ADHD当事者にとって厄介なのがこれ。アンビバレント。
最近、図書館に行く楽しみを覚え始めました。
タイトルを見ているだけで、
人を惹き付けるタイトルの付け方が勉強になるし、
自身の偏っていた興味関心を広げ、
「このジャンルもあったか!」
みたいな発見を与えてくれます。
眺めるだけでも、
楽しめますね♪
共育LIBRARYへようこそおいでくださいました✨
教育、人間、人生など、様々な「知恵」や「情報」が詰まった図書館のような、皆さんがくつろぎ、人生の「気付き」を得たり、知的好奇心を満たしたりできる居場所を目指しています😌
どうぞ、ごゆるりとお過ごしください。
共育LIBRARYりょーやん、元教師です。
ADHDという言葉を
聞いたことがない人は、
ほとんどいなくなってきていると思える
昨今の世の中。
忘れ物が多い。
時間管理が苦手。
何かに気を取られてしまいがち。
何かを動かしていないと落ち着かない。
そういった特性は
大分認知されてきたように思えます。
自分の特性を自覚する人も増えており、
周囲の理解度はこれからも上がり続ける。
ならば、
対策をしっかりすれば、
ADHDの人は
これから先は相当生きやすくなるのでは?
そう思う部分がある一方で、
ことはそう単純ではないと思わされる
ADHDの厄介とも言える特性が存在します。
それが、
「アンビバレント」
です。
筆者は、
特性をもつ子どもを指導し、
自分自身も当事者ということで
様々なライフハックを施してきた身ですが、
このアンビバレントは、
なかなかのじゃじゃ馬でてこずっています。
今回は久しぶりに、
ADHD当事者としての立場から
特性に関する内容をまとめていきます。
何か役に立つ内容があれば幸いです。
ADHDの主たる特性
まずは、従来あげてきた特性を
非常に簡単に確認します。
ADHDの主たる症状は、
衝動性、多動性、不注意です。
全部ある人もいれば、
一部ある人もいる。
さらに過去の記事では
以下のような自身の特性を紹介しています。
・止まったら寝てしまう
・思い立ったら即行動
・管理が苦手
・ながら作業大好き
・追い込むと火が点く
などなど。
程よい緊張でノルアドレナリンを出させること。
報酬や動き、活動によって
ドーパミンを分泌させることなどが、
支援や対策の原則だったりします。
さて、
上記のことは
ある程度ADHDを分析してきて
それぞれ対策を練っているのですが、
対策をいくら練ったとしても、
それが無効化してしまう事態が発生します。
その原因が、
「アンビバレント」
です。
アンビバレントとは、
何もADHDの特性のことではなく、
「両価性」という意味をもつ言葉です。
つまり、
異なる、矛盾する、相反する性質を
同居させていることを指します。
これこそが、
ADHDの特性を
操縦困難なじゃじゃ馬にさせている
原因だとつくづく思います。
それでは、
どんなアンビバレントを備えているかを
10個ほど紹介していきますね。
アンビバレント10選
本当はもっとありますが、
10個に絞ります。
10個もあると大変ですので、
1個1個を簡潔に説明していきますね。
❶集中力に欠ける ⇔ 過集中
分かりやすいアンビバレントの代表格です。
ADHDは不注意と言われるぐらいですから、
話している途中に、
いつの間にか上の空になってしまい
「聞いているのか!」
と注意されてしまいます。
しかし、
これまで過去の記事で説明しましたが、
過集中というマリオのスター状態をもっており、
ドツボにハマると驚異的な集中力を見せます。
よって、
「あれだけ集中できるのに、これはやる気ないのかよ!」
と、誤解される事態が生じるのですね。
❷方向性ロスト ⇔ 先を見通す先見性
あっちへこっちへ気が散り、
目先のことを優先してしまい
なかなか方向性が定まらないADHD。
しかし、
世のほとんどの起業家は
ADHDの特性をもっています。
つまり、
世の中の流れを読み、
未来を見通すことは常人よりも得意なのです。
「普段はひっちゃかめっちゃかなのに、突然見事な先見性ある意見をもってくる」
そんな姿を見ている周囲は、
予測不可能な人物として
ADHDを見てしまうかもしれません。
❸先延ばし ⇔ 計画の鬼
ADHDは、目先の楽なことや
快感を覚えることを優先してしまい、
計画性がないと言われがちです。
でも違うんです。
スイッチが入り覚醒すると、
普通の人よりも遥かに緻密で、
遥かに核心をついた計画を立てることができます。
筆者も
最初はメモをとってもとっても
忘れるレベルだったのが、
手帳術を研究しまくることで、
「困った人はこの人に聞こう」
と、逆に周囲が
予定を聞いてくるようになりました。
自分以外の役職の様々な視点から、
それぞれの予定を分析し、
それを1冊の手帳にまとめていたので、
誰に聞かれても、
大抵のことはすぐに調べて
答えることができたからです。
かといって、
プライベートはと言うと、
相変わらず時間ぎりぎりで行動をしている。
「どっちが本当のお前やねん!」
と言われそうですが、
どっちも本当の自分なんです。笑
❹気前がよい ⇔ 援助が嫌い
ADHDは最高に気前がよい性質をもちます。
何か助けを求めている人がいれば、
全力でそれに応えるのがADHDです。
自分がもてるものを
何でも分け与えたくなります。
しかし、
人から援助されるのは苦手。
助けを頼まず、
一人でやってしまおうとする。
助けてくれるのは有難いのですが、
それだとドーパミンがでないんでしょうかねぇ・・・
当事者ながら、
困ったもんだなと思います。笑
❺集団大好き ⇔ 集団疲れる
ADHDは集団が嫌いかと言われれば、
