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不登校からの全日制高校進学


娘は、現在大学生である。

中学受験をして中高一貫の女子高に入学したが、中2の夏休み明けから学校に行かなくなった。そして受験をして全日制の高校に進学した。

不登校云々についていろいろ書けるのだが、今回は中学校不登校、つまり内申書というものを使わずに普通科高校にどうすれば入れるのかを書こうと思う。

中学校に行かなくなった娘だが、高校には進学したいという。最初はそのまま一貫の高校に入れるのなら上がろうかと言っていたのだが、やはり上がりたくない、受験して他の高校に行きたいという。

学校のカウンセリングルームにはわたしが月に一回話をしにいっていて、毎年そのような生徒は存在するのだが行くとしても通信制高校だという。渡された資料もそうだった。

通信制が悪いというのではない。むしろこの先やりたいことがはっきりしていたり、自分のペースで通いたい子には、よほどそのほうが向いているのだと思う。ただ、娘の希望はあくまでも全日制高校。わたしは、通信制高校も視野に入れつつどうすれば不登校から普通科に入れるのかを調べ始めた。

まず、わかったのは、そもそも不登校などではなくても、中高一貫校から高校受験をするのは相当門戸が狭いということであった。ちなみに、我が家は神奈川県民である。県立高校の受験ももちろん考えていた。

であるが、方法はきちんとあった。娘の受験から3-4年たっているので、これから受験される方は最新情報の収集をおすすめする。

まず、県立高校。受験生のうち、9割は内申書&当日の成績で合格者を決める。が、残り1割は、内申書を利用せず、当日の成績のみで選抜されることが判明した!つまり、実力次第で入学できる。県の教育委員会にも電話で問い合わせてみたところ、「学力さえあれば入学は可能です。不登校についても配慮されてますので、中学校に聞いてみてください。」との回答を得た。このあたり、公立中学なら学校から教えてもらえただろうが、そのあたりは残念であった。娘に、通わなくていいから近所の公立に転校を勧めてみたが、それは拒否されてしまった。

次に、私立高校。すべての高校にではないが、オープン入試なるものが設けられていて、そこの枠では当日の実力で入学が許可される。わたしは高校フェアに足を運んで、相談し(この時は私立中学から受験したくて…と持ちかけた。たいていオープンで入ることになるからだ)ここは悪くない、と目星を付けた高校の説明会に行ってみることを続けた。

ちなみに、オープン入試は内申書の査定で希望より下のランクの高校を受験することになったものの、納得できない一般受験の生徒も利用している。

オープン入試の日程は重なっていることも多く、慎重に選ばなくてはならない。確実に高校生になりたかったら、レベルもよく検討しなくてはいけない。上記の理由もあるのだろう、上位校にオープン入試の設定は多く、本来は不登校の受け皿ではないのかもしれないが。

娘は、私立3校と県立を受験することになった。県立高校の願書を出しに行ったら親はわたしだけで、生徒本人が提出するものだとそこで知ったのだった。今年は郵送とか、だろうな。

最初に受けたのは、第一志望の私立。ここは娘が唯一説明会にも来たところで、先生方の印象も大変良かった・・・しかし、不登校を受け入れてくれる学校ではなかったのだ。それについては、うすうす感づいていたところがあった。というのは、その学校の「推薦入試」の資格欄に「3年間の欠席が15日以内であること」とあったのだ。つまり、学校にきちんと通っている生徒が好ましい、というわけだ。この項目を設けている学校はいくつかあった。

オープン入試は、学力試験と面接が行われる。その学校では、内申書は関係ないはずなのに、娘はなぜ学校に通わなかったのか、を執拗に聞かれたという。今そこにいる、これから高校生になりたいと思っている、学校には行けないのに受験をしに来ている娘を見てもらえなかったのは非常に残念であった。

学力試験の結果も芳しくなかったのであろう、そことのご縁はなかった。

翌日に、ここは大丈夫だろう、と思われる学校。そこでは出席日数のことなど聞かれることはなく、楽しく面談を終えられたという。そして、まず一校合格をもらえ、これで高校生になれる、と胸をなでおろすことができた。

それから、県立高校。受験ストレスでかなり体調を崩していたので、別室受験。内容的には問題なかったようだ。

さらに、もう一校。ここは知り合いが通っていて、娘も文化祭に行ったことがあり、好感度の高い学校。ただ、レベルが娘の実力よりやや高く、オープン入試では不安な状態だった。

が、なんと入試問題と大変相性がよく、まさかの合格をもらうことができた。

そこで、娘と相談。もし県立高校に受かっていたらどうする?受かってもいかないのなら、辞退するべきだと。

娘は即答、この私立にきたい。

なので、結果が出る前に辞退することにした。どうだったのかはわからない。また、本来県立高校を辞退するのは、中学校としてはやりたくないことらしいのだが、そこは私立中学でなんのしがらみもないため。校長先生(承認がいるのである)もあっさり了承して、書類を作成してもらえた。

そのような過程を経て、娘は高校に入り、それからはほぼ欠席もなく楽しく通うことができた。不登校でも、私立からでも門戸は開かれているので、目指している方々には諦めないで挑戦してもらいたいと願っている。



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