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出張森づくり隊@東逗子・東の森 第4回

2025年1月19日(日)
レポーター:森の女将・きょうちゃん

2025年初めての森づくり。
激猛暑だった昨年の夏に対して、極寒な冬の今年。
12月から各地で大雪に見舞われて、自然との闘いは続いている。
昨年のことを考えると、穏やかな正月だったと言えるけど。

前回11月の東の森は、終日雨で、土壌の悪さが露呈していた。
(粘土質が雨で滑りやすく、動きづらかった。( ;∀;) )
乾燥していたら土壌はどんな状態なのか、改めて感じたい。
冬場の今だから、風を通す作業が捗るだろう。
広場に対して南側はまだもっさりとしているので、ぜひ「ササ刈り」を推し進めたい。
そんな思いを募らせながら、がんちゃんと私は集合時間より早めに現地を訪れて、早々に「ササ刈り」を始めた。がんちゃんはご事情でお昼までだと言うし。

期待の大型新人カズ君の登場を待って、チェックイン。
とにかくプロフィールが凄い。(お知りになりたい場合はぜひ森へ!)
話を伺うだけで、森スキルは高いし、若さで体力的にも精神的にも逞しいことがわかる。その上、動植物の知識量が凄い。森ばかりでなく、海洋にも詳しく、現在の環境問題の考察も深い。大学院でそちら方面の研究をしているとのこと。

期待の大型新人カズ君

もう一つ。
我々はフォレストネームで呼び合っているが、東の森オーナーの東さんは「あずまさん」だった。・・・今回、東さん自ら、
「フォレストネーム、『東紘』から『アズコー』と呼んで下さい」
との申し出があったので、これからは「アズコーさん」とお呼びしますね。

フォレストネーム、アズコーさん

今回のメンバーは、がんちゃん、カズ君、ゆうき隊長、私の4名。

午前中は「ササ刈り」を続けた。
広場から南側の奥、アズコーさんが最近道を作ったと言ってらした。
確かに、奥に続いている道があったが、その時に切り倒したと思われる雑木がそのままになっている状態で、もさもさを助長している。
残念だが、雑木が大きすぎて今日は手が付けられなかった。

今日は、アズコーさんが企画したイベントと重なっていて、小さなお子様方とその保護者の方々と20名くらい東の森に遊びにいらしていた。
子どもたち、森に入ったらさっそく、鬼ごっこでそこら中駆けずり回る。
と言っても、最初はおっかなびっくりだった。・・・次第に早くなる。
私たちが作業をしていると、「何をしてるの?」とは聞いてくれる。
でも、その答えが知りたい訳ではなさそうだ。

午前中はがんちゃんのご指導の下、ササ刈りに勤しんだ

やがて、お昼。
子どもたちのイベントはそれがメインだったらしく、かまどで根野菜たっぷりのお味噌汁を作っていた。お芋も焼いたんだそう。鶏肉も味噌をつけて焼いていた。私たちもお味噌汁をごちそうになった。寒かったから、熱々なお味噌汁はとてもおいしかった。

ふと見ると、カズ君がなにやら作っている。
午前中戦っていたササで、細いテッポウを作っていたのだ。弾丸はヤツデの実。オール天然素材だ。すると、狙いをすませたように、男の子たちが寄ってくる。飛距離はそんな無いようだが「ヒューーポン」という発射音は、子どもたちを引き付けてやまない。とうとう、小さな講習会になった。

ヤツデの実 ササ鉄砲の銃弾(別撮り)
よく見るとカズ君の手にはテッポウが。
みんな夢中になりマイ鉄砲を作る。

アズコーさんのリクエストで、広場からの西側に水が流れる場所があり、それをどうにかして欲しいとのこと。
イヤイヤそこ、11月にみんなで手を入れたとこだが、前回雨の日の作業だったから、山全体の水の流れが読めて、南側と北側からの流れが集まるところだと発覚したのだ。

今は乾燥しているが、雨が降れば流れが集まってくる場所なのだろうとわかる
【before】

どうするのが良いのかな、と様子見をしていたところ、アズコーさんのリクエストもあり、こうなった。

杭を打ち、座を切って、しがらみを作った
3段、資材は午前中に刈ったササ
【after】

杭を切り出したら、ササ鉄砲についで我々の作業に興味津々の子どもたちが、杭打ちをしてくれた。ササを入れる作業もしてくれた。
大型新人カズ君もだが、将来の森づくり隊になってくれるかもの子どもたちに、心が湧きたった。

