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【X space連動】世界遺産が3つに❗️紅茶だけじゃないアッサム、だけど焦りは禁物⁉️
こんばんナマステ🧡💚Kyoskéこと暑寒煮切(あっさむにるぎり)だよっ✨
今日はモイダム群が新世界遺産に登録されたことを記念して今夜22時からXのspaceで話すアッサム州のことについてこっちでも書いていくよ🌟
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まずアッサム州について簡単に紹介。
インドの右上にちょこんと突き出てるとこあるでしょ。あれの大半がアッサム州でT字型の州域になっている。
なんであんな感じで不自然にちょこんと出てるかというと、インドがUKから独立するとき、ベンガルのうちムスリムの多い東半分が東パキスタンとして分離独立、その後東西パキスタンも分裂してバングラデシュになったという経緯から。
なので、バングラデシュじゃないところがにゅるっと残ってしまった。
そのうち藩王国といってブリティッシュインディアと幕藩体制によく似た関係を築いていたマニプールとトリプラがそのまま州となり、それ以外はぜーんぶアッサム州になった。
その後民族・言語の観点からメガラヤ州、ナガランド州、ミゾラム州、アルナーチャルプラーデシュ州がアッサム州から独立して、マニプール州とトリプラ州を合わせた7つの州をセヴンシスターズと呼ぶようになった。
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アッサム州は多数の民族が住むけれど、4割以上を占めるのがアッサム人で、インド・ヨーロッパ語族の東端といえるアッサム語を話す。したがって北インド・イラン系のアーリア人だけれど、周辺に集まるタイ・カダイ語族、シナ・チベット語族、オーストロアジア語族の民族との混血になっていて、各カースト集団は顔がそれぞれのルーツの血が濃いためルックスは多様。
アッサムという固有名詞の元となったのはアーホーム族というタイ系の民族で、中国の雲南省から来たといわれている。彼らはタイ・カダイ語族に属するアーホーム語を話していたはずだけども、現在話者は消滅しておりアッサム語を話している。
反面、現地の大学ではアーホーム語の復活に取り組んでおり、アッサム州はアッサム人・アッサム語の独自性を誇りつつ、ルーツであるアーホーム人の文化も守ろうとする二重のアイデンティがある。このあたり北海道とアイヌの関係に似ているんじゃないかな。
この背景がモイダム群の世界遺産登録に繋がってくる。
アッサム州には様々な少数民族もいるけれど、隣接するバングラデシュとの関係も深く、バングラデシュから逃げてきたヒンドゥー教徒のベンガル人がいてその多くはアッサムでも迫害を受けているほか、バングラデシュ北東部の中心都市でありベンガルとは少し違った文化を持つシレットの言語もシレットと隣接するエリアでは話される。
国境はどう引いたって必ず漏れる人がいるってことだね。分離独立時に多くの死者を出したパンジャーブと比較するとベンガルの分離独立は概ね平和だったと語られるけれど、細かく見れば決してそーじゃない現実は知っておきたい。
アッサム州の原型は1226年に成立したアーホーム人によるアーホーム朝だけれど、交易が原因なのかどうかどんどんアッサム語に呑み込まれていき、前述したようにアーホーム語が消滅してしまう。
そんなアーホーム朝の王家を地上の神と考え、死後の世界の投影として埋葬した墳墓がモイダム。かたちは日本の古墳によく似ている。
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19世紀に入り、アーホーム朝はビルマ(ミャンマー)のコンバウン朝に侵攻され支配下に。それを撃退したイギリスによってブリティッシュインディアに組み込まれ、分離独立時にインドに入って今に至る。
ブリティッシュインディア時代の大きなトピックとしてはなんといっても紅茶。ダージリンの紅茶は中国から持ってきたものを植えたんだけど、アッサムではそれによく似た原種を見つけて、一大産地になる。
とくにミルクティーに合い、北インドではチャイに進化。だからインドの国内消費は大半がアッサム産。
アッサムって一般的には地域とか言語、民族より紅茶のことを指すわけで。
それではこれからアッサム州を実際旅行するというところに話を持っていきたいのだけど、まずはT字型になっているアッサム州を西部・中北部・東部・南部と4つのエリアに分けていきたい。
西部はアッサム州最大の都市で唯一の国際空港があるグワーハーティーが玄関口。国際空港といっても今のところ東南アジアなどからやってくるのはLCCばかりで使い勝手はイマイチ。現状では首都デリーか東部最大の都市コルカタがアッサム州の玄関口になる。
ヒンドゥー教の名刹カマヒヤ寺院、州立博物館、市場、動物園など都会ならではの楽しみもあり紅茶やシルクなどの買い物も楽しいけれど、アッサム州の北部を貫くブラマプトラ川ではクルージングをしたり、川辺でキャンプしたり、近隣でトレッキングなども楽しめる。アッサム州では一番の都会でも、インド全体ではのどかな田舎町という感じ。また、州都のディスプルはグワーハーティーの郊外にあるけど、本当に州の機関があるだけの町。
