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NEETが仕事できない問題は、コミュ障害というより、段取りの柔軟性に対応できないからではないか?
学校でいじめや失恋でNEETになってしまった若者は、ちょっとただの弱さかなと思うのですが、たとえば20代前半くらいで、職場でついていけなくなった若者が、NEETになるのは、そもそも2つの問題があるかなと思います。
1つは、会社がこうやってくれと思う業務の段取りや上司の指示についていけないからかなと思います。
世の中、1つの仕事の目的があって、成果物を作るのに、途中の過程は自由とは限りません。会社にも設備の利用ルールなどもあるし、長年やってきたノウハウなどもあるので、それを盛り込んで、上手にやってくれって話なのですが、どうもNEETになる人は、その途中の段取り付けがうまくないようです。そこで、上司や先輩に尋ねるのに、言葉のやりとりがありますが、それでコミュニケーション障害というよりは、NEETになる人があまりに柔軟性がなく、たとえば、アスペルガーやADHDなどでうまいこと段取りが組めないからじゃないかなと思います。いわれたとおりにマニュアルの通りにやると、今度は例外的なことに対応できません。また、発達障害の人は、自分の好きなルーチンでやりたがるので、それから外れるとパニックになったり、緘黙したりします。
このようなことが何度もあると、職場で浮いてしまいます。それで、疎外感を感じて、仕事に行けなくなります。
あとは、隠れた発達障害以外では、境界知能という、知的障害ほどではないですが、部分的に知能が不十分な人がいます。そういう人に、普通の説明をしても、部分的に理解できないので、最後まで仕事を通しでできないことになります。
まあ、今どきの若者は、「教えてもらってないから」とすぐ言い訳をしますが、それじゃあ、「自分で少しは考えろ」ってことを理解していないということになります。
ゆとり教育では、「自由研究」を重視していたはずなのに、「自由に考えて、成果だけはきちんと出せ」というのができないのです。もちろん、できる人はできますから、できない人でハードルを越えられない人が、NEETになるのかなと思います。
もう1つは、そもそも、職業の種類を自分にあわないのを選んだからだと思います。
たとえば、社会経験がないのと、はっきりした職業目的もないまま、たとえば、ぜんぜん人と付き合うのが辛い若者が、一番採用の多い営業などにアサインされますと、営業というのは毎日、新しいお客さん獲得につとめないといけませんから、新人には厳しい仕事です。
まあ、会社も半年くらいは、ぜんぜん受注できなくても、営業を育てるためにはしょうがないと思っていますが、一応、はっぱをかけます。
しかし、気の弱い人には耐えられないので、ある日、仕事にいけなくなります。
要するに、ストレスに弱いNEET予備軍の若者は、そもそも、たとえばパソコンの組み立て、システムの監視、ハードの修理、図書館司書、経理担当、トラックドライバー・・・といった、わりと黙々とやれるような仕事にしておけばよかったのに、人と話して、ケースバイケースで対応を柔軟に変更しないといけない仕事をしてしまっているのかなと思います。
NEETの若者で、「学校だけは勉強好きで、ちゃんとできた」という人にとって、ハンターのような営業はものすごく大変です。
そういう人は、頭がよければ、研究員や調査員のような、学校の勉強に近いような作業が多い仕事にすべきだったのです。
後は、「自分は学校の成績もよかったから、これくらいできるはず」という妙なプライドも邪魔なのかもしれません。
生物学史上、進化で生き残って来たのは、柔軟性のある生物です。決して、力が強いだけでは生き残れません。
そのときどきの環境にあわせて、柔軟な生物が生き延びます。
NEETの若者は、この柔軟性が足りず、自分のやり方に固執したり、合わせようとしても、自分の個性とあまりにも違うので、ギャップを埋められなかったのではないかなあと思います。
特に、隠れ発達障害の人には、ハンディありの戦いですから、大変です。
NEET青年たちは、そこをよく考えて、自分に一番あっている職業につくのがいいと思います。
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