北関東(栃木県・群馬県)ご当地麺35選
はじめに
こんばんナマステ❤️Kyoskéこと暑寒煮切(あっさむにるぎり)だよっ✨
ご当地カレーの探求から始まって、
横展開版のご当地麺シリーズ、
今日は北関東の栃木県・群馬県をやっていく。35選は過去最多タイね。
ご当地麵の基準がこちら。
①穀類の粉で生地をつくり、細長く伸ばした料理
②産地ではなく文化を基準にする
③自然発生的に生まれ地元の人たちに愛されている料理でまちおこし、地産地消のために創作されたものでないこと
④単一の店舗、系譜、資本などで完結していないこと
⑤広く普及しすぎて地域性を失っていないもの
⑥郷土料理・ご当地グルメを単にくっつけた麺料理も除外
毎度のことながら著作権的に文字情報しかお届けできないものがあることはご了承いただきたく。
1.ちたけそば、ちたけうどん@栃木県全域
乳茸という栃木以外では知られていない茸を使った蕎麦。夏が旬のためお盆の定番。茄子と一緒に炒めて、かけ蕎麦やつけ蕎麦スタイルで食べるほか饂飩にもする。栃木県民は蕎麦も饂飩も大好き。
2.ひたしそば(冷やしそば)@栃木県北部
熱いつけ汁にかき揚げが浸されている提供されるつけ蕎麦。つけ汁が熱くても「冷やし」と表記される。
3.冷やしたぬきそば@栃木県北部
揚げ玉の入った熱いつけ汁に冷たい蕎麦をつけて食べる。前項と共通文化。
4.スープ入り焼きそば@栃木県那須塩原市塩原温泉郷
ソース焼きそばを醬油スープのなかに入れ、食べ進むと徐々にソース味が染み出してスープの味が変わるギミック。スープ入りの焼きそば自体は他にもあるけど、スープ自体に味がついているのは特異。
5.那須烏山焼きそば@栃木県那須烏山市
ゴムそばと呼ばれる乾麺を二度蒸しした焼きそば。
6.宇都宮焼きそば@栃木県宇都宮市
太麺をソースで味付けせずに焼き上げ、ソースは自分で後掛けする。ビニール袋に入れてテイクアウトするのも特徴。
7.もんじ焼き@栃木県宇都宮市
もんじゃ焼きのことを宇都宮ではこう呼び、ベビースターラーメンを入れるのが定番。昔ながらの駄菓子屋グルメ。
8.耳うどん@栃木県宇都宮市城山・佐野市葛生
形状的にここで載せるかどうかグレーだけど。耳のかたちをした饂飩で、元来は正月料理。
9.ゆばそば@栃木県日光市日光
日光名産の湯葉を入れたかけ蕎麦。旧日光市の手打ち蕎麦屋には大抵あり、冷やしや饂飩のヴァリエイションも。
10.かてそば(にらそば)@栃木県鹿沼市
増量材を「かて」といい、春先に韮を用いて蕎麦を増量したものが定着した。
11.日本蕎麦焼きそば@栃木県鹿沼市
焼きそば用の日本蕎麦が製造され、やはり韮が載る。
12.挽肉焼きそば@栃木県鹿沼市
深蒸し麵に挽肉が載る。ソースは薄めで卓上のソースで追い掛け可能。鹿沼の二大焼きそば文化はどちらも希少種。
13.真岡焼きそば@栃木県真岡市
乾麺を蒸した焼きそばで、隣の茨城県筑西市下館と同一文化圏とみられ、下館に近い久下田地区に多い。
14.おっきりこみ(おきりこみ)@栃木県南部・群馬県中毛地域・西毛地域
平打ちの麺を具だくさんの鍋に入れて煮る埼玉県北部でいう煮ぼうとう。群馬県では東毛・北毛の同種料理も総称しておっきりこみと呼んでいる。栃木県では醤油味、西毛では味噌味が優勢だが、醤油味が優勢な東毛の影響で中毛では均衡している。
15.出流そば@栃木県栃木市出流町
出流山満願寺の門前で供される蕎麦。盆ざるに豪快に盛られ、何人かでシェアする。盛り方によって五合盛りなどという。小暑や大寒には特別な寒晒し蕎麦が供される。
16.じゃがいも入り焼きそば@栃木県栃木市
駄菓子屋グルメ。二度蒸し麺に栃木市・佐野市で根付くいもフライを入れるのが本来のスタイルだが、ふかしたじゃがいもを入れるスタイルもある。
17.かてそば(大根そば)@栃木県佐野市
佐野では冬場に大根を「かて」にした蕎麦が定着、千切り大根は生で食べるときと茹でるときがある。冬場の料理らしく、蕎麦は冷盛りだが、つけ汁は温かい。
18.どじょうむぐり@栃木県佐野市葛生町
厚めで幅広の小麦麵を味噌味や醤油味の鍋で煮る。囲炉裏の火力だと泥鰌が泳いだように見えるためこの名がついた。
19.仙波そば@栃木県佐野市葛生町仙波
出流そば同様に大きなざるに蕎麦を盛って数人でつつき合う。こちらは盛る量によって五合打ち、一升打ちなどという。
20.佐野ラーメン、しょうがラーメン@栃木県佐野市
青竹打ちの平麺が特徴の醬油ラーメン。日本有数の知名度を誇るご当地ラーメンかつ栃木県・群馬県及び埼玉県・茨城県の隣接地域におけるラーメンのフォーマットでもある。とくに佐野市周辺ではは針しょうがの入ったしょうがラーメンを供する店が多い。群馬県東毛地域では青竹打ちした麺をさらに手延べする系譜があるが、単一系譜の為独立項目を設けなかった。
21.ポテト入り焼きそば@栃木県足利市・群馬県桐生市
