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独立系研究者のお仕事#1―クライアントワーク編―



はじめに

 私は、個人事業主の立場で研究活動を行っている「独立系研究者」(大学の専任教員等、大学をはじめたとした研究機関に所属しない立場で研究をしている研究者)です。個人事業主なので、個人事業を(も)行って収入を得ています。「個人事業「も」」と書いたのは、給与所得の仕事もしているからです。ちなみに個人事業主が給与所得を得ることは、税制上全く問題ありません。私がやっている給与所得の仕事は、別記事で紹介する予定です。

 ところで、研究者がやる個人事業っていったいどんな仕事があるのでしょうか。私も最初全く分からず、とにかく自分のスキル・能力・キャリアを生かせる仕事に片っぱしからチャレンジしました。そして、今もなおチャレンジし続けています。

 そこで、わたしが経験した個人事業を紹介します。個人事業は大きく分けて、➀クライアントワーク(依頼主から頼まれた仕事をして報酬を得る)、➁自己サービス(自分が商品をつくって売る)があると思っていますが、今回は前者についてです。その中の3つをご紹介します。探した方法から仕事を得るまでのプロセス、待遇等を可能な範囲で具体的に書きました。なお、私は教育学(教育史)が専門なので、どちらかというと文系の方に参考にしていただける話になるかと思います。

1.教材の執筆

初仕事選びはSOHOで

 わたしが初めて個人事業をやったのは、今から8年前(2016年)。当時は今ほど在宅ワークが当たり前ではなく、種類もあまり多くなかったです。当時SOHO(Small Office Home Office)という言葉があり、教育系だと、翻訳、校正、教材・テスト作成、通信教育の添削などがありました。

 当時、非常勤講師等大学などに行ってやる仕事がメインだったので、SOHOの仕事が検索できるサイトで、自分ができそうな仕事を探し、応募しました。

教員経験を活かして

 初めてやった個人事業は教材の執筆で、具体的には高校地理のワークです。個人事業主になる直前まで中高の社会科(主に地理)の教員をしていたので、この仕事ならできると思い応募しました。
 お問い合わせフォームから仕事をしたい旨連絡したところ、すぐに先方から返信があり、1週間以内には面接をしたと思います。面接は対面でした。その際、私がつくったことがある定期試験の問題を持ってくるように言われました。これは、実際にどんなレベルの教材を作れるかを確認する「試験」を兼ねていました。

 教材を作成できる能力というよりは、その出版社が出版したいコンセプトのものがつくれるかを見られ、私がつくった定期試験を見るなり社長さんからは、「あなたがやっている学校よりもっと下のレベルの子たちを想定したワークなんだけど、簡潔な説明やそのような問題がつくれますか?」と聞かれました。中高一貫校に勤めていて中学校の問題も作った経験があるので、大丈夫ですと答えたら、採用となりました。諸条件は以下の通りです。

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