ひとよひとよのよまいごと#1 好きって何?
好意ほど曖昧で不確かな感情は無いと思う。
友達としての好き、家族としての好き、恋愛としての好き。
どれも同じようでいて、どこかが絶対的に違うはず。
現在進行形の話をしてしまうのだが、(たぶん)恋愛的に好きな人がいる。
告白めいたことは既にしたが、正直に言えば未だにその人へ向ける気持ちが恋愛的な「好き」なのか、友人へ向けるような「好き」なのか判然としない。
他の友人たちと比べて特別な「好き」であることは間違いない。
でも、それが「恋」なのか?
そもそも「恋」って何だ?
生物的な本能に基づくものとして考えるなら、そのゴールは身体的接触を伴う交流の可否で決まるものだとできるかもしれない。
しかしそれは盛りついた猿と何が違うのか。
人間という生き物が思考のもとに社会を形成し、理性の下に生活を営む以上本能を理由としない感情があるべきではないか?
……とまあ、づらづら書いてはみたが、結局こんな問いに答えがあるはずもない。
世の中のキャッキャウフフしてる方々でこんな問いを経てお付き合いに発展した方はそういないはずだ。
と思っていたのだが。答えを見つけてしまった。
プリキュアはご存じだろうか?
私はいい年してニチアサ3番組を毎週確認する女なので、
今週もしっかりプリキュア→仮面ライダー→スーパー戦隊と視聴したのだが、
なんとそこでプリキュア史上初の作中で彼氏持ちになるプリキュアが誕生したのだ。
「わんだふるぷりきゅあ!」のキュアフレンディこと犬飼いろはである。
印象的なのは告白してくれた相手に対する恋心を自覚したいろはが
相手にそれを伝えるシーン。
「好き」という言葉を一切使わず思いを伝えたのだ。
彼女の口癖でもある「ワンダフル(作中で嬉しい時、楽しい時に使用される)」を
他の人へ抱く「ワンダフル」とは違う、『特別な「ワンダフル」』と伝えたのである。
これが不思議と私の心にもしっくり来た。
容易に「好き」という言葉で片づけるのではなく、
自分なりの特別さを伝えられるその純粋さと強さ。
思わず泣きそうになった。
私の持っている感情もそれに似ている。
私にとって彼は代わりの効かない存在だと思える。
となれば、やはりそれは恋なのかもしれない。
そんな自己完結をして今夜も夜は更けていく。
(終)