スクールソーシャルワーカー
また寒さの波が押してくる週となり、
ついにヒートテックを着るようになりました。
それでも、
例年よりは暖かいような気もしますが、
寒さが増すのはきっとこれからですね。
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どうぞ、ごゆるりとお過ごしください。
共育LIBRARYりょーやん、元教師です。
2024年10月31日。
不登校の小中学生が
34万人余りになったことが報道されました。
昨年よりも約4万人増加。
高校までを合わせると、
約41万人となっています。
そして、
今後もますます
不登校は増え続けるでしょう。
このような問題は、
もはや学校だけで
解決できるものではありません。
筆者自身の立場としては、
不登校の子こそが
時代の先をいく感性をもっていると考えていますが、
記事の趣旨上は、
解決、改善という立場でいきます。
そのことを踏まえ、
文部科学省が唱えているのが「チーム学校」。
これは、厳密に言えば
学校内で一致団結しようというものではなく、
学校という枠組みは取っ払って、
教育、福祉、医療、家庭、地域が
包括的なシステムとなるチームをつくるという
概念でもあります。
その中にスクールカウンセラーも
当然入っています。
そして、
スクールカウンセラーと同様に
重要な資源の1つとされているのが、
スクールソーシャルワーカーです。
今回は、
その役割を中心にまとめていきます。
何か参考になるものがあれば幸いです。
スクールソーシャルワーカーとは?
近年、
スクールカウンセラーと共に
認知されるようになってきた
スクールソーシャルワーカー(SSW)。
筆者は残念ながら、
スクールソーシャルワーカーと
一緒に仕事をする機会に恵まれなかったのですが、
配置されている学校は
増加しているようです。
スクールカウンセラーが
約3万校程度に配置されているとすると、
スクールソーシャルワーカーは、
約2万校程度。
このように増えてきたことで、
認知度も上がっているようです。
では、
スクールソーシャルワーカーとは、
具体的に何をするのか。
それは、
子どもを取り巻く人間関係や
家庭環境などの問題を解決していくこと。
ただし、
福祉的な観点から「環境」に働きかけるのが特徴です。
スクールカウンセラーとの違いが
分かりづらいかもですが、
あるソーシャルワーカーが、
スクールカウンセラーに
「我々に何を求めているか」
と質問をして返ってきた内容が
説明として分かりやすいので紹介します。
スクールカウンセラーが求めていたのは、
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・本人に同行して病院に行ってほしい
・保護者の経済上の悩みにのってほしい
・保護者にソーシャルスキルを教えてほしい
・スクールカウンセラーは短期的な関わりに
なるため継続して関われるような仕組みを
整えてほしい
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
などなど、でした。
貧困、ヤングケアラーの問題などは、
まさにスクールソーシャルワーカーの守備範囲であり、
とにかく、
福祉や支援を受けることができる
社会的リソースと連携・調整し、
ネットワークを構築していくことが
主たる仕事であると言えます。
「お弁当がない子どもがいるから『こちらで作る』のではなく、『お母さんがお弁当をつくれる』状況をつくること」
と言っていた
スクールソーシャルワーカーの言葉が
分かりやすかったです。
近年では、
家庭訪問を行わなくなった学校が
増えているので、
スクールソーシャルワーカーが
その役割を担う場合もあります。
朝の時間帯に、
市の福祉部門から支援員が家庭訪問し、
朝食の準備や家事の補助をするように
取り計らうのも仕事の具体例と言えます。
他にも、
虐待の問題、
精神疾患の家族の問題、
家庭内の介護の問題まで含めて、
家庭の事情に介入していける役割であると言えそうです。
児童相談所ワーカー、
福祉事務所ワーカー、
医療機関ワーカー、
司法福祉専門職、
家庭児童相談員、
民生委員や児童委員など、
たくさんの社会的リソースと
つなげる力をもっているのですね。
海外のスクールソーシャルワーカー
もともと、
スクールソーシャルワーカーという概念自体、
海外から入ってきたものです。
海外では、
スクールソーシャルワーカーは
どのような問題を取り扱っているのでしょうか。
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【アメリカ】
・反社会的、攻撃的行動
・児童虐待
・離婚、別居
・薬物乱用
・妊娠
・学業の失敗
・経済的問題、貧困
