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ペイズリー柄の夢(ソンバサウナさん)

小学校に入る前だから、4歳か5歳の事だと思います。
そのころ私は、まだお母さんと一緒に寝ていて、
不安に思うような事も特になかったと思う。

なのに、この時期繰り返し見る怖い夢があった。
その夢は、ペイズリー柄の薄暗い空間に、
私とキティちゃんだけがいるという夢。
私とキティちゃん以外誰もいない。
誰もいないだけじゃなくて、他は何もない。
ただそこにいるだけ。
無表情で黒く光るキティちゃんの目が、
私の心を見透かしているように感じた。

この夢を繰り返し何度も見た。 負の感情を増幅させる光景を。

黒に限りなく近い深緑のペイズリー柄が、
鬱蒼と生い茂るジャングルを連想させる。
その曲線は虫のようにも見え、どうしても好きにはなれなかった。

大人になった今でも、

この時見ていたペイズリー柄を、色を、感情を、 リアルに思い出せる。
そして、母と寝ていたあのベッドの布団カバーがペイズリー柄だった事も。

【終わり】

※この内容はインタビューを元に、加筆修正を加えて作成しています。

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