日本国内に外資系制作会社が増加している理由
私の管理するキャステインググループNew Paradigm casting - The future of entertainment では海外案件だけでなく「外国人案件」のキャステイング情報を多く掲載しております。
その「外国人案件」とは多くの場合日本にいる外資系制作会社ーつまり外国人の制作スタッフの会社による制作案件です。多くは外資系の広告代理店、もしくは外国からの日本国内の制作案件を主に扱っています。
そうした外資系の制作会社は私が知っているだけでも既に10社を超えており、そしてその数はどんどん増えています。前にも話しましたが僅か5-6年前に某D通のプロデューサーが「日本に外国の制作会社など来ているはずがない、あっても少数だろ?」という発言をしましたが、私のキャステインググループの最近の案件をご覧になればおわかりになるように、最近は日本の会社の案件より「外国人案件」の方が多くなっています。
そして提示されるギャランテイ、は「外国人案件」の方がはるかにいいのです。(というより最近の日本の国内案件の方がひどすぎるのですが…)
日本人は言葉によるハードルが高いため、いまだに「外国人案件」と書いてあると引いてしまう人が少なくないようですが、はっきりいいます。そういう皆さんは間違いなく損をしています。
外国人、とりわけ欧米系の人たちはよくも悪くもビジネスという点が徹底しています。正直アメリカのSAG AFTRA標準まで行かないケースもありますが、それでもアルバイトよりも時給が悪いギャラで他人をこき使うことの多い日本の国内案件のような酷い案件はありません。正直「外国人案件」で仕事を一度やると日本の国内案件のような悪条件で仕事するのがアホらしくなるはずです。
まあそこまで今の日本の制作案件は酷い状況になっているわけですが、それではこうした外資系の制作会社、なぜこんなに増えているんでしょうか?
それは外資系の制作会社の案件をよく見ればわかります。
確かに映画の案件もありますが、実は大半がコマーシャル、商業関係の仕事です。
それなら電博のような広告代理店の方が強いだろ?とお考えの方もいるでしょうが、いやいやそれは昨今の広告マーケテイング事情が違うのです
以前も書きましたが、日本のコンテンツ制作、音楽も映像も殆どは国内市場をベースに制作されてきました。つまり宣伝も広告も全て国内向け、というのが大前提でした。
しかし世界の市場はグローバル化しています。特にWEB CMなどはグローバルマーケテイングを前提に制作され、全世界に向けて情報を発信する、というのが大前提となります。
ところがこのグローバルマーケテイング、どうやら日本の広告代理店、制作会社は苦手としているようです。そのため「世界に向けて」商品を販売、宣伝告知したい会社からすれば、日本の広告代理店の提案は残念ながら魅力あるものに見えない、というのが実態です。何よりもグローバルマーケテイングの世界標準のひな形を日本の制作会社の殆どが持っていない、というのが実態です。
最初は日本に来ている外資系の会社がグローバルマーケテイングを告知するのにそういった会社が専門でしたが、最近は日本の会社、とりわけ中小企業とかがこういう外資系制作会社に発注しています。
例えばスウエーデンのストックホルムの本社のある制作会社(その会社は東京とニューヨークに支店があり、まさにグローバル制作会社です)は日本の中小企業の職人的な技術力で機械製品を作る会社をCM制作し、その映像が海外に大きなインパクトを与え、今ではコロナにも関わらず海外からの注文が殺到している、という例があります。
日本人としてもこういう仕事をしてくれる会社はありがたいですね。
こういう会社、結構あるんです。マスコミが伝えないだけで、仕事をしていくとこういう現場をよくみかけます。そういう案件を当グループとしては多く掲載しています。
要するに「グローバルマーケテイング」では日本は世界から一歩も二歩も遅れているんですね。日本が後進国になっている原因の1つがそこにみることができます。
私が今水面下でコンテンツ制作、すごいことが起こりつつある、という一端はこういうことなのです。
そして撮影技術、CG VSX モーションキャプチャーといった技術もこれらの会社は世界標準レベルのスキルを有しています。
つまり外資系制作会社が増えている背景は
日本の広告代理店や制作会社と比べグローバルマーケテイングに長けている
世界水準の撮影映像スキル
海外の映像制作業界ともネットワークがある
これらがグローバルに製品を売りたい会社のニーズに合ったため、急速に業績を伸ばしている、というのが背景にあるようです。
この流れに乗らない手はないと思います。「外国人」とか「英語が苦手」とかいっている場合ではありません。役者さんもモデルさんも制作クルーも大きなチャンスが到来しているといっていいです。
また皆さんにお名前やプロフィールをご登録いただく必要がありますが、日本国内で頻繁にキャステイングコールを投稿している会社2社があります。グループの参加者はどの会社のことをいっているかお分かりだと思いますが、今後も引き続きグループとしても見つけ次第投稿します。
話はそれますが、先日とある記事で新日本プロレスの社長が停滞しているプロレス界に対して次の発言をしているのを聞いて、まさにその通りだと思ったので引用します。
「古い、遅い、固い、変化を嫌っている。今の日本と同じじゃないですか!」
https://www.tokyo-sports.co.jp/prores/njpw/4304954/
プロレスは詳しくないですがこのオーナーはよくわかってますね。芸能界も映画界も政財界でも日本が衰退したこの理由を理解できない人間が大多数なのが現状です。
私の管理するグループ New Paradigm casting - The future of entertainment はそういう道を歩まないようにします。
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