愛すべき非効率
キャンプ好き。
お酒好き。
ピスタチオ好き。
いい歳したおじさんが好きなものを羅列すると思いのほか気持ち悪さが出てしまって手が進まない感じがあるのですが、踏ん張れ、私。
キャンプの夜、ハイボールを片手にピスタチオをパリッと剥いて、ポリっと食べる。
至福の時間。
ゆっくりと時間を楽しむには、ピスタチオの殻を剥くくらいがちょうど良い。
殻を剥くことが無駄なんてことはない。
不便を楽しむのがキャンプなのだから、一粒食べる度の一手間こそ大切な時間。
私はピスタチオの殻を剥くためにキャンプに行くのだ。
一掴み分の食べたい分のピスタチオをカップに入れる。
食べ終えた剥いた殻も同じカップに入れていく。
キャンプなのだから洗い物は少ない方がいい。
食べ進めていくほどに殻が増え、食べる前の剥かれ前のピスタチオは見つけにくくなる。
わかってる。
剥いた殻を入れるカップを、居酒屋の枝豆のように殻を入れるものを用意すればすぐに解決だ。
でも、それでいい。
触り心地の良いピスタチオの殻の中から、次に食べるピスタチオを見つける。
見つけた時の、まだあったという感じも、なかなか見つからない感じだって、ノスタルジックなひととき。
愛すべき非効率。
そんなピスタチオの殻、キャンプにおいては焚き火の原料にもなるそうで。
彼自身は効率的な存在なんですね。
じゃぁ、時々出会う開きにくい彼はなんなんだ。いったい。
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