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キノコを見つけると点数アップ!?どんな学校やねん!

無駄に自分を修行に追い込むのが好きです。

「エアコンなしでどこまで過ごせるか?」

気候の変化に強くなるために、
多少の暑さは気にしないようにする。

そして、気付きます。

・・・無理。
ピッ!(エアコン)笑


共育LIBRARYへようこそおいでくださいました✨

教育、人間、人生など、様々な「知恵」や「情報」が詰まった図書館のような、皆さんがくつろぎ、人生の「気付き」を得たり、知的好奇心を満たしたりできる居場所を目指しています😌

どうぞ、ごゆるりとお過ごしください。

共育LIBRARYりょーやん、元教師です。


日が暮れるまで野山を駆け巡る。
田んぼの中にいる生き物を心ゆくまで観察する。

現代の日本は、
子どもたちのそのような景色を
目にすることが少なくなっています。

もちろん、
自然豊かな地域に住んでいれば、
今でも上記のような光景は見られるでしょう。

ただ、全体的な平均としては、
減っている気がします。

教室で生き物を見つけるだけで、

「こわい!!」

といって、
大きくリアクションをする子どもも
非常に増えている感じがします。

それだけ、
自然の中で体験していることが
少ないのでしょう。

ただ、だからこそ、

「体験」

に重点を置いている学校が、
目立ってきている気がします。

この記事では、そんな、
体験を重視する特色ある学校を
紹介していきます。

楽しんでいただけると、うれしいです。



なぜ体験が少なくなったのか?

筆者は、
結構自然豊かな土地で育ちました。

大学生のときに、
地元の中学校に教育実習に行ったら、
スマホの電波が圏外だった程度に田舎です。笑

小学校のマラソン大会の練習では、
休み時間に敷地外にある山に登って
練習してきてもOKでした。

とある授業の時間には、
隣にある山に入り
山中の木にクモの巣のように紐を張り巡らし、
アスレチックのようなものを
つくった記憶があります。

普段から、
野山で遊ぶのは当たり前。

カブトムシやクワガタは、
1週間で10匹ぐらい捕まえていました。

対して令和の現在。

勤めていた学校は、
都会になりましたが、

それでも10年間で、
大分「体験」といった面が、
様変わりしたなと思います。

かつては、
虫が教室に入ったぐらいで、
騒ぎだす子はいませんでした。

なんなら、
素手でつかんで、
窓から逃がしていたものです。

しかし、過剰な、
清潔さや安全を求める風潮が、
体験という機会を奪うことになっている気がします。

虫は不潔だからさわらない

校外学習に出かけることは、
安全面でかなり気をつかうため、
そこまで頻繁には行かない。

おまけに、
年々きつくなる暑さといった
気候の問題があるため、
気軽に外に出歩けなくもなっています。

そんな中でも、
名門であるにも関わらず、
体験を重視している学校があります。

私立武蔵中学高等学校です。

エリート校かもしれませんが、
教育の内容は各段に面白い。

何かのヒントを得られるかもなので、
その内容を紹介していきます。


やぎと共に暮らす生徒たち

開成、麻布と並んで、
「御三家」と呼ばれる
名門中の名門の学校、武蔵。

名門と言われると、
圧倒的な勉強量を想像してしまいますが、
全く持ってそんな雰囲気ではない。

ここで尊重されているのは、
空気を読まない教育

その理念は、
「武蔵の三理想」に刻まれています。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

一、東西文化融合のわが民族理想を
  遂行し得べき人物
二、世界に雄飛するにたえる人物
三、自ら調べ自ら考える力ある人物

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

世界に対峙できるだけの
強さを生徒に身に付けさせる。

空気を読んでいる人間では、
なかなかそれは難しい。

だからこそ、
常軌から外れた教育を展開する必要がある。

ではどのような特色があるのか。

まず最初は、
校内で飼育しているヤギです。

武蔵は、
大学を合わせると
校地の広さは東京ドーム1.5個分。

雑木林があり、
小川が流れ、
野鳥がさえずり、
タヌキが出没します。

その中に存在するのがヤギ。

ペットとして飼っているのではなく、
家畜として飼っているのだそうです。

かつては、
鶏を飼育し、
卵を食べたり、
鶏を絞めて食肉にしていた。

そんなグロテスクなことを、
中高校生にやらせるのです。

人間は宿命的に、
自然の恩恵によって生きていかざるを得ない。

それを体験を通して学んでいるのです。

しかしさすが武蔵生。

ヤギの世話をしながら
その行動を観察していく中でも、
様々な研究が生まれます。

ヤギの反芻と食事の関係を調べる者。

ヤギの糞からつくったたい肥を混ぜた土と、
腐葉土を混ぜた土で、
野菜の生育の比較をする者。

自ら研究したいテーマを見つけ、
飽きるまでとことん調べる。

まさしく
エリート研究集団の育成。

その為に、

「リアルに触れて体験する」

というプロセスを踏むことは
欠かせないものなのでしょう。


キノコを見つければ点数アップ!?

「うちの子は学校に行ってきのこばかり探している」

ある保護者がつぶやいたそうです。

そんな行動を誘導したのが、
地理の中学部の教員。

半分冗談、半分本気で行ったことを、
生徒が真剣に受け取ったようです。

「校内できのこを見つけたら点数を上げてやる」

そうどこかで発言したのかもしれません。

しかし、これは、
半分本気の発言

そんな地理の教員の亀岡さんは、
以下のように供述しています。

本来生きるために
そういう力は必要だし、
そのためには、
自然環境全体をとらえて、
系統立てて分析して、
食べるものがありそうなところを
推測できなければなりません。

きのこを見つける能力は、
生き物として生きる力そのもの
通じるというのです。

こんな教員が教えているからこそ、
伸び伸びとした子どもたちが
育つのかもしれません。

ある授業では、

「摩擦」

という現象を、
教科書も予習も一切禁止で、
自分たちで理論を組み立てていくのだそうです。

とことん話し合い、
とことん選択肢を検証し、
理論を発表する。

当然正解など出るわけがない。

それでもいい

先生は決して答えを教えず、
よかったところを抽出し、
次の授業のヒントを示す。

摩擦の授業だけで、
何時間も延々と議論をしていくのです。

教科書を見れば、
10分で終わります。

そうやって、
世紀の大発見をした学者たちと
同じ追体験をさせていく。

それをどのような授業でも
組み立てていくからこそ、

ユニークで、
マイペースで、
空気を読まない
研究集団が出来上がっていくと言えそうです。

英語の授業で英語劇を教える
バーグマンさんは、

生徒たちのことを、

「エキソントリックジーニアス」

と呼んでいるそうです。

オリガミの達人がいれば、
鉄道オタクもいる。
何か1つの教科だけずば抜けてできる生徒もいる。

とんでもなく
マイペースな集団っぽいですが、
とんでもなく面白い集団ではありそうですね。

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