南北線品川延伸、2つの疑問
こんばんナマステ💚Kyoskéこと暑寒煮切(あっさむにるぎり)だよっ✨
東京メトロこと東京地下鉄株式会社の上場を待ったかたちで、いよいよ有楽町線豊洲ー住吉間と南北線白金高輪ー品川間の建設が始まった。
恐らく建設距離の短い南北線が先行して開通、開業するだろーから、有楽町線の話は後日に回すとして今日は南北線について考えてみたい。
白金高輪から品川までは地図を見る限り、清正公前交差点で目黒方面へ向かっていく現状の線路からは別れて国道1号線をそのまま進み、白金台2丁目バス停あたりから品川に向かって逸れていくルートにするとグランドプリンスホテル新高輪の下を通れるので用地買収交渉がしやすいように思える。1.9kmほどだろうか。
しかし現実はもっと迂回したΩ型のルートを取る。
清正公前交差点から先も目黒方面の現ルートにそのままついていき、白金台駅の手前から大きく旋回、都営浅草線高輪台駅の真下を通り、ここから品川駅手前までは建設中の環状4号線の真下を通る。国道15号線に移り、京急・JR品川駅高輪口の正面地下に品川駅ができる。大きく迂回するため2.8kmほどになる。
リニアの2次交通強化が名目なはずだけど、港南口側にあるリニア駅は遠い。リニア駅から一度地上に上がらせて、高輪口からまた地下に下ろさせて乗り換えさせるんだとマジ最悪。
リニアのコンコースから同一平面で南北線のコンコースへ行ける地下通路の整備が求められるけれど、これにはJR東日本の用地を通ることになるため調整が必要になる。
なんでこんな迂回ルートを取るのかというと、現在白金高輪で南北線と都営三田線が合流するので、目黒方面へ行かない方の電車が折り返すための引き上げ線が白金台方面に設置されている。
この引き上げ線を延伸させるという方法を取るためにこーなる。
引き上げ線から高輪台駅付近までは私有地を通るけれど、地下40mの大深度地下のため私権が発生しない。
そして環状4号線の下を通りながら標高を上げていき、品川駅に達するということになる。
そこで最初の疑問が思い浮かぶ。
何故高輪台にホームを設置しないのか。
2.8kmもの間に駅を設置しないというのも東京の地下鉄としては異例で、現在のメトロ最長駅間距離である東西線南砂町ー西葛西間2.7kmを上回る。
南北線と都営浅草線の間には乗り換え駅がないし、近隣にはグランドプリンスホテル新高輪、明治学院大学、JCHO東京高輪病院などがある。
都営浅草線のなかで最も乗降客が少ない駅ではあるけれど、それは京急直通の本数が多く西馬込系統が支線化していて本数が少なく、都営浅草線自体が山手線などのJRと並走していることもあり、近隣の五反田、品川、泉岳寺、白金高輪、白金台といった駅に利用が流れているため。
南北線と都営浅草線の乗り換え駅になれば新たな人の流れも生まれるはず。
にもかかわらず高輪台に駅を設置しないのは、先述したように地下40mを走るために造っても不便になるからだと。
そんなのてめーの物差しで決めんなって話だよ。
南北線から都営浅草線に乗り換えられないよりずーっといいし、地下40mというのはリニア品川駅と同じ深さであり、そちらには高速かつ大人数が乗れるエレヴェイターを設置するとしている。
高輪台だって同じものを設置すればいいし、都営浅草線の高輪台駅ホームは地下18mと比較的深いので、南北線との高低差はそこまでない。
駅を追加すれば勿論事業費は増えるけれど、代替ルートが増えるし悪くない投資だと思うよ。
用途が決まっていない東京都によるメトロ株売却益を高輪台駅設置による追加事業費に充てるのもひとつの案。
