ウアウトラ シャーマンへ会いに
シャーマンの住むウアウトラへ
この日は朝早くからコレクティーボに乗り、シャーマンの住むというウアウトラという村を目指します。
オアハカに行くことを決めた時からウアウトラに行ってみたいと思ったけれど、一人で行くのはためらいがあった。昨日、同じ宿に泊まっていたのっぽ君とイエルベエルアグアへ行く途中、彼もウアウトラに行く予定ということを知り、一緒に行くことに。
いくつかブログや旅行記を調べるとかなり詳しい行き方が出ていますが、ここでは書きません。
地理的な旅ではなく精神的な旅の記録として書いてみたいから。
このあとで会うシャーマンのおばあちゃんと、ネットには顔写真を出さないと約束したし、日本人がたくさん彼女のところばかり訪れるせいで村の中で居心地悪い状態(やっかまれている?)になっているようです。。。
だからあくまで、一人の旅行者が経験したトリップとして読んでいただけると嬉しい。
HUAUTLA(ウアウトラ)行きのTOYOTA
ウアウトラまでバンで約6時間。途中、サボテンがポコポコいっぱい生えた景色が出現!
途中でお昼休憩。私たちはセレモニーに向け、断食中なので、がまん、がまん。。あの釜でトルティーヤを焼いているのかしら。おばちゃんたちがお店を切り盛りしています。
外で煮詰めていた赤唐辛子。グツグツ、熱そう、辛そう。
みんなでうとうとしていると、ようやくウアウトラに到着。
アブエリータとの出会い
のっぽ君はしっかり場所を確認していたようなので地図が苦手な私は後ろをついていきます。近くまできて、場所がわからず、通りがかったおじさんに声をかけると、なんとシャーマンの女性の息子さん。突然やってきた私たちをお家に案内してくれました。中に入れてもらって、少し待っていると、奥からおばあちゃんが。彼女がシャーマンです。ここでは親みを込めて彼女をアブエリータ、abuelita(スペイン語でおばあちゃん)と呼びます。今日、セレモニーを受けたいとお願いするとこれまたあっさりOK。なんだか、私たちが来ることをあらかじめ知っていたんじゃないかというような落ち着きぶり。優しい雰囲気の可愛らしいおばあちゃんでホッとしました。安心できない雰囲気の人からセレモニーを受けたくなかったけれど、彼女なら大丈夫そう、そんな気がした。
2階に通され、アブエリータはスペイン語で手振り身振りを交えてコミュニケーションしてくれる。サポテコ語の唄を歌ってくれたので、サポテコ語も話せるのかもしれない。アブエリータから注意が二つ。
今日は、夕方5時からセレモニーを行うからそれまでは食べたり、タバコを吸ったりしないように。
街の人から見えるところにいないように。外を出歩いたり、バルコニーから外を覗かないでね。
そのあとは、ひたすら夕方までぼーーっとして過ごしていました。なんだか田舎のおばあちゃんちに来てまったりしているような気がしてくるから不思議。異世界にいるような、思い出の世界にいるような。
たった一晩しか過ごしていないこのお家とここでの夜、私の中で一生、一生、この心臓が止まるまで、いやもしかしたらその後もずっと私の一部。
一人で長テーブルに座っていると男の子がちょこんと前に座って遠くをぼんやりみている。目がクリクリした男の子で、スケッチしたら、照れていた。はにかみ屋のアブエリータのお孫さん。照れつつも手品を見せてくれたりして、可愛らしい。ここのスケッチ、アブエリータが気に入ってくれたので翌日、プレゼントした。
You travel many times.
2時間くらいたった頃かしら。青年が二人、テーブルについて、おもむろに食事を始めた。アブエリータがパンやスープをすすめる。二人はとても静かにコーヒーを飲んだり、パンをちぎって食べている。
私とのっぽ君が物欲しそうにしていると、アブエリータはセレモニーが終わったらね、今は体をからにした方がいいのよ。身振り手振りで教えてくれる。
どうやらこの男性たちはセレモニーを受けてきたよう。ふんわりとした感じ。一人の男性は英語が話せたので少し会話をした。彼はコロンビア出身で何回かここでセレモニーを受けたことがあるらしい。私は初めてなんだけど、どんな感じなのかしら。と聞くと、「彼女は素晴らしいよ。とても思いやりがある。サポテコの唄を途中で歌ってくれるんだけれど、とても安らぐはずだよ。何度も何度も旅をするんだ。トリップを楽しんで。」
She pampers us. I think she is really caring...You travel many times over and over. Enjoy your trip.
ドキドキするというより、何となくそんなものなのかな、なんて妙にゆっくりとした気分で彼らの話を聞いていると、アブエリータに呼ばれ、下の階へ。
この晩、人生で一番美しい夜を体験するのだけど、この時はただ流れに身を任せていた。