冬の日(巨万の富男)
小学生1年か、それ以前、
多分6歳か7歳の頃
1月くらいの事だったと思う。
自宅の居間でこたつに肩まで入ってごろごろしていた。
なぜか居間には自分1人しかいなくて、
何をするでもなく、寝るでもなく、
ふと窓の外を見ると雪が降っている
すでに20センチくらい雪が積もっていて、
そこにさらに雪が降っている。
何の音もしていなくて、
キッチンの冷蔵庫が低い音でブーンと鳴っていた。
その時僕は何の感情も抱かずに、
こたつでごろごろしながら、ずっと雪を眺めていた。
この時の見た景色となんだかわからない感情が、
今でも鮮明に記憶されていて、
雪が積もって「しーん」としていると、突然思いだされる。
その時は決まって、あの時と同じなんだかわからない
心がもぞもぞした気持ちになる。