京島鉢日記|15. 街あるきスキャン日和
8:00起床、室温24度、曇り。
今日はすみだ向島EXPOの企画「U15ツアー」を実施。実施というかサポートというか、会場提供とお土産作りを全力で手伝った。去年のEXPOでは日記を書く以外に、京島を練り歩いて拾ったものでお土産を作るワークショップを行った。予約フォームも曖昧なスタートだったが、存在しないボウリング場やスカイツリーの木札などが生まれ良い時間となり、それに似たかたちでお手伝いすることになった。
今年は僕はツアーに同行せず、何十回何百回と街を案内してきた先輩方にお任せする。参加者である4名の小中学生が何を持ち帰ってくるのか、時間内に作り切ることができるのか。いただいたお弁当を早めに食べ、足りない資材の買い出しやお準備などでソワソワしつつ、あっという間にその時間はやってきた。
今日の鉢「石の上にもそりたちて」
今回のツアーでは印象に残ったたぬきのイラストを3Dプリントで押し出したり、写真をレーザーカッターで木材に加工したりしてお土産にした。道中で拾ってくる場合を想定して石への刻印なども試していたが、3Dプリントすることだってできるはずだ。飴を作って舐めるワークショップに影響を受けていることは言うまでもない。
iPhone 14 Pro とScaniverseというアプリで石をスキャン。机の上に置いたものをトリミングしてSTLとして書き出し、Meshlabに読み込む。手前から見て床下をざっくりカットしたのち、Rhinocerosに入れて円筒とのMeshbooleanなどを繰り返して完成した。
実物と横に並べてみると、なかなかどうして可愛らしい。印刷してから、新工芸舎の「のせもの」シリーズを思い出したが、あちらは石をそのまま活用しているし、仕上げの精度も段違いだ。手を動かしてみて初めて先人たちの素晴らしさに気づくこともまた、Learning by Doing という感じである。
何が出てくるのか、もしかしたら何も出てこない可能性すらある、そんなアドリブ感。時間にすると120分にも満たないが、脳と手先をフル回転して皆が暇にならないよう獅子奮迅の活躍を、それを自分で言っても良いくらいには満足してもらえたようだ。ファブはいつだって即興のそばにいる。