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人間本来の「甘み」を出すためには

現在の勤めている療育施設は、
1対1で運動療育を行っています。

子どものやりたい運動に合わせ
ある程度自由に展開できるので、

その子の好きなアニメに則した
闘いごっこに発展したりします。

先日、「虚式 茈」を放たれ
見事に敗北しました。

五条悟、強すぎます笑


共育LIBRARYへようこそおいでくださいました✨

教育、人間、人生など、様々な「知恵」や「情報」が詰まった図書館のような、皆さんがくつろぎ、人生の「気付き」を得たり、知的好奇心を満たしたりできる居場所を目指しています😌

どうぞ、ごゆるりとお過ごしください。

共育LIBRARYりょーやん、元教師です。


スーパーに並ぶ
様々な野菜や果物。

どれも、
きれいな形をしているものばかりで
完成された規格品がずらりと並んでいます。

一方で、
農作物の中には
規格されたサイズや形ではない作物も
当然生まれます。

そういった作物は、
店頭に並べられて
日の光が当たることはありません。

本来なら、
どんな作物だって
愛すべき存在であるはず
なのに、です。

これで本当に良いのでしょうか。

農業従事者の減少。
空き家や休耕田といった荒廃の問題。

そのような問題や農作物の在り方を含め、
今、新しい農業の形が注目されています。

それは
耕さない、
自然の本来の生命力をそのまま生かす
農業。

そういった取り組みを見ていると
教育や人間の在り方にも
共通するものが見えてくる。

今回は、
そんな一風変わった視点から
「人間」を切り取る記事にしていきます。

楽しんでもらえると幸いです。



2年間腐らないリンゴ

もう15年以上前になりますが、
『奇跡のリンゴ』というある農家の取り組みが
注目を集めました。

そのリンゴを生み出したのが
りんご農家である木村秋則さん。

木村さんが生産するリンゴは、
通常のリンゴよりも形が歪です。

しかし、
一度それを口にすると
自然と目から涙が溢れてくる感動
味わうことができる。

通常のリンゴとは
比べものにならないぐらい甘みがあり、
食べた人の中には、

「全身の細胞が喜んでいるとはこういうことなのか」

と表現する人がいるそうです。

おまけに、
2年間経っても腐らないものもあるのだとか・・・。

そんな木村さんが作るリンゴは、
農薬ゼロ、肥料ゼロで作られます。

リンゴという作物は、
一際ケアが必要で、
農薬がなければ農業としてやっていくことは
不可能と言われていた。

普通の野菜の栽培に比べると
難易度が桁違いで
最も難しい作物なのだそうです。

それでも、
ふとしたことをきっかけに
無農薬でリンゴを作るという

誰もやらなかった領域に
足を踏み出した木村さん。

7年以上の歳月をかけて、
何度も何度もチャレンジをする。

財産も全て使い果たし、
農業の傍ら夜間は繁華街で働いて家族を養い、

最後には自殺を決意し、
ロープをもって山に入っていきます。

そして、
「その時」を迎えようとした時に、
ふと山にあるどんぐり見て

「なぜどんぐりは、全く人の手を借りずに立派に実ることができるのか」

という気付きを得ます。

そこから山の土を研究し、
見事にリンゴを実らせることに成功するのです。

木村さんの農園では
一体何が起こっていたのでしょうか。


何が生命を弱くするのか

木村さんがたどり着いた答えは、
土を強くするために
様々な雑草を同居させるということ。
自然の山のように。

すると、
土が豊かになっていき、
リンゴの木が地中深くに
根を張る
ようになっていったのだそうです。

土づくりの試みを始めてからも、
害虫が大量に発生する時期はしばらく続きました。

しかし、2~3年すると、
害虫の数が一定に押さえられるように
なっていったそうです。

自然界の生き物の綱引きが
何度も行われることにより、

畑の生物相は豊かに
多種多様な生き物が棲むようになる。

すると畑の生態系は、
より弾力のある安定を獲得していくようです。

また、リンゴの木は
斑点落葉病や黒星病といった、

一度なると木全体が浸食されてしまう
やっかいな病気が存在します。

しかし、
土づくりを始めてからは、
そのような病になっても

少数の葉が病になる程度で
広がりが留まる
ようになったのです。

木村さんは言います。

農薬を使っていると、
リンゴの木が病気や虫と
戦う力を衰えさせてしまうのさ。
楽をするからいけないんだと思う。
クルマばっかり乗っていると、
足腰が弱くなるでしょう。
同じことが起きるわけ。

また、
化学肥料であれ、有機肥料であれ、
リンゴに余分な栄養を与えることは
リンゴに害虫を集める1つの原因
になるのだと言います。

肥料を与えることで、
地中深くに根を張らなくなり、
結果としてリンゴの木は弱くなる

すると、
害虫に食べられてもびくともしないはずの
本来の生命力が弱まってしまうというのです。

この現象を木村さんは、

「運動もしないのに栄養ばかり与えられる子どものようなもの」

と表現をしました。

子どもに余分な栄養を与え過ぎるのも、
清潔さを与え過ぎるのも、
子どもの生命力を弱くする。

自分一人で地中深くに根を張り、
逞しく生きていく人間とはどのような姿なのか
木村さんの取り組みが教えてくれるような気がします。

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