士のカップルが多いように思うけど、これだけ格差があれば吸わない女性が吸う男性と付き合うのが当たり前だった。
新幹線に禁煙車が初めて登場したのが1977年で、当時の男性の喫煙率は75.1%。
依然として高いにしても4人に1人が吸わなくなったことで、嫌煙権というものが少しずつ大きくなってきたのだろう。
しばらくの間自由席1両のみが禁煙車という時期が続き、1985年に指定席禁煙車が出て一気に増える。
1985年の男性喫煙率は64.6%。減ってはいるもののまだまだ高い。それでも嫌煙家や女性の主張が通るようになってきていた。
1992年ののぞみ登場が契機になり、禁煙車が過半数になっていく。このとき男性喫煙率は60.4%。
喫煙率はそんなに下がっていたわけでもないけれど、時代の趨勢を先読みしたといえる。
喫煙者と非喫煙者の混合グループがいた場合、1980年代までは断りもせず喫煙者が吸っていたけど、1990年代に入ると一言断ったり、喫煙者が我慢する、遠くへ行って吸ってくるという行動に変容しつつあった。そういうグループは当然禁煙車に乗り込む。
1996年に日本へ本格上陸したスターバックスコーヒーが全面禁煙文化を掲げ成功したのもターニングポイントだった。
1999年には航空便が全面禁煙に。これは安全面も大きいけどね。
2002年にはとうとう男性の喫煙率が過半数を割り込み、喫煙車の空席が目立つようになる。それを受けて2007年にJR東日本は全面禁煙に踏み切った。
それに対して2009年に登場したN700系は全車禁煙車にする代わりに、喫煙ルームを別途設けた。
N700系はN700A、N700Sというかたちでマイナーチェンジしていくけれど、方針は変わらず。
N700シリーズがどんどん増えていき、東海道新幹線ではとうとう2020年に完全な統一がなされた。
喫煙車ではなく喫煙ルームにした理由は、喫煙車の乗車率は低いけれど、依然として根強い喫煙需要があり航空機との対抗を考えるとそれに応える必要がある、ということなのだといえる。
でもこれは非喫煙者からは大の不評だった。
今までと違い、どこの席に座っていても喫煙ルームから戻ってきた人が隣に座ってくるリスクがある。
また、喫煙ルームから遠くの席から座席が売れていく現象も起きていたけれど、それだってリスクはゼロにならない。
そのリスクを考えてわざわざ自由席を取る人もいたくらいで、喫煙ルームと自由席はセットともいえた。
このようなJR東海の方針には1977年の禁煙車登場以前に後退した、と批判する声もあった。
2020年の東京オリパラを前に喫煙できる空間は激減するけども、新幹線の喫煙ルームは聖域のまま。
また、COVID-19によるパンデミックを受けて、全国的に喫煙所が閉鎖されたけども、JR東海はどこ吹く風。
誰に何を言われようともJR東海が喫煙ルームをやめなかったのはJR東海の皇帝とか天皇とか呼ばれた葛西敬之名誉会長の威光だろうと思う。
彼には喫煙ルーム帰りの人が隣に座ってきてイヤな思いをしたり、泣く泣く自由席へ逃げたりする非喫煙者なんてシチュエーションが一切も思い浮かばず、
喫煙ルームによって完全な分煙が図られすべての人が満足できる完璧なアイディアだと信じて疑わなかったのだろう。
といっても葛西氏のギリギリ存命中の昨年4月に、N700Sの喫煙ルームのひとつを改造したS WorkというWebミーティングなどができるワークスペースを置くという脱喫煙ルームへの流れも始まってはいた。
葛西氏は東海道新幹線の主要顧客はビジネスパーソンであると考えて、グリーン車にはビジネス寄りの雑誌『Wedge』を置いていた。
飛行機の機内誌が観光ネタ中心であることを考えても異色。
だから、リモートワークが普及したとわかれば、じゃあそっちに寄ろう、という考えを持つのもわからなくはない。
喫煙ルームの利用率も年々下がってるから4箇所のうちひとつくらい削ってもいいでしょ、って。
ここでもう一度男性の喫煙率について見てみたい。
2016年にはとうとう2割台に突入して、喫煙する男性の方が珍しい状況になりつつある。
そして2018年をもって喫煙率調査自体をやめてしまった。
葛西氏が亡くなって、車内メロディが彼が新しい鉄道唱歌とまで言っていたTOKIO『AMBITIOUS JAPAN!』ではなくなり、様々なところで脱葛西が始まりつつあると言われる。
車内販売の終了もそうかな。
車内販売と喫煙ルームもセットみたいなところがかる。
非喫煙者から喫煙車の復活の方が分煙化が図られるという批判が出ても、
喫煙率が復活したらパーサーや車掌が副流煙を吸うじゃないか、喫煙車を復活したらパーサーや車掌の求人が集まんなくなっちゃうよ、と一蹴されたわけで。
喫煙ルームは従業員を守るために乗客を犠牲にする手段でもあったわけ。
兎にも角にも喫煙ルームが消える。
インバウンド用の荷物スペースにすればいいのに、それはしないのね😓
隣に喫煙ルーム帰りの人が座ってくることがなくなれば、もう自由席を存置する必要性が無くなってくる。
リニアでは完全にそーすると発表しているように、完全指定席で原則事前予約制になるんじゃないかな。
在来線特急との乗継割引も廃止されたので、需要に沿った独自のプライシングが行える余地は高まっている。
JR東日本の方が乗継割引の廃止に積極的だったのははやぶさなどの全席指定化が大きいからね。
のぞみの場合、定期便の3倍まで本数を増発できるので、航空機や海外の高速列車のように閑散期にバカみたいに安くなり、繁忙期にバカみたいに高くなるということはないけれど、
多少は安くも高くもなりはするだろうね。
まあ、喫煙者需要が航空機や近鉄特急にシフトすること、繁忙期に無尽蔵に自由席売り捌いていたものがなくなること(先行して最繁忙期の自由席は廃止になった)、リニア工事が遅れていること、パンデミックでの減収を繁忙期価格に転嫁するかなぁ。
自由席をなくして値上げしやすくするために喫煙ルーム廃止した可能性もあるよね。
パンデミックと葛西氏の死で社内の意識が大きく変わりつつある、という話は内側から聞いてはいるけれど、
いよいよN700シリーズの加速力の如く、色々なものが動き始めるのかもしれない。
それじゃあバイバイなまらステ🧡💙❤️厚沢部煮切でしたっ✨
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