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成長しないのはオレだけか…

離婚したのは上の娘が小6、下の娘が小4ぐらいの頃だったろうか。

うつ病になって2度目の休職、その後退職をして1年くらい経った頃だった。
そろそろ働けそうだと思ったのが、ちょうどリーマンショックの頃で、再就職先を探して履歴書を送り続けていた。
45通くらいまでは数えていたけど、その後からは数えるのを辞めた。

そして妻から離婚を言い渡された。母子家庭手当を貰って生活した方が経済的に楽だという事、「子供の為には頑張れるけど、あんたの為には頑張れない」「もし仕事が見つかれば、離婚を取止める事も出来るし、一度籍を抜こう」と言われた。子供達を路頭に迷わせる訳にもいかないし、それを受け入れることにした。

そして離婚の手続きが終わった直後、オレの再就職先が決まった。

仕事も見つかったし、また一緒に暮らそうと言ったが受け入れられなかった。
「手続きもめんどくさいし、もう一緒に暮らす気もない」そう言われた。

正直、妻のことはどうでも良かった。子供達と離れて暮らすという事を考えると、言葉通り、死ぬほど辛かった。

子供達も離婚に反対してたようだが、近くに居るし、会おうと思えばいつでも会えるからという言葉で納得したようだった。

最後に家を出るときの下の娘の顔が頭から離れず、その後何日も泣いて過ごした。

離婚後、娘たちが希望していたことでもあったし、元妻の考えで、いつでも会いに行って良いということになっていたので、娘達には頻繁には会っていた。
経済力が無く、一家の大黒柱には向いてないが、娘達には必要な人間だというような事を元妻に言われた。勝手な言い草だなと思った。

養育費を払い経済的にカツカツだったけど、娘たちとの食事は楽しかった。その為に働けていたのかもしれない。



その後、前にも書いたように、心筋梗塞になり、またうつ病が再発してしまった。
そこから少し状況が変わった。当時働いていた会社は、病気のため退職。

その後、何度か仕事をしたが、心筋梗塞の後の狭心症とうつ病が辛く長くは続かなかった。


そのあと、色々な事情で、少し娘達と離れた街に引っ越す事になった。

今は、よく言えば主夫、悪く言えばヒモのような生活をしている。
その後ろめたさから、娘達に会う回数も激減した。

それまで月に3、4回は会っていたのに、今では年に1、2回しか会っていない。

距離的な問題もあるが、高速を使わなくても車で3時間くらいの距離だ。

娘達に会うのもそれなりの覚悟が必要になってしまった。
娘達に会った後の帰りの車の中、寂しさと情け無さ、その他色んなものが絡み合い、運転しながら号泣してしまったり放心状態になってしまったりするようになった。それが数日続いてしまうのが辛かったからだ。


そんな事はお構い無しに、最近娘からはいつ来れる?という連絡がよく来るようになっていた。

意を決して、娘達の都合の良い日を訊き、約一年ぶりに会いに行くことにした。
娘達の顔を見て、少し話をして帰るつもりだったんだけど、オレの今の状況を知っている娘達は、ご馳走するから一緒に食事をしに行こうといってくれた。

上の娘はもうすぐ22歳、下の娘ももう20歳、立派に社会人として頑張っているんだが、この誘いには戸惑ってしまった。

オヤジとしての変なプライド、娘達に負担を掛けたくないという気持ち、その他諸々な物が頭の中を駆け巡った。

普通の親達はこんな時どうするのか、全く想像がつかなかったので、Twitterで意見を訊いてみたところ、普段仲良くしてくれている現役の娘さん達から、娘目線の意見をたくさん頂くことが出来た。要約すると「オヤジが嫌いだったら娘から連絡なんて来ない。娘の好意をありがたく受け取れ、その方が娘さん達も嬉しいはずだ」(もっと優しい言葉使いでした。ほんとにありがとうございました)

目からウロコだった。結局オレは自分目線でしか物事を考えていないという事を再確認した。

そして当日、お言葉に甘えて、娘に焼肉を奢ってもらった。娘が元嫁も誘っていたので、数年ぶりの4人での食事だった。
焼けた肉をオレの皿にどんどん取ってくれる、相変わらず優しい娘達だった。
元嫁は相変わらずな人だったが、娘達との食事中の会話が楽しかった。
世界一可愛くて優しい娘達だ。

初めて娘からご馳走になった焼肉、今まで食べた中で一番美味しかった。

一生忘れない。


帰りには上の娘がオレのために作ってくれていた肉じゃがを持たせてくれた。
次と日、相方と一緒に食べながら泣きそうになってしまったが、肉じゃがを食べながら泣いてる自分の姿を想像して気持ち悪かったのと、相方の前での恥ずかしさもあって耐えた。

美味しかった。



成人するまで育ててあげられなかった後悔はあるし、言われた事はないが、下の子は勉強が好きだったから、経済的な理由で進学を諦めたのかもしれない。

これは結果論なのかもしれないが、離婚をして良かったのかもと思っているところもある。

夫婦のいがみ合いを子供達に見せずに住んだ事、子供達と一緒に暮らす事は出来なかったけど、離れていても離れてるなりの良い関係になれた事、何よりも、オレの負のパワーの影響を与えずに済んだ事が大きいかもしれない。

比べる事は不可能なのでなんとも言えないんだけど。



母と兄の家族にも会ってきたんだけど、長くなったので次の機会に書きます。

最後まで読んでくれた方、ありがとうございます。

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