そうでもありません。
むしろ、
ADHDは人と関わるのが好きです。
よって、
祭りなどで人一倍気合が入りますし、
皆で神輿をかついで、
一体感を味わうことができるのは最高のご褒美。
筆者は、
祭りという文化そのものは、
絶対ADHDが始めたものだと目論んでいます。笑
ただ、集団は嫌いというより疲れるんです。
なぜなら、
集団が大きくなればなるほど
人間関係が複雑になり、
器用でないADHDはトラブルになるからですね。
筆者はASDも混じっているので、
集団3、一人7ぐらいがデフォルト。
でも、祭りみたいに、
皆で熱くなれる美味しいところだけ
すごくはりきっちゃうかもです。
(許して 笑)
❻すぐに飽きる ⇔ 「諦め」の文字はない
またこれは理解に苦しむ性質ですが、
やたらと飽きがくるのが早く
すぐに1つのことを止めてしまいます。
かと思いきや、
全然諦めず、しつこくやり続けます。
狩りでこの獲物は無理だと思っても、
すぐ他の獲物を探す。
でも、獲物を捕まえること自体は止めない。
こんな感じです。
ただし、
スイッチが入ったものに関しては、です。
このアンビバレントは、
起業家に必須な特性だと思っています。
❼自信がある ⇔ 不安がうずまく
ADHDは本番に強いと言われます。
本番一発勝負のような
緊張感がある場面こそ、
ノルアドレナリンによって覚醒するからです。
だから、
「何とかなるだろう」
という自信がある。
そのくせ、
「うまくいかなかったらどうしよう」
という不安から、
本番まで色々調べたり準備したりする。
直前まで
「どうしようかな~」とぐるぐる考えていても、
本番になると、
「さあ、やったりましょう!」
となるのは、
ほんと自分でも不思議です。
よって、
「君なら自信もってやれるし、大丈夫でしょ」
と任されても、
裏側ではかなりの不安を抱えていたりします。
(そして頼るのが苦手という・・・笑)
❽周囲よりも遅い ⇔ 周囲よりも早い
ADHDは、
大事な場面で空の彼方へ意識がとんでいたり、
何事も周囲より気付くのが遅く、
対応が後手後手に回りがちです。
かといって、
スイッチが入ると、
物凄いスピードで成長していきます。
「油断させておいて背後から卑怯な!」
と思うかもですが、
本人には自覚がないので許していただきたい。笑
そして、
スイッチが入る特定の分野に限って加速するので、
そうではない分野も大量にあることもあしからず・・・
❾避雷針 ⇔ 風見鶏
これは❷と若干似ていますが、
面白い性質です。
避雷針のように、
何かといや~な感じの雰囲気の時に
犠牲になったり
叱られたりすることが
ADHDは多いです。
悪いエネルギーが充満している時に、
そのエネルギーが集まりやすい
避雷針の役割を果たすとも言えます。
その代わり、
ひらめきが浮かんできやすいのも
ADHDです。
世の中の流れ、未来、
そういったものがみえるエネルギーが
なぜか集まってくる風見鶏的な役割を
ADHDは担っています。
よって、
世の中を前進させるような発明、
新たな考えを生み出したのは
すべからくADHDの特性をもつ人物であったりする。
職場のハラスメントやいじめなんかも、
自分が被害を被ったわけではないのに
なぜがめちゃくちゃダメージが来るんですよねぇ・・・
❿退屈は嫌い ⇔ ダメージに弱い
これが最も厄介なアンビバレントです。
退屈が嫌い。
刺激がほしい。
困難であるほど挑戦したい。
それはよいのですが、
人からの批判や拒否に人一倍傷つきやすく、
ストレスに弱い。
筆者の人生は、
マジでこれの繰り返しです。
一度うつ病になって、
身の丈というものを知ったにも関わらず、
やはり少しは困難さがないと
スイッチが入らないんですよねぇ・・・
そろそろ学んでくれませんかねぇ、
我が身に宿るADHDくんよ。
なぜアンビバレントが起こる?
なぜ、
このようなアンビバレントが起こるのか。
その原因の1つは、
脳のデフォルトモードネットワークにあると言われています。
ぼーっとしている時に働く
脳のネットワークのことですね。
ADHDやASDの脳は、
情報の適切な仕分けや優先順位づけが苦手と
言われており、
デフォルトモードネットワークに、
「陽」と「陰」の信号が
ぐちゃぐちゃに混じっている。
そして
脳を切り替えるのが困難とされており、
デフォルトモードネットワークに
ログインしたまま、はまり込んでしまう。
そうなると、
ネガティブな過去の情報も含め
分けも分からず想起されてしまうので
精神面がダウンしやすくなってしまうのでしょう。
ほんと、
このデフォルトくんというじゃじゃ馬を
何とか乗りこなせないものかと思います。
まとめ
ここにピックアップしたアンビバレントは、
何も筆者だけが実感していることではなく、
ADHD当事者にして研究者である、
エドワード・M・ハロウェル博士、
ジョン・J・レイティ博士が列挙したものから
筆者が選んだものです。
さらに、これらの症状は、
過去にトラウマとなる傷を負っているかで
特性が変化する部分があります。
自身でも理解しがたい
この相反する性質を、
周囲が勘違いしてしまうのも当然。
ただ、
年齢を重ねれば重ねるほど、
特性が弱まっていることを実感しています。
よって、
若くしてADHDの特性に苦しんでいる人は
段々緩和されていくと希望をもってもらいたい。
そして、
ADHDに対しての認知は広がっており、
以前より理解を示してくれる方が多いのは
有難い限りです。
刻一刻と変化していく特性の研究を
これからも追い続けなくてはと思います。
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