スモールビジネスならぬスモールスクールの時代
本日11月16日は、
いいビールの日なのだそうな。
というわけで1杯!
やり切った後のビールは効くぜ・・・!
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教育、人間、人生など、様々な「知恵」や「情報」が詰まった図書館のような、皆さんがくつろぎ、人生の「気付き」を得たり、知的好奇心を満たしたりできる居場所を目指しています😌
どうぞ、ごゆるりとお過ごしください。
共育LIBRARYりょーやん、元教師です。
事業を大きく拡大しよう!
大人数であることに価値がある!
そういった価値観の時代は
終焉を迎えようとしています。
本当の本当に基盤を固めている大企業以外は、
大きく広げていくことは
危険とされる時代。
時代の変化があまりに急速なため、
すぐに撤退できる
小回りのきく立ち回りを
求められる時代とも言えます。
それは、
学校教育も同じ。
明治時代以降の
軍事国家、同質の人間をつくり出すことを
主眼においた公立学校のシステムにおいては、
国家が管理をして均一な教育を行う時代だった。
しかし、
ビジネス界がそうであるように、
時代の変化に早急、柔軟に対応できるような
スモールスクールの重要性が
高まってきています。
今回は
学校をスモール化することの
様々な側面にスポットライトをあてる
記事にしていきます。
楽しんでもらえたら幸いです。
集団の適性人数は?
さて、
民主主義が機能するためには、
ある程度少人数である必要があると言われます。
学校も同様に、
集団というものには
適性人数というものが存在する。
人類学者が提唱した
ダンバー数という集団の適性規模の尺度では、
学校の規模は
大体150人程度が適性であるようです。
子どもの保護者も含め、
各々の顔ぶれをそれぞれが大体把握しており、
教師と子どもの関係も、
家庭的で親密なものになりやすくなります。
大体、1学年25人ぐらいでしょうか。
この数を超えると、
団結や安定、安心を維持するためには、
拘束性のある規則や
強制的なノルマが必要になると言われます。
校則によって、
集団のルールを厳しく統一せざるを
得なくなるということです。
もちろん、
子どもたちに話し合わせるといった、
自治的な運営をして
強制感をなくすことは可能ですが、
700~1000人単位の学校では、
それを行うのは、
膨大な時間がかかる。
それぐらいの規模の学校は、
体育館に全校児童を移動させるだけで
10分、15分取られてしまったりするし、
体育館も人数が収まりきらず、
体育館外まで子どもが飛び出している状態なので。
筆者の最初の勤務校はそうでした。
しかし、
少子化がさらに進むこれからは、
小規模化していかざるを得ないでしょう。
そして、
スモールスクール化していくことは
そう悪いことばかりではないかもしれません。
その理由を見ていきます。
スモールスクールの利点
スモールスクールでは、
以下のようなメリットがあると考えられます。
▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢
❶自己効力感が高まる
❷自己肯定感が高まる
❸社会性が高まる
❹主体性が高まる
▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢
順々に見ていきます。
❶自己効力感が高まる
自己効力感をざっくり言ってしまえば、
「自分は役に立てる」という感覚であると言えます。
さて、
1クラス30人の学級と、
1クラス10人の学級、
どちらの方がリーダーを多く経験させてもらえるでしょうか。
それは、
間違いなく10人学級です。
フィンランドは
本当に子どもたち一人ひとりを大切にします。
ただ、それはフィンランドが小さい国で、
子どもたちを本当の意味で大切にし、
一人残らず社会参画してもらわなければ、
国を維持していくことが難しいと
分かっているからこそ、
教育に熱を入れるのです。
わずか10人で学級の運営を回していくには、
本当の意味で一人ひとりの力が必要です。
一人ひとりに
重要なポジションが与えられますし、
本当の意味で誰も欠けてはいけない状態に
近づいていくはずです。
常に誰かに必要とされている感覚。
自分が活躍する場を常に用意されている感覚は、
自己効力感を高めてくれるでしょう。
実践できる機会が圧倒的に多いので、
実行力のある子どもが育っていくはずです。
❷自己肯定感が高まる
さらに極端な例を提示してみますが、
30人の学級と
3人の学級に所属している場合、
どちらの方が他者と比べないで済むでしょうか。
30人いる場合は、
集団を維持していくために、
どうしても基準を設けたり、
テストのような指標が必要とされます。
自分が図工が得意だったとしても、
学級には上位の人間が大体存在する。
すると、
自分は集団の中でこれぐらいのレベルというのを
刷り込まれて育つことになります。
対して、
3人だった場合はどうでしょうか。
そして、その3人が、
1人が図工が得意で、
1人は音楽が得意で、
1人は算数が得意だったなら?
