理想の大人
1996年8月12日
長崎市にある長崎原爆病院で、56時間33分の分娩時間を経て私は誕生した。
産まれる前から親不孝な子である。
そんな親不孝者も今日で26回目の誕生日を迎える。
26歳。もう立派な大人の年齢。20代後半というリアル。
大学生の頃は、25歳には結婚して、26歳には第一子が誕生しているとばかり思っていたが、現実はそう甘くなかった。結婚への思いも今はそこまでである。
社会人になって4年目となり、仕事や人間関係に追われる日々で、ただ何となく毎日を過ごしている気がする。
このままでは良くないと、どこかで思っている自分がいる。
私は成長できているのだろうか。
理想の大人になれているのだろうか。
私が描いていた大人のイメージは、自分の好きな仕事に就き、バリバリ仕事ができて、趣味もプライベートも充実していて、精神的にも自立している、というもの。
現実は、嫌なことがあったらとことん落ち込み、人に頼り、毎日文句を言いながら仕事をし、お酒に頼っている。仕事の失敗もたくさんしたし、人間関係の失敗もたくさんした。大学生の頃より涙を流すことが多くなった。
何ともまあ理想とは遥かにかけ離れたものだ。
私はものすごく気にしいで、人の目が気になって、人と比べてしまい、何事も完璧じゃないと生きている価値がないと思ってしまうタイプだった。自分のことが大嫌いで、失敗をするとものすごく自分を責めてしまうし、抱え込む。過去の失敗や嫌だったことも忘れられず、またさらに悩んでしまう。悪い癖だと思う。
社会人になって色んなことがあり、その悪い癖は加速した。
他人を傷つけてしまったり、失恋して大泣きしたり、誤解から人を怒らせたり、巻き込まれたり、職場の嫌な人に悩んだり、もしかしたら自分も誰かの嫌な人なのかもしれないと悩んだし、とことん自分のことが嫌いになった。
しかし、この経験があってこそ
昔の自分と比べて強くなれたのではないかと思う。
誰にでも失敗はあるし、うまく行かないことだってある。そう見えない人は隠すのが上手なだけ。大抵の悩みごとは何とかなる。と、ここ数年色んなことがあって、色んな経験をして、そう思えるようになった。少しではあるが自分に寛容になれたのではないかと思う。
それでも、悩むことはたくさんある。
そんな時、助けてくれる友人や、先輩後輩がいることにすごく感謝したい。
どんな年齢でも節目と言えると思うが、私自身、26歳は特に大事にしていきたい。と思う年齢だ。
ただ何となく生きるのをやめて、自分で考え、判断して、自分の行動に責任を持って、自分の中での芯を確立したいと思う。
そして、もう少し、自分を許してあげようと思う。
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