ラーショ系「◯柏ネギラーメン」からライト家系「王道乃印」へ・後篇
こんばんなまらステ❤️💛Kyoskéこと厚沢部煮切(あっさぶにるぎり)だべさっ✨
一昨日の続きだよっ‼️
「王道家」のネクストブランドであるラーショ系の「◯柏ネギラーメン」が一昨日閉店、明々後日ライト家系「王道乃印」としてリニューアルオーペンすることについて、
一昨日の前篇では「◯柏ネギラーメン」を中心に書いてきたので、今日は「王道乃印」について書いていきたいと思う。
といっても、食べてもないものを書いていくのも難しいんだけどね、当店についての言説についてなどに対してコメントしていくようなかたちで。
まずライト家系とは何ぞや、という話。
清水社長が「吉村家」の修行を通して見た光景は豚ガラを山ほど使ってスープが作られるということだった。
大量に豚ガラの入った寸胴をかき回すことさえ初心者にはできない。
当然大量のゴミが出るけれど、師匠の吉村実氏は「ゴミの量を見れば美味いまずいはすぐわかるんだよ」と言った。
2000年代前半あたりの「吉村家」及びその直系店は、兎に角ふんだんにガラを使っていた。
清水社長のすぐ後に修業をした「まつり家」の内田店主(現「麺や一峯」店主)のドキュメンタリーを視ていても、ガラの量をめぐる話が出てくる。
このとき「ガラケチってんだろ」と言った兄弟子が当時は「環2家」店主の鶴巻氏で、現在は清水社長と行動をともにして「横浜王道」を経営している。
清水社長は「吉村家」とは半々で「環2家」の厨房でもトレーニングを積んだ。清水社長と鶴巻氏はこのときからの紐帯。
「吉村家」の昔の味といわれる「本牧家」「六角家」系譜を見ていてもここまでのガラは使っていないと思うので、「吉村家」だけがどんどんガラの量をエスカレートさせていったと見られる。
清水社長や鶴巻氏はそんな時代の「吉村家」の申し子なのだ。
ただ清水社長は心のどこかで、これだけが本当に正解なのかと自問自答していた様子。
その最初のきっかけは恐らく「環2家」での修行の合間に並びの「本牧家」で食べたことなのだと推察される。
この位置関係は「吉村家」が狙っていた土地を取得した「本牧家」キラーとして「環2家」を立ち上げたから。鶴巻氏は吉村氏の意向を受けて2代目の店主となり2015年まで続けた。
清水社長は「本牧家」と「六角家」へ行って、こちらの方が麺がスープと合っていると感じ、「酒井製麺」にあちらには特別な麺を卸しているのか問うたところ同じ麺だと返されたという。
清水社長が「吉村家」のガラの量に疑問を持った嚆矢は「酒井製麺」との相性にあった。
そこで後年、このガラの量による濃厚スープに合う麺を自分で作ろうと決意して、そして吉村氏の怒りを買って破門されることになる。
したがって、このエピソードと表裏一体のところにライト家系が存在する。
ガラをそんなに使わなくても美味いスープって作れるんじゃないかという問い。
実際破門された翌年に清水社長は最初の支店として野田市に「家系ラーメン王道」(通称「野田王道」)という店を出し、ここではファミリー層狙いを名目にライト家系を出した。
ライト家系の最初の定義はガラの量を2000年代の「吉村家」や「王道家」ほどは使わず、濃厚ではない代わりにもっと幅広い層に食べてもらえやすいラーメンということになる。
2014年に「吉村家」の弟弟子を清水社長がヘッドハンティングした「とらきち家」が横浜の六角橋にオーペンすると、そこは「六角家」のすぐ並びであり、当初は苦情もあったようだけど次第に「六角家」の神藤氏とは吉村氏に切られた共通点もあってなのか接近する。
2017年に「六角家」は閉店するけれど、2020年に「野田王道」をリニューアルした際「神道家」という名前にしたのは明らかに神藤氏へのオマージュだろう。
この店名をどーやったら「じんどうや」と読むのだろうか。
清水社長は惟神の道(かむながらのみち)に染まったわけでもないだろうし、別に自らを神とも思っていなければ、「王道家」を超える存在として神を出したわけでもないだろう。
「神道家」のラーメンは「六角家」インスパイアというわけではない。清水社長は「六角家」系譜の「蔵前家」にいた弟子(京都「紫蔵」店主)をとっていて、「六角家」の作り方はある程度わかっている。
それをそのまま出すのではなく、それを融合させたラーメンを編み出した様子。
この当時の清水社長の考えは「六角家」から得たエッセンスを組み入れたことで、ライト家系ではないガチ家系でも「野田王道」に来ていたファミリー層に受け入れられるものが完成した、ということではないだろうか。
作り方は全然違うから味も全然違っていて「王道家」より「神道家」が好きという人もSUSURU氏をはじめ多いんだよね。
また、一時柏から取手に移転していた「王道家」を柏に戻す際、取手の店も残し「王道家」と「神道家」の中間の味にした。
