わたしが、寅さんと一緒に あなたに伝えたいこと。


夢(?)を追いかけて・・・ 


「田舎に帰って、ちいさなお店のオーナー。
そして、左団扇の余生・・・。
〇年後の私。」

・・それが、
社会人1年目の時、会社の社内報に投稿した、私の夢だった。

一生会社勤めで終わるのではなく、いつか自分の力で何かをしてみたい
あわよくばお金持ちになって成功したい

そんな夢を抱いていたのだと思う。

夢を実現するべく、
私は奮闘努力した。

地方から上京し、
東京のど真ん中(^^; で、営業職(6年間)
業績のプレッシャーも、
客先での(今思えば)カスハラ、セクハラ的な(^^; 扱いも、
きつかったけれど、
ぱーっと飲んで騒いで、忘れられた。
(いや、正確に言うと、自分を誤魔化した・・・。
若さと時代ゆえのパワーだなあ・・・)

一方で、
仕事をしながら某士業の資格試験の勉強を開始。
中途半端じゃダメだ!と思い、
それまでのキャリアを捨て、退路を断って勉強に専念し、
合格することができた。

縁あって、資格を活かせる事務所に就職。
実務を一から学びながら、
結婚、第1子の出産、育児休業を経て復職。

子育てしながらの勤務は、なんのかんの言っても、大変だった。
(一言では到底言い尽くせない・・・)


人一倍、努力も行動もしているつもりが・・・ 


その後、第2子の出産を機に退職し、
コネなし、カネなし、時間なし、のまま独立開業。

誰かに食わせてもらう、なんてカッコ悪い!絶対に嫌!
「女だから、片手間で、小遣い稼ぎで仕事してるんでしょ」と
思われたくなくて、
「別に、稼げなくたって、ご主人に食べさせてもらえるからいいよね」と
言われたくなくて、
自立して、1日も早くこの仕事で食えるようになりたい!と、
必死だった。

加えて、
他人(ひと)様の役に立たなきゃ、と、
子ども会の役員や、部活の役員を引き受け、

自分を磨かなきゃ、と、
経営者の会やセミナー、研修会にあれこれ参加したり、

ここ数年は、
高齢の両親の世話をしに、遠方の実家(片道500㎞近く)に
しばしば通ったり・・・

それはそれは忙しい日々だった。

努力すれば、
お客様が増え、事務所が大きくなり、成功して、
時間もお金も余裕ができる!
・・・それを夢見て、頑張り続けていた。

けれど、なかなか結果がついてこない。
それなりに、成果はでているかもしれないけど、
(そりゃ、ここまで壮絶にがんばれば、〝それなり″にはなるわなあ・・・)
でも、理想には、程遠い・・・。

スタッフとも、なかなかうまくいかなかった。
雇っては辞め、雇っては辞め、を繰り返した。
(今思えば、まず自分を、ちゃんと大切にできていなかったから、
スタッフのことも、
わかってあげられなかったんだよね・・・)

まだまだ頑張りが、努力が、工夫が、足りないんだ・・・
そう思って、頑張り続けた。
開業から、17年が経とうとしていた。

けれど、気力も体力も、限界に達していた。
もう無理!
・・・なんか違う!

だって・・・、
こんなに頑張っているんだったら、
もっと結果が出て、
もっと幸せになっていて、いいはずだ。
なのに、どうして幸せ感がないんだろう。

ただ忙しいだけの毎日で、
やらなきゃいけないことに追われ、
「何のために生きているのかわからない」と、思うようになった。

1冊の本との出逢い 


そんな時、偶然、ある1冊の本と出逢った。
韓国のイラストレーター、ハ・ワンさん著
「あやうく一生懸命生きるところだった」

(以下、本文より)

・・・・・・・

「あと10分我慢して登れば山頂だ、と言われて
ひいひい登ったのに
10分たっても頂上は現れなかった。
もう少しだよ、本当にここからあと10分だから・・・。
その言葉にダマされながら
40年も山を登り続けてきた。
ここまで登ってきたついでに
もう少し登ってみることもできる。
必死に登り続ければ
何か見えてくるかもしれない。
でも、もう疲れた。
気力も体力も底をついた。
チクショウ、もう限界だ。」

「何のためにがんばっているんだっけ?」

「努力は必ず報われるわけじゃない」

「必要なのは失敗を認める勇気」

「もう‟金持ち″になるのはあきらめた」

・・・・・・・

著者の告白が、自分と重なって、
涙が、あふれた。
・・・・・
「もう、がんばるのは、やめよう」
そう決心した瞬間だった。


自分探し・・・ 


その時から、
自分は本当は何をしたいのか、
自分にとって本当の幸せとは、なんなのか・・・。
考える日々が始まった。
(今さら⁈ って話だが・・・(^^; )

・・・とはいえ、
それを探しあてるのは、たやすいことではなかった。

本を読んだり、
セミナーを受講したりしながら、
自分と向き合い、
仲間からフィードバックをもらい、
自分と対話を重ねるうちに、

少しずつ、色んなことに
気付き始めた。

(多分、ずいぶん小さい頃から)
無意識のうちに           
自分自身の感情をおさえこみ、
心に鍵をかけて、
どこか奥底にしまいこんで、
そんなものがあること自体、忘れてしまっていたこと。