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西部の見どころといえば何といっても世界遺産マナス国立公園。
蛇の神を意味するマナス川が流れる自然の宝庫は虎との遭遇率は高くないけれど、象をはじめ様々な動植物と出逢うことができる。
民族紛争が原因で動物が保護されなくなり危機遺産に指定されていたこともあったけど、現在は解消している。
なお、ブータンと接しており、ブータン側も王立マナス国立公園となっている。
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グワーハーティーはメガラヤ州やパロ空港からは行きづらいブータン東部への拠点でもあり、アッサム州西部は様々な行き先と組み合わせられるのも魅力。
中北部はブラマプトラ川北岸のテズプルと南岸のジョルハートに空港があり、テズプルはコルカタから、ジョルハートはデリーとコルカタから便がある。
テズプルは緑に囲まれた田舎町で、炎の城を意味するアグニガーからの川の眺めでほっとひと息つけるところ。
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ジョルハートは紅茶生産の中心地でトックライ茶葉研究所で紅茶のことを学べるのも魅力だけど、なによりブラマプトラ川に浮かぶ世界最大の中州マジュリ島が有名で自然とともにミシン族の竹を使った伝統文化や信仰が魅力的。
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中北部で絶対に忘れてはならないのがマナス国立公園とともに世界遺産に登録されたカジランガ国立公園。
ここはなんといっても犀で有名だけど、もっと重要なことはインドにおける動物保護の先進地であって、インドの他の国立公園とは格が違う。そのため虎を中心に動物たちを守っていく国家プロジェクトであるプロジェクトタイガーについてもだいぶ長い間見下していて参加していなかったほど。
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テズプルはグワーハーティーから陸路で3時間、カジランガ国立公園で4時間、ジョルハートは6時間なので、ジョルハートin グワーハーティーoutといった感じで中北部の旅は組める。
東部の拠点はブラマプトラ川南岸のディブルガルの空港にデリーやコルカタからの便がある。ここはインド最果ての駅もあり、インド最南端のタミルナードゥ州カンニャークマリまでのヴィヴェクエクスプレスは4,154kmを74時間かけて走るインド最長距離の列車。町のランドマークはピンク色のジャガンナート寺院。
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東部は新世界遺産のモイダムがアーホーム朝の首都だった内陸のチャライデオをはじめ点在しており、だいたいディブルガルとジョルハートの間にあるから、移動しながら寄っていくイメージ。
ディブルガルの東寄りにあるディブルサイコーワ国立公園もマナスやカジランガのような世界遺産にはなっていないけれど、それらにないブラマプトラ川の氾濫原の景観は独特。
ここの名物は世界でも珍しい野生の馬だけども、実は原生ではなくイギリス軍の厩舎から逃走した馬の子孫だったりするので生態系的にどーなのって気はするけど、他にない見どころであるのも事実。
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この先はアルナーチャルプラーデシュ州に入り、中国と接するため入るのにパーミッションが必要になる。また東部はナガランド州やミャンマーとも接している。
少数民族もたくさんいてインドと東南アジア・東アジアの狭間といえる自然環境や文化が最大の魅力といえるだろう。
最後にT字の下の部分、南部は中心都市のシルチャルまでコルカタなどから飛べるけども、グワーハーティーをはじめとしたブラマプトラ川沿いから陸路で行くには遠過ぎて、アッサム州の飛地に近い感覚。むしろバングラデシュ北東部の中心であるシレットが近く、文化圏的にもそちらに近い。
少数民族の村のほか遺跡も点在しているけれど、正直言ってアッサム州の他とセットにするには向かない上級者ゾーン。
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ひとまず西部、中北部、東部のなかから、自分の興味や取れる休暇と照らし合わせて、ひと筆書きで移動するのが効率がいい。
3つの世界遺産、3つの国立公園をサクッとまわって1週間ってとこかなぁ。
話を聞いて、夏の予定が決まったぞ🎶
と思ったら、まじでやめてくれ。
アッサムは雨が多いうえに、ブラマプトラ川はインドでは珍しい急流で、雨季のアッサムは洪水が多発する。
それにマナスやカジランガって雨季は休みなのよ。だからこそ人の立ち入らない間に動植物が育つのがいいんだけどね。
だからアッサム州への憧れは冬休みまで取っておこうね。
暑寒煮切との約束だよ👍
それじゃあバイバイなまらステ🧡💚暑寒煮切でしたっ✨