・特別支援教育
・ホームレスの生徒
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この他にもカナダの事例もありましたが、
大方はアメリカと同じような問題を取り扱っているようです。
業務としては、
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・子どもと家庭への直接的援助
・学校職員とのケース会議
・学校外での連携と協力
・予防プログラムの提供(授業)
・教職、地域住民への研修
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などが含まれます。
やはり、
スクールカウンセラーは
心の問題を中心とするソフト面の支援、
スクールソーシャルワーカーは、
実生活を中心とする
ハード面の支援を行うことは
共通しているようです。
日本に比べ、
ホームレス、薬物乱用などがありますが、
日本は代わりに、
不登校の子どもの家庭をどうするのかが
非常に大きな課題であると言えそうです。
東日本大震災でのSSWの役割
スクールソーシャルワーカーが、
特殊なケースながらも大きな力になったのが、
東日本大震災のような災害時であったと言えます。
震災の規模や被害が
大きければ大きいほど、
「学校」や「子ども」を取り巻く問題は
大きくなります。
震災によって孤児となってしまった子ども。
そういった子どもに
里親制度を活用したり、
生活をどうしたりするかを支援していく。
被災者の転入の支援。
被災後に他市や他県に移動した家族に、
情報や物資の支援を行う。
震災によって経済的に困窮し、
進学を諦めようとしている家庭に、
被災者の授業料免除や
特別奨学金制度を紹介し、
一緒に進路を考える。
被災者への支援者が、
燃え尽き症候群になってしまうのを防ぐため
支援者の支援をする。
支援者の支援は、
心理士も行いますし、
災害によるトラウマのケアや
親族を失ってしまった喪失へのケアも行いますが、
そういった人たちが
協力し合って、
被災地での支援にあたっていたようです。
筆者は当時は全然知りませんでしたが、
すごく大事な役割を担っていると思います。
本当の地域援助とは?
フルサービス・コミュニティ・スクールという
考えがあります。
アメリカやイギリスで実践されているものです。
年中無休の
ワンストップサービスセンターの役割を担い、
質の高い教育も提供する公的学校のこと。
教育と福祉が連携し、
子どもを地域全体で支えることを前提にした体制です。
保健医療サービス、
発達プログラム、
家族サービス、
保育等のサービス、
放課後プログラム、
ソーシャルワーカーによる
ケースマネジメントなどが
一体化して提供されている学校。
健康診断も行えるし、
スポーツやレクリエーションも行える。
就労支援、居住支援、食事提供も受けれるし、
育児のサポートも受けることができる。
失業や経済的困窮、
家庭崩壊などを抱える家庭を中心に、
成果を上げているようです。
このように、
日本だけでなく世界各国でも、
もはや
子どもの問題は
学校だけで解決する問題ではなくなってきています。
心理士や
スクールソーシャルワーカーが
いくら直接支援をしても、
支援の数は絶対的に足りない。
ならば、
地域の問題解決能力そのものを
高めていくしかない。
これが、本当の地域援助です。
現代は、
SNSを中心に心の問題に注目し、
人間のメンタルについて学び、
自己調整する人が増えていっています。
これも、一種の、
地域援助だと筆者は考えています。
精神科医や心理士が中心となって
心理教育を行い、
段々とそれがたくさんの人に広がっていく。
スクールソーシャルワーカーのような
福祉につなげる仕組みや支援を理解し、
手伝える人が増えていく。
すると、
地域や、市町村、都道府県、
国全体の問題解決能力が上がっていくのではないでしょうか。
それは、
国民1人1人の問題解決能力が
上がっていくから。
そのような観点も、
これからより必要になってくると思っています。
まとめ
スクールカウンセラーと共に、
スクールソーシャルワーカーの存在は
これからもっと重要なものになってくるでしょう。
子どもが学校に行かなくなった場合、
では次にどうするのか、
他に何のサービスが利用できるのかを
しっかり説明できる教師はおそらく少ないでしょう。
だからこそ、
スクールソーシャルワーカーのような人が、
実際に支援しながらも、
教職員に研修やレクチャーをし、
支援の輪を広げていくしかないですね。
これからも、
学び続けていきたいです。
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共育LIBRARYりょーやん元教師