清水社長は家系の「家」は家族という意味だと吉村氏から教わった。
「家」のつかない「野田王道」は吉村氏の下から外れる決意でもあったのかもしれない。
それを「神道家」にリニューアルしたのは神藤氏との出逢いで直系云々ではない家系ラーメンという大きな家族を見出したから、ということじゃないかな。
なお、2015年に鶴巻氏が「環2家」を追放された後、弟弟子の清水社長を頼り「家系ラーメン王道」を立ち上げる。
正式名称が謎だけど、通称は「横浜王道」、X(旧twitter)のアカウントは「王道ラーメン横浜」となっている。「野田王道」の支店のような扱いだったのだろうか。
吉村氏の弟子のなかで鶴巻氏だけが吉村氏を「親父」と呼び、親愛の情は清水社長や「杉田家」の津村氏などよりも深かった様子。
鶴巻氏にとっての「家」は吉村氏と共に歩むものであり、そこから離れざるをえなかった以上、どうしても「家」をつけたくなかったんじゃないのか。
それで恐らく清水社長に頼み込んで「王道」を名乗ったけれど、鶴巻氏は「野田王道」のようなライト家系を作ろうとはしなかった。
二律背反の思考を両立できる清水社長と違って鶴巻氏はピュア。「親父」のやってることは絶対なのだ。
「横浜王道」は正式名称が謎なので、店名の右下に「王道之印」という割印が押されていることから「王道之印」を店名だと思っている人が結構いる。これは食べログがそう解釈して載せていることも大きい。
この割印は「王道家」グループの象徴みたいなもので、それこそ無限にんにくとか刻みしょうがに押されているものなんだけどな。
なお、明々後日にオーペンするライト家系の店は「王道乃印」。
乃木憂助や乃木坂46と同じ「乃」だっつーの。
しかしながらこんな勘違いがやっぱり出てくる。
実際昔から店名を二重で勘違いしてる人多かったからね。こーゆー人は之木坂46って書くのかな。これきざかふぉーてぃーしっくす💦
さて、時はパンデミック、ロシアのウクライナ侵攻、円安といったことが重なり、原材料の値上げが止まらなくなった。
「王道家」をはじめ家系ラーメンはどこも値上げを繰り返している。
なかには値上げの代わりに音を上げ、つまり家系ラーメンをやめてしまった店舗すらある。
ラーメン全体でいえば1,000円の壁は超えるのが当たり前になってきているなか、家系ラーメンで超えているのは知る限り今日が1周年の中野「箕輪家」、稲毛「虎ノ穴」くらいだろうか。
我らが「革新家TOKYO」ですら、家賃の高い東京ラーメンストリートに居して、世の中の家系ラーメンよりもいい食材を使っているのに900円で抑えている。
ただし「ソラノイロ」グループ全体で豚を買っていたり自家製麺をしているのでコストは下げられるし、この施設2店舗目なのでもしかすると家賃もディスカウントできている可能性はあるけれど。
家系ラーメンは慣習価格として安いものであり、1,000円超えはまだ禁忌といえる状況があり、「ソラノイロ」宮崎氏ですら革新できなかったわけだ。
清水社長は少し前からガラをたくさん使うのが本当にいいことかわからない、「町田商店」や「(新中野)武蔵家」を見習った方がいい部分もある、といった発言をするようにもなった。
ラーメンは気軽に食べられる安くてうまいが基本、とも。
このような問題意識が清水社長のなかでライト家系の記憶を呼び醒ますに至る。
気になるのは「今の技術力」という表現。
「野田王道」は2020年の閉店時ラーメン650円、ライス130円だったようなので、780円というのはここから来ている。
「今の技術力」はすっかり原材料費が上がってしまった3年後の世界においても同じ価格で出せるためのスキルなのだ。
なお、清水社長がライト家系の復活を期したきっかけはこれだけではないと考えている。
今春の野外イヴェントに「柏ラーショ」として出店した後、ラーショ系と家系の中間のようなスープができればこの厨房施設でも出店できると語っていたし、その後もそういうラーメンを作っての出店を考えているという発言があった。
それとは別に一昨日も少し触れたけど、「つじ田BOX」の辻田氏・岩崎氏とともに若者にフランチャイズ店を与える企画を進めている。
ここで取り扱うブランドとして、二郎系「豚と脂。」、ラーショ系「ネギラーメン」、そしてもうひとつのブランドという話があった。
それってこのライト家系の可能性が高い。
ここでひとつ重要なこと。
「柏ラーショ」~「◯柏ネギラーメン」については「王道家」の有限会社清水商事とは別に株式会社ラーショを立ち上げていたこと、またこの法人に対してなのか店舗に対してなのか不明だけど、辻田氏・岩崎氏も出資している。
「王道乃印」の運営会社は引き続き株式会社ラーショの可能性が高いし(従業員を有限会社清水商事に転籍させる可能性もあるけれど)、
少なくとも「◯柏ネギラーメン」を閉めることはステークホルダーである辻田氏・岩崎氏の承認なしにはできないし、2人がライト家系へのリニューアルに関わっている可能性も極めて高い。
