80代両親のふたり暮らしを見て、思うこと。

綱渡り状態の二人暮らし


私の両親は父母とも80代。
二人暮らしをしている。
私は3人兄妹なのだが、3人とも、
高校卒業と同時に、実家を出ている。

しかも・・・
遠い!

実家まで、
兄は、飛行機と電車を乗り継いで、半日はかかる。
妹は、車で3時間あまり、
私は、車で6時間くらい、かかる。

なので、
以前はお盆とお正月くらいしか
帰省していなかったが、
数年前から状況がガラッと変わった。

まず、
父が脳・心臓系の病気で手術、入院。
1ヶ月程度で退院はできたのだが、
再発防止と、健康管理の為、定期的に通院しなければならなくなった。

母は、以前から物忘れの症状が出ていて
気にはなっていたのだが、父の通院をきっかけに
一緒に定期的に通院することになった。

今現在、かろうじて二人で暮らしてはいるが、
足腰がだいぶ弱ってきたこともあり、
私たち兄妹が、月1~2回、交代で帰省して
病院に付き添ったり、身の回りの世話をしている。

もちろん、ケアマネさんやヘルパーさんには、
日常的にお世話になっている。

でも、
正直なところ、いつまでこの状態を続けられるのかは
わからない。
ほんのちょっとしたアクシデントがきっかけで
2人暮らしが難しくなるのは目に見えている。
そんな綱渡り状態だ。

だけど、
できるだけ長く、住み馴れた自宅で暮らし続けたい、
それが、両親の望みらしい。

・・・まあ、誰しも、そう願うと、思う。

その気持ちは、わかるし、
自分もできるだけその願いを叶えてあげたいとは
思う。

でも、
そう願うのなら、
大切なことは、
自分の老いを受けいれ、
みんなに助けてもらう、ってことなんじゃないかなあと、
このごろつくづく、思うようになった。

老いを受け容れられない


両親は、老いて不自由になった自分、
色んなことができなくなってしまった自分を、
いまだに、受け容れられないようだ。

ほんの5年くらい前までは、
同年代の人たちより若々しくて、
健康な事を、
自慢していた両親。

以前から、

健康で元気なことが良い、
病気はダメ、風邪をひくのは馬鹿。
(「馬鹿は風邪ひかない、と言うけれど、
 逆なんだ!」と言っていた・・・(^^; )

若々しいのが良い、
シャンとしていないのはダメ。

しっかりできる人は良い、
できない人はダメ。


・・・と、まあ、
何でもかんでもジャッジする人たちだった。

自分に対しても、
パートナーに対しても、
子どもたちに対しても、
他人様に対しても。

けれど、
そういう思考で生きてしまったら、
人生、どんどん つらくなってしまうと思う。

だから両親は、
お互い、できなくなってしまった自分が許せないので、
一緒にいるパートナーの、できないところも、
許せない。
せっかく一緒にいるのに、
お互いにお互いを責めて、
すごく生きづらい。

まあ、そんなふうになってしまったのは
多分、
育った環境によるもので
本人たちのせいではないと、
何となくわかってからは、
「仕方ないな」と、
私は両親に対して、ある意味、諦めがついた。

両親の今の姿を見ることで、
私たちは、色々教えられているんだな、と思う。

以前の私だったら、
間違いなく、年老いたら、
両親と同じようになっていたと思う。

だけど、私は、
老いや、衰えをちゃんと受けとめ、
できないことは、色んな人に助けてもらって
思いっきり感謝して、
生きていけたら、と思っている。
(若干の、悪あがきをしつつも・・・(^^; )

寅さんのふるさと「とらや」


理想の終の棲家は、
寅さんのふるさと、「とらや」のような暮らし。

死ぬ間際まで、
大好きな人たちと
笑ったり、怒ったり、泣いたり、ケンカしたり。

そして、
旅先で出会った人たちや、昔の友人や、
近くや遠くの友人が、
いつでも、
ふらっと立ち寄ってくれて、
笑ったり、泣いたり、酒盛りをしたり・・・、
あたたかくて大切な時間をすごし、
そのまま泊ってくれる。

そして、
元気になって、「また来るね。」って言って
旅立って行く。
その後ろ姿をちょっと寂しくも、優しい気持ちで
見送る・・・。

死ぬ間際まで、
そんな暮らしができたらなあ・・・(*´ω`)
と、思っている。





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