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侍タイムスリッパーを観て、在り方の美学を感ず
話題の映画を観てきました。
「侍タイムスリッパー」、
第二のカメトメとも言われる低予算の
自主製作映画ですが、面白い、との
ウワサがウワサを呼び、
いまや全国展開に!
長州藩士との斬り合いの
最中に落雷に遭い、気付いたら
現代の時代劇スタジオにいたという
会津藩士、やがて斬られ役として
生きていくことになり…。
この映画を観て感じたのは
「在り方の矜持」です。
いわゆるタイムトラベルものと
違うのは、彼が幕末からやってきたと
いうことが、周りに何の影響も
与えていないということ。
彼、新左衛門はまさに
「置かれた場所で咲こう」と
生きてきた人間。
会津藩士として生まれ、
下級武士としての境遇を受け入れ、
与えられた任務に命を懸け、
不慮の事故で飛ばされた
140 年後の世界でも、
自分のできることをできる限り
為すことで生き抜こうとする。
なぜこんなことになったのか、とか
天を恨んだりとか
なんとしてでも元の時代に
戻ろうとしたりとか(一応やってみてはいる)
運命を呪う的なところがない。
もちろんあたふたはしていますが。
自分はこういう人間で、
このように在ろう、という
柱のようなものがしっかりと
通っている人なのだろうな、と
思わされるのです。
監督の安田淳一氏は
脚本も撮影も照明も編集も雑務も
全部こなしています。
ヒロインもヒロイン役とともに
助監督に製作に小道具に、と
働きまくっているとのこと。
監督は映画を撮るために
どんな撮影でもこなし、
しかし家業の米農家も継いで
日々、必死。
(それをネタにごはん、という映画も
撮っています)
今回も無謀といわれつつ、
脚本が面白いので、ということで
俳優陣が出演を快諾し、
京都撮影所が手を差し伸べ…と
多くの人の協力があったといいます。
50代後半の監督、撮り終わったときは
手元に7000円しかなかったそう。
それでも、どうしてもやりたくて
やめられなくて、
そんなものがある監督に
羨ましさも感じつつ、
だからこそこの映画を届けてくれて
ありがとう、と伝えたくなるのです。