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映画『ビフォア・サンライズ』(1995)

「イーサン・ホークの恋する表情がすごい。演技でここまでできるんだ、って。彼は若くて頭の悪いアメリカ人の役がうまいんだよ」と友人が言う。この映画はユーロレイルで出会ったアメリカ男ジェシーとフランス女セリーヌが恋に落ちて、飛行機が経つ翌朝までの話。数年後に同じキャストで続きが描かれる三部作だそう。「うっかりAmazon primeに入っちゃったから見たんだけどいいのよ〜」ということで、primeですさんだ『Game of Thrones』を見続けている私は、キラキラを求めて観ることにした。

見てみて友人の感想が極めて的確なことがわかる。「イーサン・ホーク、猿っぽい顔で全然好みじゃないな」と思って見始めたが、その隙がアホっぽくてだんだん可愛く見えてくる。特別なイケメンじゃないし、ちょっとバカだから現実味がある。セリーヌを見てそわそわするところ、「可愛い〜大すき〜何か小難しいこと言ってんな。は〜可愛い〜」という気持ちがダダ漏れ。恋する男の子そのもの。

二人はお金がないのでウイーンの街を夜じゅう歩き回って朝を迎える。話が合って楽しくて仕方がない夕暮れ、そして気が合えば合うほどつらい別れの朝の気配。今ならメアドを交換したりFacebookでも繋いどく?なんてことになりそうだけど、1995年頃の二人はそんなことをしない。さて次回作ではどのように再会するのでしょう?ちなみにスマホもないから、列車の中ではお互い本を読んでいて、「何読んでるの?」なんて話をする。風情がある。

パリとアメリカの遠距離恋愛なんてうまくいかない。お互いをもっと知れば嫌なところはでてくる。そしてどうしても明日の朝には別れなければいけないというタイムリミット。やるせなくて、でも止められない気持ち。沁みるー!

他には、恋ってそう始まるのね、そしてお互いそうやって仕掛けるのね、と恋愛巧者の技に感銘を受けた。これができるのはフランス女だからなの?すごい。

二作目がとっても楽しみ!セリーヌの英語が上手くなっていて時間の経過を感じる、とは友人談だが、この一作目でも十分うまかった。私、イギリスに留学してたのにこんなにうまくないもの。

映画11 ビフォア・サンライズ

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