①札幌のお笑い市場の現状と課題【第1章 はじめに】
第1章 はじめに
日本には芸能の分野の一部に「お笑い」という文化が存在する。一般的にお笑いを含めた「芸能活動」というものは東京や大阪などの首都圏や関西圏が主な活動の場となっている。しかし、中にはこれらのような大都市圏以外、つまり「地方地域」といった場所でもお笑い活動を行っている芸人やそれらの芸人が所属する地方事務所などが存在している。
市場規模の大きさや市場の発展具合からして前者のほうが活動の場として圧倒的に有利であることは間違いないであろう。一方で、後者のような市場性に乏しい環境を拠点としている者たちはどのようにして芸人活動を行っているのだろうか。また、それらの活動にはどのような課題が生じているのだろうか。さらに、そこで浮かび上がってきた課題などを通じて地方での芸人活動を活性化させ、市場としての可能性を高める方法はあるのだろうか。これらの疑問を把握し、解決することは地方地域における「お笑い文化」の市場性を見る上では非常に意義があると考えられる。
中でも、本稿では「札幌市」に焦点を当てることとする。札幌市は仙台市や福岡市などとも比較される程度の人口規模を持つ都市であるが、「お笑い産業」に関しては市場性に乏しい。それなりの人口規模を持ち市場規模も存在しているはずだが、札幌市にはお笑い文化が根付いていないのである。それには一体どのような要因があるのだろうか。
本研究では「札幌市」にて展開されている「お笑い市場」に着目することで「札幌のお笑い市場」における現状と課題、さらには今後の発展可能性を明らかにすることを目的とする。なお、北海道は物理的広さゆえに文化の地域差も大きく、一貫した調査が困難であるため、本研究では札幌市に限定した研究を行うこととする。
分析方法としては、「日本全体と札幌圏のそれぞれにおけるお笑い市場やお笑い文化について既存の文献・資料の調査」、「札幌でのお笑い需要・知名度を調査するため、本学の大学生へアンケート」、「文献調査では得られない札幌お笑い界の具体的な現状や課題、当事者の意識などを調査するため、現役の芸人2名と構成作家1名に対するインタビュー」、「札幌と同規模の人口規模・市場規模を持つ福岡とのお笑い環境の調査・比較」などを行う。
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