だから、実は、
ずっと、きつかったし、つらかったんだ、
ということ。

自分自身じゃなく、
両親の価値観や、
社会・世間の物差し にしばられて、
他人軸で生きてしまっていた、ということ。
(そんなつもり、さらさらなかったんだけどね・・・)

そして、
ふと振り返ると、
膝を抱えて、ぺたんと地べたに座り、
うつむいている、
小さい子どものままの私がいた。

・・・小さな私は、
ずいぶん長いこと、気が付いてもらえなくて、
泣いていたんだと思った。

申し訳なさと愛しさでいっぱいになり、
「ごめん、長いこと気付いてあげられなくて。
粗末にしちゃったね・・・。
これからはず~っと一緒にいるよ。」

・・・・・・・

ずいぶん遠回りしてしまったけれど、
これからは、‶小さい自分さん″ と一緒に、
自分の心に従って生きよう。
自分を、いっぱい、いっぱい、い~っぱい大切にして、生きよう!
と、決めた。


小さい自分さんと、歩く 

こうして私は、
約50年ぶりに(^^;
小さい自分さんと一緒に、
歩き始めた。

決算を終えてみたら
過去最高の売上高を達成していたが、
これ以上無理を重ねて、自分をずたずたにしたくない、
と思ったので、大半の仕事を手放した。
2名いたスタッフには、本当に申し訳なかったが
辞めてもらった。

借りていた事務所をたたみ、
自宅で、できる範囲の仕事だけを
させてもらうことにした。

そうなるまでは、
またひと山、越えなければならなかったが、
少しずつ、
少しずつ、
休めるようになり、
身体がラクになり、
いろんなプレッシャーが激減して
肩の荷がおり、
気持ちがラクになった。
夫と過ごす時間も増えた。
(それまでは、‶原則、別行動″だったもんね(^^; )

仕事部屋から
ぼ~っと窓の外を眺めていると、
全然手入れできていない、ほったらかしの庭なんだけど、
お日さまの光は、ぽかぽかあったかいし、
季節の花や緑は、生命力いっぱいだし、
す~っと、いい風が入ってくるし、
いろんな鳥さんが遊びに来るし、
「あぁ、ここはホントにいいところだなあ~。
ホントに気が休まるし、まるでリゾート(^^; だ。」
と思った。

外に出掛けてばかりいて、
今まで気づかなかったなあ・・・
自宅がこんなに居心地がいいなんて。

・・・・・
でも、
私が育った実家は、
両親が堅苦しく、心を開いて話せる雰囲気ではなかったので、
子どもながらに、
居心地の悪さを感じていた。

友だちの家に遊びに行くと
優しいフレンドリーなお母さんがいて、
本当にうらやましかった。

私にもし子どもができたら、
子どもが気兼ねしないで、
気軽に友達を遊びに連れて来られるような、
そんな家にしよう~
と、ずーっと思っていた。

居心地がよくて
色んな人が、ふらっと、気軽にやってくる家・・・

笑ったり、泣いたり、一緒にご飯を食べたり、酒盛りしたり、
時にはケンカしたり・・・

そういうのって、
いいよなあ~、
しあわせだよなあ~
と、空想にふけっていたら、
ハッと気づいた・・・

これって、寅さんち と一緒じゃん・・・
        
そうそう、寅さんの家だ、
柴又の、‶くるまや″だ。

・・・
「私、だから寅さんが大好きなんだ・・・」
と、納得した。

私と寅さん
 

社会人になって2,3年目くらいだったか、
仕事がつらいなあ、と感じ始めていた頃、
近所のレンタルビデオ店で、
ふと目に留まった「男はつらいよ」シリーズ。
それが、私と寅さんとの出逢いだった。

風の吹くまま気の向くまま、旅暮らし。
いつでも心のままに生きていて、
どこまでも自由。
傷ついている人をほっとけなくて、
さりげなく寄り添ってくれる。
旅先ですてきな女の人に惚れて、振られて、落ち込んで、
時々ふらりと帰ってくると、
そこにはいつも、
あったかい家族が、待っている。

そんな ‶寅さん″ と、‶男はつらいよ″ の世界に、
めちゃくちゃ惹かれた。

以来、ず~っと、寅さんの生き方に憧れていた。

・・・・・
長いこと、
‶小さい自分さん″ の存在に気付いてあげられず、
(無意識のうちに、
自分で思い込んでいた ‶ダメな部分の自分″を、
人に知られてしまうのが怖かったから)
本当の自分を出せずに、
人との間に見えない壁をつくって
ひとりの方がラク、って思って生きてきたけど、

私は、
本当は、

大好きな人たちと、
笑ったり、泣いたり、怒ったり、ケンカしたり、
本音で付き合って、
みんなでわいわいやって、
感情豊かに生きていきたい・・・!

心の奥底では、
そう思っていたのかもしれない・・・
と、気が付いた。

・・・・・・・

(長くなってしまいました・・・(^^;
 次の記事につづきます(*^-^*)
 読んでいただけたらうれしいです)

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