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ハロウィンメイクが嫌いなわけ

いつからなんでしょう
ハロウィンが仮装大会みたいになったのは

ハロウィンはそもそもヨーロッパのケルト人が行っていた
サウィンが起源と言われています
秋の収穫を祝うとともに、悪霊を追い払う宗教的な行事なのだそう
ケルトの暦では10月31日は一年の終わりの日
現世と来世との境界線が弱まる日なので
死者の魂が家族のもとに帰ってくる日とも言われています
その際、どさくさに紛れて悪霊も一緒にやってくるので
火を焚いたり仮面をつけて悪霊から身を守ったのだとか

のちにこのローカルなイベントがキリスト教と結びついて
万聖節の前夜祭として行われるようになりました

さらに現在は、ハロウィンの夜に子供たちが仮装して
「お菓子をくれないといたずらしちゃうぞ」
と近所をまわってチョコとか飴ちゃんをもらう風習が定着したそうです

子供が小さい頃は、仮装して近所のゴミ拾いをするイベントがあり、
「お母さんもどうぞ」とか言われながら
ドラキュラに扮した子供に合わせて
控えめに黒いワンピースで付き添ったりしたものです

それがいつの間にか、子供のみならず大人たちがガチで
コスプレしてイベントに参加するようになっていました

とはいえ

基本お祭り好きな私
楽しいことには乗っかってしまえ♪って思ってはいるのですが
どうしても受け入れられなかったものがありました

それがハロウィンメイク
言い換えると、ゾンビメイクと呼ばれるもの

理由は「怖いから」
それだけ

母が出血性胃潰瘍で緊急搬送されたとき
本当にゾンビメイクのような顔つきで
肌は土気色で口から大量に血を吐いて
血飛沫が飛び散って

とても怖かった

結局そのときは、腕のいいお医者さんと出会え
大量の輸血を受けられ
翌日には集中治療室を出られたのですが

とても怖かった

いつもゾンビメイクとかホラー映画の予告などを見ると
その時のことを思い出すのです

何が怖かったのかを振り返ると
やはり、子供の頃からずっと恐れていた
母が死んでしまうことが何よりも怖かったんですね

救急車を呼んだ時、心の奥底の方では
「絶対大丈夫」という確信がありました
でも、いつかその日が来ることを思い知らされたようで
緊急搬送された時の母の姿を思い出すたびに
「この世にひとりおいていかれる恐怖」
みたいなものが湧き起こってきたのでした

母が亡くなり2年が過ぎました
今もしかしたら私は2年後の今もなお
この世にひとりおいていかれた絶望感の中で
膝を抱えている状態なのかもしれない

けれど
子供の頃からずっと恐れていた親との別れは
「いつか来る未来」ではなく「過ぎた過去」になり
もう恐れていたことは起こらないという
奇妙な安堵感もあったりします

そう感じてふと考えてみたら
ゾンビメイクがそれほど怖く感じない自分に気づきました

それでもやっぱり私は
誰かが血を流している場面を見るのは嫌だなぁ

現実と想像の世界をうまく切り離せていないのかな
他愛もないイベントのほんのお遊びだからって
割り切れるようになるまではまだ遠いみたいです

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