生産量や品質を保ちつづ、安全で環境負荷の低い農法をめざす!
農薬に依存しない環境負荷が低い防除システムの構築が必要です。
近年、植物における耐病性の制御メカニズムが次々に解明されており、植物ホルモンのシグナルネットワークの働きとして、サリチル酸(SA)、アブシジン酸(ABA)、ジャスモン酸(JA)による植物の防御反応の研究結果に大変注目しています。
植物の防御反応に関わるホルモンにおいて、SAは病原菌への抵抗性、JAは虫の食害への抵抗性に関与し、生物ストレスに対する免疫機構を全身獲得抵抗性(SAR)といい、ABAは非生物(乾燥、低温、高温、高塩濃度)への耐性に関わり、この三者はお互いに拮抗状態を保っております。
植物自身が持つ限られエネルギーが枯渇しないよう、ABA(例えば乾燥ストレスの抵抗性)が効いているときは、JA、SAの効きが低下するようなかたちで効率的に働いているようです。
SARとは別にジベレリンと並び植物伸長に深く関わるホルモンで知られているブラシノステロイド(BRs)が病害抵抗性を誘導していることも解っています。
病虫害防除について現在の慣行農法の頭から切り替えて、植物や土壌により良い生理状態の保全により非生物ストレスが緩和され、全身獲得抵抗性(SAR)の効果を高める。
今後の農業において、バイオスティミュラントと抵抗有効材が基本の剤になってくると思います。
参考)独立行政法人理化学研究所「植物の耐病性の複雑な制御メカニズムを解明」
https://www.riken.jp/medialibrary/riken/pr/press/2008/20080628_1/20080628_1.pdf