夜の帰り道

もう一駅乗ったら電車を降りなくてはならない。
疲れた身体にとって、電車の座席から立ち上がるのはなんという重労働なことか。
できれば眠っていたいところだが、そういうわけにもいかずに立ち上がる。
寝過ごしていれば諦めがついたものを、起きていたので立ち上がる。
電車を降りる。
乗る前よりもほんの少し、足が軽い気がする。
乗っている間に少しは休まったのだろうか。これなら自転車に乗らずとも良さそうだと思い、改札を出る。
夜道を歩き始めて5分と経たずに、後悔が頭をよぎる。
あ、勘違いだった。重た。
もはや戻る気力も起きず、15分のウォーキングに身をやつす。
まぁ、太り気味なのでやつれるくらいでちょうどいいと言われると、返す言葉もないのだが。
音楽でも聴いて気を紛らわそう。
ランダムで音楽をかける。
流れてきたのは「戦場のメリークリスマス」。
いやいや、耳心地は良いけど、今じゃなくない？

道端の桜はまだ咲かない。今年は遅いのだろう。
もうすぐ春が来る。