夏が過ぎると思い出す
こんばんナマステ🧡Kyoskéこと暑寒煮切(あっさむにるぎり)だよっ✨
来月行なわれる会津バスの檜枝岐(ひのえまた)線と内川線の統合というとてもミクロな話をしたいと思う。
とりあえず福島県の話であることはわかるだろうし、檜枝岐という地名に見覚えがあってくれたら嬉しい。
檜枝岐村というのは会津の超山奥にあって、人口密度は福島県で、とか東北で、とかではなく日本最下位。
人口密度世界最下位であるモンゴルを下回る。
1年を通して車が安定して通行でき、路線バスが走っているのは隣の南会津町との間のみ。
こんな村がなぜ存続できるのかというと、奥只見ダムの開発と尾瀬の観光。
先の記事で挙げた裁ちそばをはじめとした山人(やもーど)料理なんてものが残るのも、村が存続できているから行政としてストレートに発信できるのよ。
これが市町村合併を繰り返して旧ナントカ村のさらにナントカ郷とかなってくると、郷土料理がどんどん失われたり、そうでなくても保存会みたいなところでレシピを保管してときどきつくる催しをする、くらいしかなくなってしまう。行政はそれをホームページに載せる程度。
んで、今ある路線バス檜枝岐線というのが、南会津町の会津高原尾瀬口駅から檜枝岐村の集落を抜けて尾瀬の入り口である御池(みいけ)まで、夏の間はさらに沼山峠まで4往復走っている。
これ以外に尾瀬のなかを観光客向けに走っているものがあるけど、一旦は置いておく。
会津高原尾瀬口というのは元々は会津滝ノ原という駅で過疎地域。会津若松から国鉄会津線というのが走っていたけど、ほとんどの列車が南会津町の中心である会津田島駅で折り返していた。
だけれども国鉄民営化まで半年を切ったときに東武鬼怒川線の終点新藤原と会津滝ノ原を結ぶ野岩鉄道が開通して、会津滝ノ原は関東と会津や尾瀬を結ぶゲートウェイ会津高原駅に生まれ変わり、のちに駅名の尻に尾瀬口もつくようになった。
ということで檜枝岐からのバスは会津高原尾瀬口に乗り入れているけれど、滝ノ原自体は野岩鉄道ができてもなんの発展もなかった。
檜枝岐の人は東京に行くとき以外、滝ノ原になんの用事もない。
病院などちょっとした用事を済ませるなら会津田島、そこそこの買い物があれば会津若松、県庁に用があれば福島、いずれにしても会津田島を通る。
檜枝岐からみて会津田島と会津高原尾瀬口への道が分岐するところにある内川というところから会津田島へ向かうのが内川線で、以前は内川線も本数がもっと多くて檜枝岐線と乗り換えは今よりスムースだった。
しかしドライヴァー不足が理由だと思うけど、昨年内川線は2往復に減便されてしまってあら大変。
檜枝岐線と内川線がスムースに乗り換えられなくなってしまった。
檜枝岐の交通は生活より観光が重視されたということになる。
この後、各方面で政治的な駆け引きがあったんだと思うよ。
それで会津田島―内川―尾瀬御池/沼山峠のシン檜枝岐線に生まれ変わることになった。
檜枝岐の人にとってみれば乗り換えなしで会津田島まで4往復で病院・買い物直結なのは素晴らしい話。
だけども、東京からの観光客・登山客も一旦会津田島までツラ出せや、という話。
生活と観光の主従関係が完全に逆転した。
尾瀬に行けないなら「尾瀬口」の看板ハズしてよ、と。
それはまぁハズさないと思う。
なぜかというと、東武の伝統である浅草23:45発の尾瀬夜行にはこれまで通り専用の連絡バスが会津高原尾瀬口から出るからね。
問題は帰りで、浅草行きの特急リバティ会津154号に接続する尾瀬沼山峠からのバスが今まで15:50発だったのが、15:00発になるためその分だけ尾瀬での滞在時間が減る。
このことは檜枝岐に落ちる金も減ることを示す。
ちょっとした買い物もそうだし、下山後に温泉でひとっ風呂浴びようっていう人も多いんだよ。
これまで群馬側から檜枝岐、檜枝岐から群馬という2ウェイだったのが、これによって群馬側から檜枝岐へ抜ける人が減ることもありうるし。
長い目で見たら目先の生活のために、生活の土台を取り壊してしまうということもいえる。
幸い、秋に入り登山シーズンも残りそんなに長くないので、今年は観光がちょっと不便になったね、で済ませるだろうけども。
来年は沼山峠16:00発のシン檜枝岐線から内川で乗り継いで今までのリバティ会津154号に間に合う会津高原尾瀬口行きのバスを新設することが考えられる。
また、今年のスキーシーズンについても不安を残す。
尾瀬夜行はスノーパルと名を変えて、スキー客用の夜行列車になるけれど。
行きは会津高原尾瀬口からたかつえスキー場とだいくらスキー場へのシャトルバスが出るけれど、問題は帰り。
だいくらの方はいい。シン檜枝岐線のルート上にあるからさ。
問題はたかつえで公共交通がなくなってしまう。
たかつえにある会津アストリアホテルズの宿泊客向けにシャトルバスがあるので、これに日帰り客も乗せることになるのかな。
スキー場とアストリアホテルズは一体運営なので、それくらいはやらないと。
なお、現在の檜枝岐線は舘岩という集落を通り、ここもバスがなくなってしまうけれど、元々デマンド型の乗合タクシーがある。
こちらは舘岩地域内のどこからでも乗り降りできるし、会津高原尾瀬口を経由して会津田島まで連れて行ってくれるから、地元民にとってはバスより便利だし、舘岩に点在する旅館・民宿への宿泊客もカヴァーできる。
10月以降、多少の増便や、シン檜枝岐線に乗り換えるための内川への走行区間延長もなくはないので、ここは動きを注視したいところ。
ただ、舘岩を午前、会津田島・会津高原尾瀬口を午後に出るダイヤなので、地元民と宿泊客にとってはよくても、尾瀬に行く人は使いづらいし、そこのケアはされないと思う。
ということで夏が過ぎると思い出す、はるかな尾瀬はもっとはるかに。
それじゃあバイバイナマステ🧡暑寒煮切でしたっ✨
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