いじめっ子は存在感を示したいだけ!という「ニーズとウォンツ」の話
15秒で分かる今日のポイント
●いじめっ子はいじめたいわけではない。存在感を示したいだけなんだ、という話に思ったこと
●「存在感を示したい」は人間の本質的なニーズであり、どこかで満たさないと良くない方向に噴出することがある
●家庭内で「存在感を示したい」ニーズを満たすことができているか、って意外と大事
私は会社員でマーケティング業務をしているのですが、今、社員向けにマーケティングの研修をしたりもしています。
マーケティングの基礎に「ニーズ」と「ウォンツ」の話がありまして。簡単に言えば、こんな感じ。
ニーズ:目的(のどを潤したい)
ウォンツ:手段(ジュースが飲みたい)
人は往々にしてウォンツの方を口にするけど、その奥にはニーズがあって、そのニーズを理解したら「ウォンツ」への提案も変わってくる
つまり、相手が「ジュースが飲みたい!」というからジュースをあげるんじゃなくって、「のどを潤したい」というニーズを知れば、
「ジュースはないけど水はありますよ!」とか「ジュースだともっとのどが渇いてしまうと思うので、お茶にしませんか」とか相手のニーズに合った提案ができるという話です。
有名なところでは「ドリルと穴」の話とか、聞いたことある人もいると思います。
■いじめっ子のニーズ
先日受けた子育てセミナーで講師の人が話していたことに、この「ニーズとウォンツの話」との共通点を感じました。
「いじめっ子はただ存在を示したいだけ、である場合が多いんです…」
ほー!これもまさにニーズとウォンツだなぁ。
いじめっ子の「いじめたい」はウォンツであって、その奥にあるニーズは「私の存在を認めてほしい」と言うわけなんですよね。
だから、その「存在感を認める」を別の方法で満たすことができれば「いじめたい」を出さなくてよくなる。
じゃあ、いじめにおいて、ケアしなくてはいけない対象は「いじめられている子」以上に「いじめている子」なんじゃないかな、と。
■存在感を示したいニーズ
「この存在感を示したい」って、人間の根源的な欲求なんだって聞いたことありませんか。
実は結構な割合でこのニーズが、問題の根っこにあったりします。
つまり、「存在感を示したい」という「ニーズ」が様々な「ウォンツ」になって表出し、問題になっているケースです。
先ほどのいじめっこもそうですが、こんなことも実は結構「存在感を示したい」ニーズが根本にあったりします。
夫の浮気問題←「女性にモテる自分を確認することで、家庭内では薄くなってしまっている自分の存在感をもう一度確認したい」
オトナの職場いじめ←「自分はデキる人だ!こいつより仕事ができるんだ!という存在感を示したい」
夫婦の不仲←「私(俺)という存在をもっと気にしてほしい」
子供の非行←「自分の存在を認めてほしい、気にしてほしい」
赤ちゃんを見ていたら分かりますよね。
我が息子、1歳8ヶ月はまさにそこに突入するところです!毎日「僕を見て!僕を見て!」の嵐!!!
もちろん空気を読むなんてことしないので、何をしていても「見て見て!」がすごくて、とても疲れます…
時々疲れ切って、
人ってきっと、これが本質なんだろうな...
なんてことをぼーっと思ったりすることも。笑
大きくなったら空気を読むし、相手を気遣うし、年齢相応の振る舞いを求められるし、
だんだんと赤ちゃんの頃のようには「見て見て!気にして!」なんてアピールできなくなりますが、
きっと本質的には変わらないんだと思います。
■夫と娘の存在感
この「存在感を示したい」ニーズ、家庭内でちゃんと満たすことができること、結構大事なことなんじゃないかと思っています。
家族って、どんなによくわかっていると思っても、実際外でどんな人なのかって分からないですよね?
私は正直言って、夫が外で仕事相手の人にどんな人であるのかを知りませんし、娘が学校でどんな存在なのかも知りません。
もちろん人から聞いたり、本人たちの話から推測することはできますが、
結局全てを知ることなんて不可能なんじゃないかと思っていて、知る必要もないと思っています。
でも、娘がいじめっこにならず、お友達に思いやりを持って接することができる子になるように、夫が愛情をもってお客さんに接することができるように、彼ら1人1人の存在にちゃんと目を向けて接することができたら、と思っています。
でも正直に言うと、
時に子供にばかり目が向いて夫に意識が向かないことがあります
やんちゃな1歳8か月の息子にばかり気になって、手のかからない娘に意識が向かないこともあります
だから、ちょっと意識して何かをすることも、時に必要だなと思っています。
例えば、
<夫について>
・週に1度は夫が好きな食事を作る
・夫しかできないこと、夫の役割を作る(我が家ではコーヒー焙煎がそれ。夫の美味しいコーヒーを飲まないと1日が始まらない!という感じです)
・1か月に1度は夫と2人だけで過ごす日(お二人様デー)を作る
<娘について>
・音読の宿題だけは毎日夕食前に家族みんなで聞く
・1か月に1日は息子を預けて娘とべったり過ごす
・1年に1度は「娘と夫」or「娘と私」の親子2人旅をする
夫や娘の「存在感を示したいニーズ」、どこまで満たすことができているか分かりませんが、「あなただけと!」「あなただけに!」「あなたしか!」というモノ・コトを作ることが、とりあえず今はその1つの方法なのかなと思っています。
正解はないですし、これからも形を変えていくのだと思います。
究極「大好き!」「どんなあなたでも素敵だし、大事!」
そんな言葉をかけるだけでも十分なのかもしれませんけどね。