だとしたら、若者支援プロジェクトのサードブランドはライト家系で決まりではないかと思う。
辻田氏は「豚骨醤油ラーメンぱんだ」という背脂チャッチャ系の店で失敗しているし、「前原軒」という直系インスパイアの家系ラーメンでも失敗している。ただ「前原軒」は自販機のヌードルツアーズではまだやっていると思うし、ノウハウと一部従業員をフランチャイズ店の「登戸家」に継がせているけれど。
辻田氏にとって「ぱんだ」のリベンジが「柏ラーショ」でありそれもコケたけど「◯新ネギラーメン」には繋がったし、「前原軒」のリベンジが「王道乃印」であると考えられなくもない。背脂チャッチャ系とラーショ系、直系インスパイアのガチ家系とライト家系は似て非なるものだけどさ。
さて、「王道乃印」については多くの人が心配していることがある。
それは、柏駅東口には「王道家」がプロデュースした「宗八」という家系ラーメンの店があり、「王道乃印」と双方需要を食い合ってしまわないのかと。
ここは元々は「麺屋武蔵」出身の店主が立ち上げ、2019年に「王道家」傘下に入り、「王道家」が取手に移転していた時代は城代家老として柏を守護した。
「王道家」が柏駅西口に帰ってきても、これまで上手く棲み分けてきたけれど、今後どーするのだろう。
「宗八」はガチ家系、「王道乃印」がライト家系でベツモノだと言い切るつもりなのか。
こればかりは結果がすべてというか、「宗八」が利益を減らさず、「王道乃印」が利益を出せばいいことなんだけど。万が一のときトラブルにならないか。「宗八」とは擦り合わせたことなのか。
清水社長は同じ製麺所のラーメンが同じ地域で食い合うことをもの凄く嫌ってきた。
「六角家」の近くに「六角家」キラーとして「吉村家」が「末廣家」を出したことをこっぴどく批判しており、ではその場所に「とらきち家」を出した貴方はどーなんだ❓と問われると、製麺所が違うから構わないと切り返した。
実際、「六角家」の神藤氏とは仲良くなったんだから、神藤氏もその論理には共感したのだろう。
また一時期蜜月だった「輝道家」の弟子で池袋西口にある「皇綱家」に「王道家」の麺を卸しているけれど、「輝道家」自身が池袋東口に出店するので「王道家」の麺を使いたいと頼んだら、清水社長が「先生が弟子を潰すのは許さない」とカンカンに怒って絶縁した。(これは清水社長に一方的な言い分で「輝道家」の方から何の声明も出ていないことは付け加えておく)
要するにこれ「酒井製麺」の考え方なんだよね。
「酒井製麺」は紹介制を取るといいながら、まるで関係ない店が「酒井製麺」を使えることがあるのは、地域毎に1店舗というのを原理原則にしているからだとされる。
恐らくはかつて「酒井製麺」がパートナーにしていた「ラーメンショップ」との付き合いから来ていると考えられる。
「ラーメンショップ」はフランチャイズを拡げてきたから、フランチャイズ店同士の潰し合いを非常に嫌う。
元は蒲田のローカルなうどん業者だった酒井製麺にとって多分、蕎麦屋のラーメン的なものを除けば、本格的なラーメン店との初めての関係性だったんだろうし、「ラーメンショップ」から影響を受けたのだろう。
吉村氏曰く酒井さんは義理堅いからと。
この「酒井製麺」の競合阻止ルールについては傍から見ると一貫性がない。
「吉村家」は前述の通り「本牧家」「六角家」をはじめとして色んな店の近くに出店させているけれど、「酒井製麺」は咎めていない。
それは「酒井製麺」が「吉村家」には頭が上がらないからなのかというと、日吉では「(新中野)武蔵家」を守るために「酒井製麺」が「吉村家」の出店を阻止したというエピソードがあるし。
気まぐれなのか綿密な計算があるのかは不明。
ということで「宗八」と「王道乃印」が共存共栄できれば、ガチ家系とライト家系はベツモノという論理が通用するけれど、仮にこれで「宗八」の経営が立ち行かなくなることがあれば、清水社長にとって大きなブーメランになってしまう。
自分は「野田王道」で食べたことはないから、ライト家系がどんなものなのかは想像できない。
初日は柏と反対方向で仕事あるし食べには行けないけれど、年内には必ず食べてXやインスタにUPするつもりだから是非楽しみにしててほしい。
そして。
今回の急展開が起こる前から、年末に「王道家」の1年間をきちんとまとめようと思っていた。
おかげさまで昨年の記事を結構色んな人が読んでくれてるからさ。
とくに株式会社ラーショについては経営に何某かの変化があったのか、きちんと謄本取って確かめようと思っている。
ラーショ系に限らず、この1年間で色んなことありすぎたでしょ。
昨日も書いたように「ソラノイロ」に寝返って「王道家」のアンチになったけど、興味の対象としては全然変わってないので、今年も書かせていただきます。
乞うご期待💖
それじゃあバイバイなまらステ❤️💛厚沢部煮切でしたっ✨