おそらく、
それぞれの長所をすごいと捉え、
比較することは少なくなり
よいところを伸び伸びをのばしていく時間が
増えていくはずです。
人と比較することが習慣化されていなければ、
自己肯定感は高くなっていくでしょう。
❸社会性が高まる
よく、人数が小規模化すると
社会性が低くなるという意見がありますが、
それは一概にそうとは言えません。
そもそも、
家で親と勉強をする
ホームスクールの子どもの方が、
一般的な公立学校に通う子どもたちよりも
社会性の指標が高かったという調査もあります。
さらに、
小規模の学校であれば、
異年齢集団で活動することが
ベースになっていきます。
休み時間、
プロジェクトの活動、
行事などなど。
ことある度に異年齢でチームを組むことができる。
異年齢集団のよいところは、
競争的な部分が弱くなり
お互いに育て合う部分が強くなることです。
そもそも、相手の年齢が違うのですから
張り合おうとすら思わず、
如何にして、
自分がこの子たちを生かしていくのかを
上級生は学ぶことでしょう。
社会に出たら異年齢集団が基本ですので、
社会によりマッチングした形で
社会性やコミュニケーション能力が
形成されていくと考えられます。
❹主体性が高まる
先の章で紹介したような、
全校で集まって校則を決めるような取り組みは、
小規模の集団であれば、
子どもたちにも委託しやすくなります。
教師⇔子どもという区分ではなく、
学校の共同運営者という意味合いが
より強くなるでしょう。
学校行事だって
子どもの意見が反映しやすくなりますし、
修学旅行だって
子どもと一緒にプランを考えていくかもしれません。
そうなると、
自分たちの意見が反映しやすくなるし、
自治する部分が増えてくるので
より主体性は高まっていくと考えられます。
さて、
こういったスモールスクールというものは、
果たして実現されていくのでしょうか。
スモールスクールの実現性
箕面子どもの森学園。
きのくに子どもの村教育。
世界各国のスモールスクール。
海外や公立学校以外の部分で
スモールスクールが少しずつ増えていますが、
これから先、
そういったスクールは増えていくのでしょうか。
筆者の考えは、
増えてはいくだろうが、
公立のシステムは残る部分が大きいというのが、
率直な考えです。
日本の出生数は、
人口減少対策総合研究所理事長の
河合雅司氏によると、
平均で、年ごとに
マイナス4.54%の割合で
減少をしています。
2030年は52.5万人、
2040年は33万人になると
推計されています。
出生数減少の1番の要因は、
婚姻数の減少でも、
出生率の変化でもなく、
子どもを産むことができる女性の
母体数の減少です。
よって、
少子化が止まることはないでしょう。
そうなると、
強制的にスモールスクール化になります。
ただ、
教員数はそこまで一気に減少しないので、
教員あまりの状態がいずれ訪れる。
その時に、
学校をむやみに統廃合せずに
スモールスクール化して手厚く教育していくのも1つ。
公立学校独立行政法人化して、
各学校にカリキュラムまで含めた
運営を任せてしまうのも1つ。
不登校特例校のように、
多種多様な特例校をもっとつくってしまうのも1つ。
公立学校以外の
オルタナティブなスクールも必要。
ただ、子どもの数に対して、
学校過多になることが想定されるので、
運営費が必要になるスクールは、
なかなか増加しづらいかもしれません。
しかし、
「学校」という既成概念自体を壊さなければ
次のステージに行けないのも事実。
どの道、
スモールスクールになっていくのは確定ですが、
それを公立で行うのか、
オルタナティブなスクールを増やすのかは、
ちょっと流れが読みづらい。
学校教員の雇用を守るなら、
公立学校を残しつつ、
運営スタイルの裁量をもっと
各々の学校に任せていくこともあり得そうです。
まとめ
キューブラ―・ロスが唱える
「死の受容モデル」における人間の心理段階は、
否認 → 怒り → 取引 → 抑うつ → 受容
となっています。
人間が自分の死を受け入れる過程です。
少子化については、
様々悲観的な意見も多く聞きますが、
筆者はこの感覚に近いと思っています。
「受容」にたどり着くまでは
様々葛藤がありますが、
受け入れ切ってしまえば、
新たに希望が生まれる。
強制的に
社会システムが変わらざるを得ないなら、
どう変わるかを考える方にシフトしていく。
そう考えています。
スモールスクールも、
今までの公立学校が
制度疲労を起こしている部分を
修正できるチャンスでもある。
長期的にみる視点と
適度な楽観性をもてるよう心掛けて、
「これから」を考えていきたいです。
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