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統計を活用せよ。そして信じすぎるな。
新たな1週間が
また始まりましたね!
2024年も残り約2週間。
気持ちよく仕事納めを迎えることを
視野に入れ、
残り2週間を設計していきたいですね。
共育LIBRARYへようこそおいでくださいました✨
教育、人間、人生など、様々な「知恵」や「情報」が詰まった図書館のような、皆さんがくつろぎ、人生の「気付き」を得たり、知的好奇心を満たしたりできる居場所を目指しています😌
どうぞ、ごゆるりとお過ごしください。
共育LIBRARYりょーやん、元教師です。
SNS、多種多様なメディアが乱立する
大量情報化社会。
情報が多くなると、
「SNSでは〇〇と言っていた」
というような、
「また聞き」のような情報が
蔓延することになります。
そうなると、
何が真実なのかが分からなくなる。
そのような中で役立つのが、統計。
いわゆるエビデンスです。
「調査によると〇%の人が・・・」
という、
明確な根拠を用いて
主張することの大切さが、
大分浸透するようになってきています。
ただ、
統計やエビデンスを妄信し過ぎるのも危険です。
その辺りのバランスは
どのようにとっていけばよいのか。
そのような視点を用いながらの
記事にしていきます。
楽しんでいただけると幸いです。
ファクトフルネス
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『ファクトフルネス』という本を
ご存知でしょうか。
ベストセラーになり、
かなり著名な書籍となっているので
聞いたことがあったり、
読んだことがあったりする人は
結構いるのではないでしょうか。
その書籍の中には、人間は
「ドラマチック過ぎる世界の見方」
をもっているが故に、
正常な判断を難しくしていることを
様々な調査を用いて主張しています。
「世界はどのように変化していると思いますか?」
という問に対して、
「どんどん悪くなっている」と答えた人の割合は、
非常に多い。
トルコ、メキシコ、ベルギー、韓国、イタリア、
フランス、南アフリカ、ブラジル、スペイン・・・
先進国を含めた国々も、
軒並み70%以上の人々が
「どんどん悪くなっている」
と選択しています。
福祉国家である
フィンランドやスウェーデン、
そして日本でも
過半数を超える人が
悪くなっている方を選択しているのです。
そんな人々の偏った考えに対し、
『ファクトフルネス』の著書では
1つ1つの根拠を示しながら、
実は世界はどんどん良くなっていることを
訴えています。
極度の貧困率の低下。
平均寿命の伸び。
その他にも減り続けていることとして、
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・飛行機事故の数
・児童労働
・核兵器
・飢餓
・HIV感染
・乳幼児の死亡率
・戦争や紛争の犠牲者
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
などが挙げられています。
また、
増え続けていることに関しては、
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
・女子教育
・絶滅危惧種の保全
・電気の利用
・安全な飲料水
・識字率
・農作物の収穫
・自然保護
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
などが列挙されている。
それも、全て、
データをグラフ化した状態で、です。
それにしても、
なぜ人間は世界が悪くなっていると
捉えてしまうのでしょうか。
偏る人間の本能
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『ファクトフルネス』の本の中では、
人間の様々な脳の偏りが説明されています。
物事をネガティブに捉えてしまう
ネガティブ本能をはじめとして
ひとつの実例を重要視しすぎてしまう
「過大視本能」。
「世界の貧富の差は絶対埋めることはできない」
「人間は争いをやめることができない」
といった絶対に変われないと信じる
「宿命本能」。
「これさえ解決すれば現状は良くなる」
のような、
物事をシンプルに考え過ぎてしまう
「単純化本能」。
「格差を解決すれば平等になる」
といった捉え方ですね。
また、
何か矛盾を感じることや
納得できないことに遭遇したときに、
すぐに単純明快な理由を求めようとする
「犯人捜し本能」。
などなどです。
「日本の現状が良くないのは、政治が悪いからだ」
といった犯人捜しの本能です。
(この意見の是非はここでは置いておきます)
ただ、筆者は、
この『ファクトフルネス』の本を読んで、
「この本の著者の意見も偏ってるんじゃない?」
とも感じてしまいました。
世界が良くなっていても、
人々の幸福度は上がっていないかもしれません。
幸福度をはかる方法というものは
どこまでいっても抽象的です。
統計的にみて
尋ねるのに有効ある項目を絞ったとしても、
「幸福」の定義は人それぞれなので、
真の意味での幸福度ははかれない。
ということは、
誰も真の意味で世界が良くなっているとは、
言えないのかもしれない。
著者自身の
「世界はどんどん良くなっており、人々は勘違いをしている」
という主張を強調したいがために、
都合のよい証拠ばかりを集めてきているかもしれない。
これを「確証バイアス」と言います。
質問に答える調査を行った場合、
回答者が自分をよりよく見せようと
本心とは違う選択するという、
「回答バイアス」もあります。
このような知識も含め、
統計やデータというものを
慎重に吟味する力をもっておくことは、
決してこれからの時代は損ではないと思います。
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