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『台所道具を一生ものにする手入れ術』日野明子
この本は保存版。
先日、ギャラリー工芸青花で「産地とはなにか」という手工芸の展覧会を見た。その監修をされていたのが 日野明子 さんで、とても丁寧に面白く解説をしてくださった。
彼女の名前を図書館で検索したら、この本がヒット。木の、土の、金属の台所道具の作り手のコメントと、手入れ方法がまとめてある。土鍋の使い始め方、日々のお手入れ、焦げの落とし方。琺瑯鍋のサビ防止方法、などなど。
うちには4年ものの曲げわっぱの弁当箱があって、その底の際が黒くなってしまった。「カビさせた…私の手入れが至らなかった…」と悔いながらも、「お腹を壊さないからまあいいや、曲げわっぱの方がごはんおいしいし」と使っている。本書に「黒ズミはカビの場合と、米のでんぷん質と木のタンニン分が反応する場合とがあるんです。いずれにせよ、黒ズミは自然の経過ですよ」という言葉があって救われた。
本の中に使用例として、作り手さんのごはんも載っているのだが、この美味しそうなこと!旦那さんがこしらえた土鍋で奥さんが作るローストポークとか、鍛鉄のフライパンで作るオムレツと餃子とか。絶対に美味しい、これ。そしてこんなに美味しいものを食べている人が作るものは素晴らしいに決まっている。(偏見)
出てくる道具の姿がよく、そして作り手の思いが伝わってくるよう。一つ一つ買い集めて、使い込んで、味わいを深めて、撫でながらうっとりと眺めたい。そして手入れ方法をこんなに覚えられないのでこの本を家に置いておきたい。よって購入決定。
16. 『台所道具を一生ものにする手入れ術』日野明子