夏休み短縮化議論、この先どうなる?
筆者の地域では9月から新学期スタートですが、
岐阜県では既に2学期がスタートしているようです。
地域によって、
夏休みの開始、
終了時期が異なりますね。
この台風と雨の中、
学校があるところは大変だな~💦
共育LIBRARYへようこそおいでくださいました✨
教育、人間、人生など、様々な「知恵」や「情報」が詰まった図書館のような、皆さんがくつろぎ、人生の「気付き」を得たり、知的好奇心を満たしたりできる居場所を目指しています😌
どうぞ、ごゆるりとお過ごしください。
共育LIBRARYりょーやん、元教師です。
「夏休みは今より短い方がよい」
そんな声がニュースで
取り上げられるようになりましたね。
これは主に一人親家庭の親御さんの
夏休みに対して抱いている思いの
アンケート結果のようです。
現在はマイノリティーの意見を尊重する
傾向が強くなってきている社会です。
もちろん、それは悪いことではありません。
ただ、「多様性」という言葉を強く捉え、
「マイノリティーの意見を大切にする」
方向に偏って解釈してしまうと、
それは「多様な意見を認める」という、
多様性の真逆を行ってしまいます。
夏休みももうじき終わるということで、
来年以降変わっていくのかという視点で
「夏休み論」についてふれる記事にしていきます。
楽しんでいただけるとうれしいです。
一人親家庭のリアル
まず、アンケート結果です。
夏休みは「なくて良い」が13%、
「短い方がよい」は47%。
短縮を望むという括りでは
60%。
これは、
家庭全般へのアンケートではなく、
困窮子育て世帯へのアンケートです。
短縮方向を望む理由としては、
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・生活費がかかる・・・78%
・給食がなく、
昼食準備に手間や時間がかかる・・・76%
・特別な経験をさせる
経済的余裕がない・・・74%
・給食がなく、必要な栄養がとれない・・・68%
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
などなど。
半数以上の家庭が、
夏休みにどこかに出かける予定はないと答えたそうです。
この結果を見て、
「では、夏休みを短縮しよう!」
というのは、
あまりにも短絡的。
このアンケートに回答した方の想いは、
「困っているから助けてほしい」
というものが反映された結果であるはず。
筆者も、数々の
一人親子育て家庭の親御さんと
会ってきています。
放課後デイサービスを
利用している家庭の中には、
お母さん一人で2人の子どもを育てている方もいます。
しかも、発達凸凹があり、
学校側の対応に色々と不適当なこともあって
度々学校に呼ばれていました。
当然、仕事をその都度休んで、です。
子どもが体調不良になることもある。
それに加えて、
学校側からの呼び出しにより、
さらに仕事を休まなくてはならない。
その学校も、
かなり人手不足感はありますが、
さすがに対応が不適切な部分が多いなと
外から見ていて感じます。
そして、子どもが
学校でため込んだストレスは
家で発散されることもある。
それが平日の様子なのですから、
より子どもが家に滞在する時間が長ければ、
もっとしんどくなるのは明らか。
この家庭は福祉サービスを使ってますが、
月に10~15日程度であり、
平日より忙しくなることは間違いありません。
もし、近くに、
親戚などの協力者がいなければ、
相当立ち行かなくなるはずです。
だからこそ、
本当に困っているのだなということは
ひしひしと伝わってきます。
ただ、
多角的に見なければなりませんので、
学校側の事情も考えていきます。
夏休み短縮は法律違反!?