蒸したじゃがいもを入れる焼きそばで、県境を超えて隣接する両市で共有する文化。栃木市のじゃがいも入り焼きそばとは似て非なるもの。
22.上州そば@群馬県全域
群馬県は蕎麦の栽培に適さないので、各地から蕎麦を取り寄せて上州粉と併せていくスタイル。蕎麦の産地である長野と栃木に囲まれているからか、蕎麦どころでないのに蕎麦を非常によく食べる不思議な土壌ができている。
23.伊勢崎もんじゃ@群馬県伊勢崎市
もんじゃ焼き文化自体が東武伊勢崎線に沿っているといわれるけども、東京と違って具が少なく土手をつくらずベビースターなどのラーメンスナックを入れるのが定番。苺シロップを入れるアマ、カレー粉を入れるカラ、両方入れるアマカラが定番。
24.雷ラーメン@群馬県伊勢崎市
雷の多い群馬県ならではのネーミングがなされた激辛の辛味噌ラーメンが伊勢崎から生まれ、群馬の各地に普及している。
25.高崎パスタ、スープパスタ、とんかつパスタ、ベスビオ@群馬県高崎市
麺料理の盛んな群馬だからこそパスタも拡がり、全体的に量が多い。全国に広まったスープパスタのほか、とんかつを載せたり辛口のパスタが好まれ、とくにイタリアの火山に由来する激辛パスタであるベスビオは発祥店を超えて高崎の多くの店に敷衍。
26.藤岡ラーメン@群馬県藤岡市
鶏がらベースの醤油味でコシのある太い縮れ麺は群馬のうどん文化の延長線上にあるラーメンといえる。
27.にぼうと(にぼと)@群馬県東毛地域
おっきりこみの東毛版で、醬油味が主流。利根川の対岸である埼玉県北部の煮ぼうとうと語源は同じ。
28.唐揚げラーメン@群馬県東毛地域
東毛に多い鶏の唐揚げを入れた佐野系のラーメン。
29.館林うどん@群馬県館林市
赤城山の伏流水による深井戸水を使い、ツヤとコシに恵まれたうどん。大量のお湯で茹でるのが特徴。
30.桐生うどん@群馬県桐生市
全体的に幅広いうどんで、平打ちのひもかわタイルも目立つ。カレーうどんが盛んで両方を組み合わせたカレーひもかわは桐生ならでは。
31.ひもかわラーメン@群馬県桐生市
桐生では佐野系のラーメンもひもかわ化。刀削麺やビャンビャン麺っぽい見た目に。
32.餃子ラーメン@群馬県桐生市
餃子の餡が入ったラーメン。
33.太田焼きそば@群馬県太田市
日本有数の知名度を誇る焼きそば激戦区だけど、統一された特徴はない。黒い太麺で野菜以外の具材がない焼きそばが知られるがそれがすべてではまったくなく、ほとんどの店は黒くないし細麺もあれば両毛地域の影響なのかじゃがいもが入る店もある。富士重工業で働く東北出身者が焼きそばを持ち込んだといわれるけど、東武沿線はソース焼きそば発祥の浅草からの影響が強く太田でも古くから専門店があるためそれはどうだろう。しかし、富士重のおかげで様々な地域の焼きそば文化が集まってきたからこその多様性は間違いない。
34.ほうとう@群馬県北毛地域
山梨県のそれではなく、中毛・西毛でいうおっきりこみのことで味噌味が主流。おっきりこみと山梨のほうとう自体が類似かつ関連料理ではあるけども。
35.水沢うどん@群馬県渋川市伊香保町水沢
水澤寺の門前で食される細めで透き通りつるつるとした肌触りを持つ饂飩。エリアは狭いが関東では一番の知名度を誇るご当地饂飩。
おわりに
栃木・群馬両県に共通していえるのは蕎麦も饂飩も大好きということ。その流れでラーメンも焼きそばもパスタも大好き。ここに書かないけどコナモノや餃子も大好き。
蕎麦の穫れない群馬県に対して栃木県は全国3位。逆に小麦粉では群馬県は7位。栃木県も15位で小麦の穫れる場ではあるものの、一体性のある両毛地域を媒介にして蕎麦と小麦の交換が行なわれたのかな。
それでもなんとなく那須の方は蕎麦が強い気がするし、西毛は埼玉県と繋がる形で饂飩が強い気がする。埼玉県と繋がるおっきりこみ文化はは栃木県に入ると群馬県から遠ざかるほど縁遠くなる。
佐野ラーメンの誕生はそんな土壌に加えて華人が起業したからであり、喜多方や酒田もそうなんだけど、偶然なのか必然なのか、そーゆー人がいたということが周りよりもラーメンの盛んな街を生み出す契機なんだよね。
かくして関東におけるラーメンの文化圏は佐野・東京・横浜に大別される。
焼きそばについては東武鉄道の影響が大きいことが専門家から指摘されている。
とはいうものの、埼玉県をスルーして栃木県・群馬県で隆盛したのは蕎麦・ラーメン文化が下地にあるからだといえる。
麺マニアの両県だけど、全体的に太麺が多くて素麺はあんまり流行らないという偏りはあるかな。
次回は東京都・神奈川県。北関東とはまた違ったご当地麺のシーンをお伝えできると思う。
それじゃあバイバイナマステ❤️暑寒煮切でしたっ✨
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