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ニート、地面で泣く

今日私は人生で初めて真昼間の道端でへたり込んで泣いていた。

事の発端は昨夜、深夜1時頃まで遡る。
会社をやめて3ヶ月ほど経った私は、珍しく自炊をしていた。豚の角煮を作るために、豚もも肉を炊飯器で茹でていたのだが、あることに気付く。

醤油がない!

もう深夜を回っているため(ニートの私は時間が無限にあると錯覚しているため、計画性もなく思い立ったら深夜だろうがいきなり自炊し始めてしまう。)スーパーは閉まっている。こういう時、取り急ぎコンビニで調達したらいいのかもしれないが、便利さにうつつを抜かしコンビニという物価の高い場所で醤油を買うなんて、ニート失格だ。そういう訳で朝早めに起きて醤油を買いに行くことにした。

ちなみに生活リズムがめちゃくちゃなため朝はめっぽう弱い。醤油のために早起きをしないといけないというストレスでろくに眠れなかった。言い過ぎと思うかもしれないが、刺激や変化の少ないニートライフではこれしきのことでも大きなストレスになってしまう。ニートライフというのは気楽そうに見えてそうでも無いのだ。

どうにかこうにか朝(午前10時)に身支度を整えた。醤油1本のためだけに外出しなければいけないのはとても悔しい。朝なので体もだるく調子が悪いが、自力では何も出来ない豚もも肉を放っておく訳には行かなかった。スーパーまでの道中、ワイヤレスイヤホンをつけていたのだが到着する前に私は再度やらかしたことに気付く。

左耳のワイヤレスイヤホンをなくした。

慌てそうになったが、せいぜい片道10分の道のり、引き返せばその辺に落ちているだろうと思いアスファルトの地面を見つめながら来た道を戻った。しかしちょうどワイヤレスイヤホンくらいの大きさの黒いゴム片を見つけて一瞬「おっ!やっぱあるわ!」とぬか喜びするだけで、3往復しても見つからなかった。

ここからのことはあまり覚えてないが、とにかく急に全てがどうでも良くなった。気が付いたらアスファルトの上にうずくまっておいおいと泣いていた。ちなみに本当に「うわぁーん」という感じで声を発していた。大の大人なのに。

ここでもう一つ私のプロフィールを紹介しておくと、1年以上前からうつ病を患っている。うつについては追追詳しく書くとして、私の場合はとにかく気持ちの浮き沈みが激しく急に落ち込んだり絶望的な気持ちになってしまう。さすがに家の中でしくしくと孤独に泣く程度だったが、今回はそれのクソデカバージョンを外で発動してしまったらしい。

辛いけど早起きして、少しでも安く済ませるために醤油を買いに来たのに。イヤホンを無くして買い直すくらいならコンビニでとっとと買えばよかった。まだ醤油も買えてないし、イヤホンのショックがでかいのに帰ったら角煮も作らないといけない。

的なことを3秒くらいの間に考え、気持ちがどうにも抑えられなくなり、その場でへたり込んでいたのだと思う。ほぼこの辺の記憶は無いため、道行く人の視線を感じたかなどは覚えていない。ただ、26歳にして地面の上で泣き崩れるなんて醜態を晒すことになるとは思いもよらなかった。

しばらく泣いていると急に自分のことを俯瞰で見ている感覚になり、私はなにをしてるんだ…?というごく当たり前の感想が湧いてきた。思いの他早く正気に戻った私は何事も無かったかのようにその場を立ち去り、買い物を済ませて家路へと向かった。

その頃にはだいぶ気持ちが落ち着いていた。何となく人の通りがあったことは覚えていたので、傍から見たら私はどんな姿だったのだろうと想像すると、滑稽さ4、おぞましさ6、位の感情が混ざり合い「生きるの向いてねぇーーーーーー」と心の中で呟いた。

ただ、何となくこの出来事は忘れたくないと思った。いつか元気になった自分が今日のことを思い出して、あの時よりはマシになったと思える日が来て欲しい。そして同時に、このNoteというツールを「人生の記録のアーカイブ」と言って勧めてきたお節介な知人の事を思い出した。思ったことや考えたことを文字にするのはいい事だと知人は言っていた。私は日記をつけた事はあったが、何となくどこまでも暗い気持ちになってしまったためあまり続かなかった。しかし、こういう場所のように誰かに見られている方が、友達にこんなことがあったんだー、と気軽に話す感覚で書けるかもしれない。そう思いNoteを始めるに至った。

ちなみに何とか角煮は美味しく完成した。添付の画像は実際に私が泣いていた道端だが、ゴミ不法投棄の看板が設置されており、この看板の横で泣き、転がっていた自分が正に不法投棄されているようで面白いので添付画像として採用した。皆さんはくれぐれも外で泣きたくなったら道路などを避けて安全なところでうずくまって欲しい。

それでは。





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