それから都営浅草線の泉岳寺ー西馬込間はデイタイムに10分に1本しか走っていないというのも大問題で、そこを改めてもらう必要もある。
東京都が高輪台並びに西馬込までを軽視しているからこそ南北線に駅を設置しないんだよね。
もーひとつの疑問は都営三田線をどーするのかということ。
これも先に挙げているけれど、現在は南北線と都営三田線が白金高輪でミート、目黒方面へはメトロと都営が線路をシェアリングしている。
であれば、白金高輪ー品川間も南北線と都営三田線が共用して然るべきなのに、一貫して南北線という報道しかされていない。
だとすると品川まで開業した暁には品川乗り入れは南北線に固定され、逆に東急目黒線への乗り入れは都営三田線に固定されるのだろうか。
日中の相鉄直通が都営三田線に固定されていることがひとつの兆候かもしれない。
でも、現実は都営三田線への傾斜配分になると思われる。
いまは白金高輪以北で南北線と都営三田線がともに日中6分間隔、つまり1時間に10本走っている。
白金高輪からは15分間隔に東急線内急行1本、東急線内各停2本、つまり1時間に12本走っている。
だから南北線と都営三田線からは6本ずつが目黒方面へ直通し、4本ずつが白金高輪止まりとなり先述した引き上げ線に入っていく。
品川開業後は都営三田線は10本すべて目黒方面へ直通、南北線からは2本が直通、残った南北線の8本が品川へ乗り入れるということも考えられる。
この場合、南北線は東急目黒線直通の1本前を走る品川行きが白金高輪で3分間時間調整して、前後を走る品川行きとの運転間隔を9分にするのが現実的。
東急目黒線直通を都営三田線に固定した場合は白金高輪以北を5分間隔に増発する必要があり、東京都交通局としてはあまりやりたくないんじゃないかと。
南北線と都営三田線の両方が品川に乗り入れれば素直だけども、JRと近接するルートを走る都営三田線が品川まで乗り入れても効果は薄い。
現時点では都営三田線の全部と南北線のごく一部が目黒方面、南北線の大半が品川へ向かうのが一番有力という気がする。
これは運賃政策からしてもそう。
白金高輪ー目黒間と同じように白金高輪ー品川間をメトロと都営両方の運賃が適用できるようにすると京急から泉岳寺経由で都営浅草線に直通する人が激減してしまう。
白金高輪ー目黒間は両方の運賃適用、白金高輪ー品川間はメトロのみにするためには、上に挙げたような配分での運転系統にせざるを得ないだろうと。
これは利用者無視の施策だけどね。
品川開業を機に都営三田線をメトロに譲渡することもありうる。
都営三田線は南北線をはじめとしたメトロのほとんどの路線と互換性があるのに対して、ほかの都営地下鉄の路線とまったく互換性がない。
メトロとしても都営三田線を手に入れることで販路拡大とリソースの共通化を図れるのだから、悪い話じゃない。
現在他の都営地下鉄と乗り換えれる駅は三田・神保町・春日の3駅、それに対してメトロと乗り換えれる駅は白金高輪を除けば日比谷・大手町・神保町・春日の4駅に増えるし内幸町と銀座線新橋の乗り換え駅指定も可能。
これをやった方が運賃政策もすっきりするだろうというところで。
理想はメトロと都営の運賃一元化だし、もっといえばそこに京急の泉岳寺ー品川間も千代田線の綾瀬ー北千住間と同じ方式で運賃ネットワークに組み入れるべきなんだけど、
これよりも都営三田線のメトロ譲渡の方が現実的に聞こえちゃうのが、世界の非常識たる日本の常識。
何度でも言うけどパリやソウルは複数事業者が地下鉄走らせてるけど運賃同一だからね。
ということで高輪台に駅はできないし、三田線が品川に来ないから都営地下鉄の運賃ネットワークも品川に来ない、というなんだかなぁって話。
それじゃあバイバイナマステ💚暑寒煮切でしたっ✨