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(読書記録) ののはな通信

文学Youtuberベルさんの動画にて、おすすめ本として紹介されていたので手に取ってみました。三浦しをんさんの小説は "舟を編む" 以来かも。期待以上に面白くって、ついつい最後まで一気読みしてしまいました。

自分自身にも、ののやはなと同じく、潔癖で視野狭窄で浮き足立った10代を過ごしてきた実感があります。1章の彼女たちのやり取りを読みながら、懐かしさだったり、痛痒さのようなものを感じつつ、あの時間にしか得られないものも沢山あったな。と、切実に思い返しました。私の人生は、今2章が終わったくらいかな。

私自身もじわじわと大人になろうとしているこのタイミングで、人を愛した記憶が、エネルギーや自分を愛する力に変わっていくお話を読めて良かったです。

※ 普段ブクログに読書記録を残しているので、自分の書いた内容 をそのまま引用しています。

本好きのお友達から読書感想文を書くイベントを教えてもらったので、こっそり参加してみます。初 note !ドキドキ!

ののはな通信、面白かったです。
ガールズラブをテーマにした恋愛小説ではありますが、恋愛対象等は関係なく、かつて愛とか恋とかに関して、青臭く10代を過ごした女性にとっては、すごく響くものがあるお話なんじゃないかなぁと思います。

うつくしいのは思い出だけ、記憶だけではないかと、このごろ思います。ひとが手にすることの出来る最もうつくしいものは、宝石でもお花でもなく、記憶なのです。
さびしいね。
私は、してきたことを後悔はしません。これからもしないと思う。だけど考え続けることはします。自分がしてきたすべてのことに対して、いつか自分の行いで返す日が来る予感がします。私を生かし、私を私たらしめてきたうつくしい記憶に、行動で報いなけらばならない日が来る、と。
(ののはな通信 p.410)

特にこの文が大好きです。天真爛漫で夢見がちで控えめだったはなが、年月を経て、こんなに真っ直ぐな言葉をのの宛ての手紙に書いたことを思うと、私はこれから数十年かけて変化していくであろう私自身にも、希望が持てるような気がしました。

久しぶりに三浦しをんさんの小説を読みましたが、10代・20代の女性の心理を表した描写がリアルで、すごく胸にしっくり来ました。「きみはポラリス」「風が強く吹いている」あたりも気になる…!
ぜひ時間を見つけて読んでみたいと思います。

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