双極性障害とはどんな病気か? 私の体験談
こんにちは、きょうこと申します。
今日は私が5年以上付き合っている病気である「双極性障害」についてお話ししようと思います。
症状の出方は人によって様々ですが、「こんな病気なのか」とイメージしていただければと思います。
うつ病と同じ症状が現れる
双極性障害は聞き慣れなくても、「うつ病」ならば誰もが聞いたことがあり、イメージしやすい病気だと思います。
双極性障害では、うつ病と同じ症状が現れる時期が必ずあります。
気分が暗く沈み、何をしても気が晴れず、普段なら楽しめることにも興味を失い、極端に気力がなくなるといった症状です。
あまりにも気力がないため仕事に行けなくなったり、家事や趣味もできなくなったり、お風呂や着替えなどの日常動作すらも億劫に感じたりします。
実際、私は寝る前のルーティン(お風呂、歯磨き、ドライヤー、薬を飲むなど)をこなすのがしんどいです。
薬は命綱なので必ず飲みますが、ドライヤーができなくてバスタオルで拭くだけの日などがあります。
かつてはお風呂をサボることもありましたが、コロナ禍が始まってからは気力を振り絞って毎日お風呂に入っています。健康な人には当たり前のことかもしれませんが、たったこれだけでも努力が必要です。
さらに、不安や緊張、焦り、自責の念、罪悪感、怒りなどネガティブな感情に翻弄されます。
特に罪悪感や不安はとても苦しく、「この苦しみから逃れるためには死ぬしかない」という思考になっていきます。
個人的に、重度のうつ状態を最も的確に表す言葉は「生きることに疲れ果てた」です。
うつ状態と躁状態を繰り返す
双極性障害がうつ病と違う点は、躁状態の時期もあるということです。
躁は、エネルギーが満ちあふれて活動しすぎたり、気分が高揚しすぎたりする状態です。
躁というと「テンションが高くて楽しい」「機嫌が良い」「生産性が高い」というイメージがあるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。
躁はうつ以上に個人差が大きく、メリットもあるけれどデメリットも非常に大きいと私は考えています。
まず、極端な躁の人は入院する必要があります。あまりにも自信過剰になり、投資などに財産を注ぎ込んでしまったり、起業しようとして失敗したり、誰彼構わず話しかけたりしてしまうからです。
私は入院するほど重度の躁になったことはありませんが、躁の時には次のような症状が現れます。
●怒りっぽくなる
→気分が高揚すると、私は楽しい気分よりもイライラが強くなりがちです。
自分を否定されることに過敏になり、ちょっとしたことで「侮辱された」と感じて激しく怒ってしまいます。
怒りが無限にわいてきて、どんな対策をしても焼け石に水という感覚になります。
さらに、躁と同時にうつも存在する「混合状態」の時が多いので、自分への怒りも抑えられず、自己嫌悪に苦しみます。
●趣味に没頭する
→昔から休日は趣味をして過ごすタイプでしたが、躁の時は際限なく趣味に没頭したくなります。
私の趣味は音楽、ハンドメイドなど一見無害なものですが、「もっとうまくならなければ」と自分を追い込んだり、承認欲求に支配されたり、やりすぎて疲れ果てたりという問題が生じます。
また、「もっとゆっくりしたほうがいいんじゃない?」などと言われると水を差されたと感じ、怒ってしまいます。
歌いたいのに家族がテレワークをしているから歌えなくてストレス!などのイライラにもつながります。
さらに、趣味に使うものを必要以上に買い込んでしまうのも大問題です。うつになった時に激しい自己嫌悪に襲われます。
●金遣いが荒くなる
→趣味に使うものを買うことが多いのですが、全般的な金銭感覚がゆるくなり、浪費しがちになります。もちろん、うつの時に激しく後悔します。
●好きなものについて語る
→音楽など、好きなものについて語るのがやめられなくなります。実家暮らしなので母に語ることが多いのですが、母は特別音楽が好きなわけではないので、結構うざいと思います。
元々のこだわりの強さが出て、「この料理はこの一手間で美味しくなるから絶対やるべき!」などと熱く語るパターンもあります。母は料理にこだわりがないので、こちらもうざいと思います。
このように、躁にも様々な問題があります。
一方で、「アイデアが豊かになる」「趣味に打ち込むので上達が早くなる」「頭の回転が良くなり、仕事の能率が上がる」などのメリットも一応あります。
「混合状態」は地獄
うつと躁の周期は個人差が大きく、うつの期間が長い人や、フラットな時が多い人など様々です。
私は少し特殊かもしれませんが、「混合状態」と呼ばれる時期が経過の大半を占めています。
混合状態では躁とうつが同時に存在するので、活動しすぎては疲れ果て、浪費しては後悔にさいなまれるというように、とても苦しい状態です。
1日の中でもコロコロ気分が変わり、おとなしかったのに突然怒り出したり、急に機嫌が良くなったりします。気分だけでなく考えも変わりやすいので、家族には本当に迷惑をかけていると思います。
混合状態の恐ろしいところは、死にたくなるリスクが高いことです。
躁の時にしていたことをうつの時に思い出すと、自分がものすごく恥ずかしく罪深い存在に思えます。穴があったら入りたいどころか、本当に消えてしまいたくなるのです。
混合状態では、この現象が毎日のように起こります。つい数時間前にやる気満々でしていたことを、ものすごく恥ずかしく感じるのが日常茶飯事です。
また、怒ってしまう自分が罪深く思えて、生きている価値がないと感じます。
このように、混合状態はとても苦しく、生きていたくなくなるのが特徴です。
薬を飲み続けることで波を小さくする
双極性障害の根本的な治療法はありません。薬を飲み続け、気分の波をなるべく小さくすることが治療の目標になります。
長くなったので、薬の特徴については別の機会にお話ししようと思います。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。双極性障害への理解を少しでも深めていただけたなら嬉しいです。
↓YouTubeにて、歌ってみた活動をしています。もしよろしければ、ぜひお聴きください。