子育て中にリスキリング。そんなにだめ?
「子育てしながら学べるはずない」?
2月初旬の国会答弁で、岸田首相の「産休中のリスキリング」発言が炎上した。
これに対しては、専門家も当事者からも批判の声がさまざまな場であがり、「子育てを経験したことがない裕福な政治家の発言だ」と評価をうけていた。
様々な議論の中で、2つ心に引っかかったのは
「子育てしながら学べるはずがない」
「子育て中は子育てに集中させてほしい」
言葉だった。
それは、ごもっともなのだろう。
産前産後は、「交通事故に遭遇したレベル」の心身のダメージといわれている。
加えて子どもから目が離せない。
しかし、本当に子育てを経験したすべての母親の気持ちを代弁しているのだろうか?
正直いってちょっと衝撃的だったし、戸惑った。
私もまだ経験していないので安易に発言できないが、
「子育てしながら学べるはずがない」というレッテルをはることは、日本の女性にとって幸せなことなのだろうか。
その批判は当事者の声を代弁しているか?
とある学者の先生が岸田首相に対して「子育てしながら学位をとってみろ」と発言していた。
私は、子育てや出産に向き合いながら学位をとった女性を何人も知っている。
うちのスタッフも復職前に簿記2級を取得していた。
(もちろん、かなり大変だったとは思うので誰もがそれを達成するのは困難だろう。)
一女性としては、むしろ人生の中でどんな状況でも学び続けたり成長し続けたりできる可能性を信じたい。
安心して、育児・セルフケア・チャレンジできる環境を
この根底には、出産にともなう痛みや育児の負担を基本的に女性が背負わなければいけないという前提があると思う。
もちろん、肉体的な痛みや疲労、ホルモンバランスの問題は当事者でしか背負えない。
しかし、さまざまな「苦痛」を「シェアする」ということはできるはず。
きっとそれができていない。
これに関して、とても参考になる記事が産前産後にキャリアコンサルタントの資格を取得した女性の記事だった
↓
現代ビジネス:
「産休育休中のリスキリング」は本当に可能か?夫婦でチャレンジした我が家の「成果と後悔」
https://gendai.media/articles/-/105668?page=4
なかなかに目から鱗だった。
出産や育児は女性のキャリアを大きく左右する。
20〜30歳代で仕事をする機会が減ってしまうことは、女性のその後の人生にとって大きなマイナスとなるだろう。
産後のキャリアの確立は女性にとって重要なポイントなので、ぜひ進めるべきではあると思う。
もちろん、大半の方は育児に集中したい人もいるだろうし、休むことも重要なので、やりたい人がやればいいし、体を休めながら育児に向き合う時間を確保することが重要だ。
やりたい人が育児を犠牲にしないでやれる環境をつくることが重要だ。
「産休中」という言い方をするのが、誤解をうけるのであって、「産後、復職前の期間」に学べる環境をつくることは女性にとってメリットが多いはずだ。
実際やってみれば「大変」だし、「つらい」だろう。
周りが頑張っていると焦る人もいるだろう。
それはそうだろうけど、チャレンジしたいと思う人の支援を妨げるのは本末転倒に思う。
「大変なことはさせないほうがいい」はすべて正義だろうか?
リスキリング政策で、家事代行やシッターの普及を進めては?
リキリング政策の中で疑問の声があがっているポイントについては、「1兆円予算がセミナー業者にながれないか?」という点もある。
であれば、1兆円の予算を使って、産後の復職前に親が安心して育児や体を休めることに取り組める環境づくりをしてはどうでしょうか。シッターの手配や家事代行などを利用する方々にもっと補助をだしたらよいのでは。
そもそも、子どもの数がへってるのだから保育士の待遇改善を本気ですすめ、キャパシティの拡充をはかるべき。
私自身は、みんなに「実際大変だよ」「考えが甘い」などと言われるが、どんな状況でも自分の成長にかける時間は大切に思うのだ。そういうのを達成できる社会にいきられているなら幸せに思う。
何より、結婚後10年子どもができなかった自分を思うと、せっかく授かった子どもとの人生がだれにとっても幸せな時間になるといいなああ。
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