少し、過激な見出しをつけましたが、
あながち間違っていないと思います。
学校の教員にも当然、
有給休暇が存在します。
それに加え、
夏休みのような長期休暇に対する、
若干のプラスの休暇もあります。
もし、夏休みを短縮するとしたら、
その休暇取得の権利は
いつ使うのかという問題が生じてきます。
ご存知の通り、
教員は平日に有給休暇は取れません。
正確には取れますが、
学級担任の場合は
全てを誰かに預けなくてはならなくなります。
教員は現在、
人手不足でどの学校もかつかつの状態です。
そんな中、
特別な用事もないのに
「明日有給取ります」
なんてことはとても言えない。
そして、
平日に有給を取得するのならば、
その分の授業で使うプリントや資料を用意し
担当してくださる先生に
お願いしなければなりません。
戻ってきたら、
子どもたちが取り組んだプリントなどの
チェックも加わってきます。
要するに、
仕事がかなり増えることになるのです。
さらに、
教員は平日に「休憩」というものがありません。
通常なら休憩とされる時間も、
給食指導をしているのですから、
休憩時間はないと言えるでしょう。
ということは、
1日45分だとして、
年間約200日。
45分×200=150時間
は、教師のライフポイントを削って
働いていることになります。
1日8時間労働で換算すると、
約20日分です。
ただでさえ、
法律を破って働かせているのですから、
夏休みはしっかり担保してあげなければ、
先生たちはもっと倒れてしまいます。
そして、
この手の話題で置き去りになるのは、
子ども自身ですね。
子どもにはゆとりが必要!
ただでさえ、
遊び方に関する規制があり
どんどん子どもらしくいられる場所が少なくなっている令和。
夏休みぐらい、
長期で取らなくてはどうするのかと感じます。
基本的に、
ゆとりがなくなればなくなるほど、
子どもは「子どもらしい時間」を味わい切れずに
大人になっていきます。
そのような子たちは、
「歪み」が生まれ、
味わえなかった分をどこかで取り戻そうとする。
結果として、
大人になってから問題が生じてしまい、
却って日本の労働力は低下することになるでしょう。
確かに、
家庭によって出かけることができるかに、
違いが出るのは可哀そうだと感じます。
それならば、
地域でイベントを開催して
楽しませる場所をつくってあげる方向に
もっていった方がいい。
そもそもこの暑さなのですから、
夏休みを短縮して
子どもに何かあった場合は、
誰に責任を取らせるのかと感じます。
また教員・・・?
それならば、
教員になりたい人はもっと減少していくでしょう。
ならば、どうするか?
夏休み短縮を望むアンケートのニュースでは、
同時に、宿題カフェのような場所が
紹介されていました。
食事つきで、
週1回子どもたちを預かり、
宿題を見てくれるという取り組み。
NPO団体が起ち上げて、
ボランティアで行っている様子でした。
主に、
退職した方がスタッフが務めており、
「子どもから活力をもらえる」
と活き活きしている表情。
NPOの主催者も、
「地域の人とつながれることによって、多くの大人と知り合うことができ、子どもたちの安心が増える」
と言っていました。
それはその通りだと思います。
NPOを起ち上げる行動力がある人は稀でも、
あるなら参加したいという方は、
潜在的に結構いるはず。
起ち上げは市町村が先導し、
そのような地域の方々の
力を借りたいですね。
筆者の地域では、
学童保育以外に、
教員以外の方々が
子ども預かる施設が各学校にあります。
平日の授業後も、
お迎えが来るまでは過ごすことができるところです。
そういったサービスを併用して、
子育て困窮家庭を支援し、
教員、子どもに「歪み」が行かないように、
していってほしい。
一方で、
ボランティアなどの活動に従事できる人が
日本全体で減っているという話もあります。
その辺りの裏どりをしながら、
考えていくことも必要ですね。
まとめ
最近の気候の変化を見ていると、
これからも夏はますます暑くなっていくかもしれません。
そう考えると、
夏休みを短縮するのは、
子どもの身を守るという視点でみて
逆行している考えだとも捉えられます。
まあ、さすがに、
そのようなことは十分わかっていると思うので、
短縮することはないと思っていますが、
(これで短縮したら呆れてしまいます・・・)
何が起こるか分からない令和なので、
多角的にみることを大事に、
これからも注意深く観察していきたいです。
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共育LIBRARYりょーやん元教師