子供の夜驚症というのがある ~日本人の3%未満しか、知らないことシリーズ~ No.5
私は、脳科学を研究しています。特に、知性がどこから来るかを研究しています。AIシステム開発もできるので、モデルにすることができたら、AI化できるのかなと思います。
人間の心のトラブルは、ほぼ100%脳内に発生します。「心がー」といっても、実際は脳の一部どこかが脳腫瘍、認知症、発達障害、その他の理由で損傷があるか、脳内物質のバランスが悪いとか、ニューロンの発達がよくない・・・などなどです。皆さんが、仮に「すぐ人の悪口を何度も何度も言ってしまう」という悪い癖があったとしても、それは脳内の何かがおかしいのです。
一方、子供はなんせ脳が未完成です。1人前ではないので、よくあるイヤイヤ期に入ったりしますと、ものすごく手がかかって、両親は大変です。昨日、喜んで食べていたものが今日は突き返してきます。言葉も不自由で単語も知らないから、適当な言葉を並べますが、悪い言葉を覚えるほうが速いので、文句ばかり言う子供や、噛みついてくる子供、殴ってくる子供、床に寝てばたばた暴れる子供・・・だらけになります。
イヤイヤ期は、前頭葉の発達がまだ不十分であることでわかっています。
そういう問題行動が、どうしても脳が未完成の子供にあらわれますが(私は子供の脳に研究はしませんが、異常なものだけちょっと調べています)、昨日、たまたま夜驚症(やきょうしょう)というのを知ったので、皆さんにご紹介したいと思います。
これは、夜泣きとは違いまして、あまり知られていないと思いますが、知らない人が見たら、まさにエクソシストの呪われた子供のようです。夜泣きのレベルではなく、声もぎゃーぎゃーと大きく、なんだかわかっているような行動(暴れるなど)も伴い、泣いているわけではないように見えるので、違いがわかります。
妊娠中だとか、まだ0歳児のお子さんを持つご家庭には、「3-6歳になったら、どこかで1-3年くらい、こんなことになることもあるのかも?」「そのときはどうするか研究しておこう」くらいの気持ちでいただければ、いいと思います。
なかなかすさまじいケースがありますので、ちょうどみつけた漫画でご紹介します。中には、一番きついシーンがあります。3,4歳の子供が母親を殺そうとナイフを持ち出すのです。ここまで辛いお母さんは見たことがないです。
(漫画の前半は、虐待が疑われる例なのですが、その後、それが夜驚症かもしれないことがわかり、自分の家庭で発生します。24話くらいから読まれると話が早いと思います。)
この漫画は、対処上、やってはいけないこともしているので、こちらの漫画の解説を見たほうがいいかもしれません。
夜驚症の最中は、子供のほうは起きているわけでなく、眠っているけど体が動くみたいなものなので、変に暴力で抑えつけたりするのは逆によくないかもです。もちろん、体罰もいけません。
夜驚症
症状としては、
夜中に大声で泣きだし、恐怖の表情を浮かべたり、うろうろしたり、体をのけぞったり、時に親に暴力をふるいます。10分ほどで収まり、翌朝、当人に確認しても、まったく覚えていません。
映画の「エクソシスト」の少女がわめいたり、エビぞりになってりするのに、似ているかもしれません。知らない人は、「お祓いがいるかな?」と心配されますが、脳の発達の中途半端さから来るものなので、1-2年したら収まります。
現状、脳がちゃんと発達しないといけないので、家族は1-2年大変苦しみます。忍耐です。下記の先生によっては、処方薬はあるようですので、試されるのがよいと思います。
ただ、とうぜん、ものすごく大きい声で泣き叫ぶので、親も眠れないし、近所迷惑ですし、虐待で通報されることもありがちです。
比較的、有名ではないので、「夜泣き」との違いがわからない小児科医や保育士さんたちもいると思います。
よく知識のある相談相手をみつけるのがいいと思います。ここにリンクされているような、子供向けの精神科医を探すのがいいと思います。
この漫画の家族は、あまりいい医者に相談できていませんが、治療法がなくても、共感してくれたり、知識がある相手がいると気が休まると思います。
医者によっては、抗うつ剤や漢方薬を処方することもあるようです。
昼間、興奮するようなこと(怖いことやびっくりしたことだけでなく、遊びすぎるときも注意)があると発生しやすいようです。いとこの子供が来たので、わーわー楽しく遊び過ぎたという日や、ディズニーランドにいって大はしゃぎした日などにも楽しくても興奮して発生するようです。
別の部屋で寝かせて、ある程度無視するなどするほうがいいかもしれません。あまり過敏に対応していると、親のほうがまいってしまい、暴力で止めようとする可能性もあります。子供は体力がありませんので、ギャーギャー泣くと疲れますから、そのうち泣きつかれて黙ります。
アンガーマネジメントのように、「スルーする」的なスキルも親御さんには必要かもしれません。
こちらの漫画のお母さんは、放置しています。このほうが、逆に収まりやすくてよいのです。
他に、こちらのご家庭では、「わざとトイレに行かせる、水を飲ませる、布団にすぐ入れる」などをされていました。個人ごとに違うと思いますが、変にまじめに対応して起こすとか、押さえつけて静かにするとかより、スルー的対応のほうがよいようです。
(私は日本人のお母さんたちは、ちょっと子供に手を出しすぎだと思います。ヨーロッパでは、ちょっと泣いたからといって抱いたりしませんし、危ないときは紐で散歩します(見た目が犬の散歩のようで嫌われますが、車道に飛び出すようなことがなくなるので、安全です)。それに貴族は、乳母を雇いますが、乳母にしてもべたべたと抱っこばかりしません。)
万一、小さいお子さんがいる家庭で、「夜泣きにしては、ひどすぎる」と思われたら、この夜驚症というのがあるので、思い出してください。
自閉症の子向けには、こういうコンテンツがあります。
わかりやすくていいと思います。