前回は粘土質の土壌で、ホントに苦労したな、と思っていたが、今日は粘土質が程よく切り出しやすく、成形しやすいことに気がついた。座を切ったり、階段がとても作りやすい。
子どもたちの力で、杭が打てたのも納得できる。
さすが粘土と思ったが。
はて。
それこそこれが日本の山の本質なのでは? と、私は思った。

大雨が降っても山が雨水を受け止められず、表面を水が滑り降りて、豪雨災害になる。(雨でツルツルだった前回を彷彿させる)
それを食い止めるために、我々は活動しているわけだが、
粘土質の土壌でも、掘り起こしたら、簡単に、むしろとても扱いやすくなるのだ。
11月から、たった3ヶ月で。

東の森に最初に入ったのは8月31日だが、とてもうっそうとしていた。
アズコーさんと共に東の森を管理されているナオキさんは、「森づくり隊」が入ってくれてから、森の匂いが変わった、とおっしゃったそう。
湿っていて、もしゃもしゃうっそうとしていたら、匂いは籠ってしまう。
ササを刈り、藪を払い、倒木を下ろしてきた。
その為に風が通り、水が流れるようになっている。
風が、空気が、香りが、違ってくるのは当たり前だ。
東の森は、まだまだ爽やかになっていくだろう。

【before】まだうっそうとしている
【after】かなりすっきりした

午前中、カズ君は「アケビコノハ」という蛾を見つけた。
二枚目は黄色で美しい羽根だが、表は枯葉に擬態している。
この蛾の顔は変わっているんだよ、と、がんちゃんが写真をとってくれた。

アケビノコノハ
冬眠していたらしく、割とじっとしていたのだけど
さんざん写真を撮られたり、触られたりして、元気に飛んで行った

がんちゃんが見つけたのは、自生しているエビネ蘭。
葉っぱもしっかりしているが、花芽もついていた。

自生している「エビネ蘭」
ササ刈りをしたら、ようやく出てきた感じ
ノササゲの実
ナンテンの木に絡まるようにあった

2時を過ぎると、パラパラと弱い雨が降り出した。
ちょうど3段のしがらみは作って、もう少し資材を入れたかったが、
早めだが今日の作業は終わることにした。

【今日のふりかえり】
★カズ君★
地元の東逗子にこんなところがあるなんて、感動した。
ササ狩りのような作業が大好きだし、子どもたちと触れ合えて楽しかった。
今回森づくり隊としては初めての参加だったし、東の森も初めてだったが、変わっていく様子を楽しみにしている。
また、他の違った場所にも行ってみたい。
★がんちゃん★
今回も諸用があり午前中だけの参加になってしまいましたが、とっても楽しくモサモサの『ササ刈り』ができて嬉しかったです。
「ここの斜面に風を通すことができれば新たに日差しが差し込み、新たな植生が育まれる」と信じ、ワクワクしながら「陽が入れ!陽が入れ!」とモサモサを刈り取っていたら‼︎
「エビネ」!に出会え!
「おお!よくぞこの地に存在(現存)していてくれた‼︎」と感動してしまいました。
また、カズ君が見つけてくれた『アケビコノハ(ガ)』の成虫に夢中なってしまい、作業するのを忘れてしまいました‼︎とっても楽しいひと時に興奮し!今日は、半日と言えども!参加できてよかったなと思います!カズ君ありがとう。
★きょうちゃん★
2025年初めての森活ができて楽しかった。
前回の11月は雨だったので全体が見渡せなかったが、今日はササ狩りをして風や空気が通るようになり、森を感じると最初より数段爽やかになっているのが分かる。
これから春になり、緑が芽吹き、花が咲くことが楽しみだ。
★ゆうき隊長★
今日は、アズコーさんから宿題を出されていて、東の森の現在の様子と、これからのデザインを描くため、奥の方まで探索に行ってきた。
水の流れも見えて来たし、風や空気が通って、土壌にも変化が見られる。
ただ見渡すと、大きな木が立ち枯れしていたり、土壌が弱っているため倒れかかっている木もあるから、これからの作業の優先順位も考え、東の森のデザイン画を仕上げたい。

今日もお楽しみ様でした!
季節が変われば、森も成長するし、というが、それよりも何よりも、
我々が手をかけてあげれば、それに森は素直にいち早く答えてくれる、
とわかった、今日の森づくり隊の作業でした。
また来るからね!

レポーター:森の女将・きょうちゃんでした。



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