【日記】1月4日〜1月10日
1月4日
仕事始め。
セールが始まったばかりなのであまり慌ただしく無かった。が、この時期になると木造の倉庫はかなり冷える。さらにインナーに夏用のTシャツを着てしまい、昼休みはガチガチに震えながらきつねうどんを食べた。
1月5日
倉庫に残るセール用の商品をちまちまと発送する。昼過ぎには終わって年に数回の早上がりの日となる。
帰り道に途中下車して玉川上水のほとりに立つ「玉鹿石」を訪ねる。駅から徒歩5分くらいの場所にあって、周辺は太宰治ゆかりの地ということでいくつもの散策スポットがある。が、今はここまで。再びの来訪を誓い素早く退散。
ちなみに「玉鹿石」はコロナ禍になるまでよく行っていたライヴハウスへ向かう道にある。だけど、いつも玉川上水を挟んで反対側の道を利用していたので気付かなかった。
1月6日
セール中であることに加え、緊急事態宣言が近いからか商品の入荷も発送もなし。午前中に雑務をしたのみで昼食を食べたら終了。まるで一年前に戻ったかのよう。
緊急事態宣言が出たらいよいよどうなるのか。また出勤日が間引かれたり、今日みたいな空白の日が何日もあったりするのかな。
globeを聴く。今の暗い時期には夢のような音楽に聴こえる。
ニュースを見ていると鬱々とした気持ちになる。今、我々は当てのない道を歩いている。
1月7日
今日も入荷、発送なし。来月開催のガレージセールの準備。昼過ぎに終わる。冬の青空が目に染みる。
夕方、緊急事態宣言発令。これから何が変わって何が変わらないのか。今日もニュースはとてつもない感染者数を伝えている。
夜、2021年最初のカタカナ配信を見る。
年末からずっと憂鬱な気分だったこともあり、お馴染みの画面が映った瞬間の安堵感が凄かった。そして配信を見ながら久しぶりに自然に笑うことが出来て、それがとにかく嬉しかった。
今回のテーマは「年末年始は何してた?」。同じバンドメンバーでも、みんなそれぞれに違う人生を歩いているのだなあと話を聞きながら考える。今年もよろしくお願いします。
1月8日
二度目の緊急事態宣言下での生活が始まった。
来週からは目に見えて変わるのか。自分のようなテレワークが出来ない職種の人間はいつもと変わらないけれど、何かしらの影響はありそう。
デヴィッド・ボウイ74回目の誕生日。もし今も生きていたら、誰も思い付かないような唯一無二の音楽を作り続けていたはず。そんなことを思いながらボウイのDVDを見て、少し泣く。
1月9日
連休初日。
ザ・グレイト・ジャズ・トリオ「アット・ヴィレッジ・ヴァンガード」を聴く。開放感あふれる野球場ジャケに惹かれて購入。内容も素晴らしかった。ロン・カーターとトニー・ウィリアムスのリズム隊はやはり鉄壁。そこにハンク・ジョーンズの流麗なピアノが重なる。バンド名通りのグレイトな演奏。続編も聴いてみたい。
太宰治「グッド・バイ」を読む。新潮文庫。表題作は以前、岩波文庫で読んでいるので再読。未完作だけど、大好きな作品のひとつ。一応ラストがどうなるかは知っているけれど、続きが気になって仕方ない。
今回初めて読んだ「冬の花火」という作品の冒頭の文章が強く印象に残る。今、日本は人災により目に見えないウィルスに占領されている。そのことを意識しつつ読んだら鳥肌が立った。
負けた、負けたと言うけれども、あたしは、そうじゃないと思うわ。ほろんだのよ。滅亡しちゃったのよ。日本の国の隅から隅まで占領されて、あたしたちは、ひとり残らず捕虜なのに、それをまあ、恥かしいとも思わずに、田舎の人たちったら、馬鹿だわねえ、いままでどおりの生活がいつまでも続くとでも思っているのかしら、相変らず、よそのひとの悪口ばかり言いながら、寝て起きて食べて、ひとを見たら泥棒と思って、(また低く異様に笑う)まあいったい何のために生きているのでしょう。まったく、不思議だわ。
夜、The B-52's「コズミック・シング」を聴く。いつ聴いても最高としか言いようのないニューウェイヴサウンドに浸る。
SNS上で饒舌多弁が過ぎるアーティストやイベンターの音楽やイベントは今後一切信頼しないことに決めた。理由は書かない。
1月10日
デヴィッド・ボウイの命日。今年で亡くなって5年が経つ。訃報を知った時の気持ちを今でも忘れることは出来ない。
ボウイが亡くなってから空を見上げることが増えた。空模様の縫い目にボウイがいてくれたら良いのになあ、そんなことを思いながら。
太宰治「晩年」を読み始める。
夕方、目がかなり疲れていることに気づいて短い散歩に出る。歩きながら出来るだけ遠くを見る。夕暮れの街並みはどこかいつもよりも暗くて酷く寂しげに見えた。
夜、エレクトリック・ライト・オーケストラを聴く。
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