映画と情景描写の話
お久しぶりです。ねぶそくです。
私、実は趣味として映画(主にミステリーやサスペンスなど)の鑑賞があるんですよ。で、私が映画を観る時のルーティンみたいなものなんですが、映画を一通り観て、余韻に浸ってから考察サイトを巡るんです。これで映画を隅々まで楽しめます。
ですが一部の考察サイトではマジでどうでもいいことが書かれることがあるのです。
それは、「情景描写」についてです。例えば、「背景が○○だからこのときこの人は××な気持ちだ」とか「このカメラワークは△△を表してる」とかそういうの。確かにそういう目線で映画を楽しむのもありですが、正直しょうもないなーってなるんです。
「いやでも小説にも情景描写ってあるじゃん??」ってなる人は沢山いると思います。でも小説と映画の情景描写は別物なんです。
小説ではたまに第三者視点で、登場人物たちの行動にだけ触れられて心情などはまるっきり書かれないようなことがあります。
有名どころでは『羅生門』とかそうですね。あれも暗い中で話が進んでゆくのは、れっきとした情景描写です。
で、こういった小説では(こういった小説以外でも)登場人物の言動から思いが汲み取れないことがちょくちょくあると思います。そこで、情景描写で登場人物の雰囲気を暗示する。そんな効果があるのです。
それに、文字で物語が描かれるので、「これはわざわざ情景描写を入れたんだな」ってなる事が多いです。
じゃあ映画はどうなのかと言うと、登場人物の雰囲気は全て映像で描かれているので情景描写は必要ないはずです。それに、「これは情景描写だな」って断定できるものがなかなかないので、正直映画で情景やカメラワークの考察をするのは深読みしすぎなんじゃないかなっていう印象があります。これが個人的にはしょうもなく感じてしまうのです。
で、このしょうもな現象は有名どころの映画で起こることが多いです。例えば、「パラサイト」では、そんなことの書かれた考察サイトばかりでした。あの映画は、主人公一家が上流階級の家にどう寄生して、その顛末はどうなるのかをただ楽しむ映画であるというのが私の持論なので、そういった考察(「右回りにはこんな意味が!?」みたいなの)はくだらないなぁってなってしまいます。
映画を観る時は、細かいことを考えずにただ事の顛末と登場人物の気持ちを追ってみるという見方が映画のよさを一番味わえるものだと思います。