ヘディングの重要性と危険性
正直ヘディングは非常に重要なサッカーの技術の一つです。
未だに日本の大会ではトーナメント形式の大会が重宝される傾向が強く、リスクを回避するために「思考停止のロングボール」を多用するチームが見受けられます。
(思考停止のロングボールについてはこちらを https://note.com/kyohei1012/n/n7dbdafc7a278)
特にそういうチームはセットプレーを非常に大事にするので、コーナーキックやフリーキックはもちろん、ロングスローも頻繁に登場します。
ここ最近だとJ1でもロングスローは採用するチーム出てきましたしね。
そういうチームを相手にするにはヘディングの技術が必要不可欠になります。
しかしここ最近のトップレベルでも意外とヘディングが苦手であろう選手をよく見かけます。
いろんなタイミングの悪さや、落下地点の予測など皆さんが想像できる事はもちろんの事。
では簡単にヘディングの技術とはどういうものがあるのか。
実際に自分が現役の時はこれらの技術を駆使して、海外8年間でほとんど競り合いに負けてません。
大学時代にもJリーグや後にプロになった選手との競り合いにももちろん勝ち続けました。
おそらく90%くらいは勝ったかと。(もちろん各国の1部リーグでプレーしてないのはあります)
180センチの自分でも2メートルの相手にも勝てるんです。
今回は3つにポイントを説明して、ヘディングの危険性についても言及していきます。
①飛ぶタイミング
トッププロでもこれが出来てない選手が多いです。
ボールに対して自分が一番高い打点で捉えられてないから、ジャンプしてあがりながらのヘディングになってしまう。
これでは最高到達点で捉えられてないから競り合いに勝てる確率が一気に下がります。
ではどのタイミングで飛ぶのが良いのか。
それは最高到達点から少し落ちてきたタイミング。
なので大体は蹴られてポイントと自分がいるポイントの中間点、もしくは少し自分よりになります。
このタイミングで飛ぶと最初は頭にすら当たりません。
理由は簡単です。
初めてやる選手にとってはタイミングが早すぎるから。
体の使い方はこの後もちろん記述します。
このタイミング+体の使い方で最高到達点でのヘディングが可能となります。
最初はそのポイントで飛んでキャッチが一番良い練習方法です。
その時にジャンプしてる最中にキャッチするのではなく、自分が少し落ち始めたタイミングでキャッチするくらいのイメージ。
最初はこれくらい大袈裟で大丈夫です。
自分も練習する時はそれくらいのタイミングで飛ぶので。
これができるようになるとどうなるのか。
それが『先飛びになるから、相手の上でのヘディングができる』ようになります。
この先飛びが非常に大事で、これが勝率に大きく関わるポイントです。
そのイメージを持って飛ぶトレーニングをやってみましょう。
②ジャンプの仕方
タイミングだけでは勝てません。
どうやって飛ぶかもかなり大事です。
基本的には助走をつけながらの片足ジャンプが多いです。
両足で飛ぶのも正直ほぼありません。
ゾーンでコーナーの守備をしている時くらいかもしれないです。
片足ジャンプで気をつけるのは
・股関節から曲げて全身のパワーを使う
・どっち足で飛ぶのが良いかを自分で知る
この二つです。
股関節から曲げるのは意外と難しいです。
小学生にやってみなと言っても、ほとんどの選手ができなかった事もあるくらい。
お尻を落として股関節と膝を同時に曲げるイメージを持つとやりやすいです。
どっち足でと言うのは、基本的には利き足と逆になる事が多いです。
ただセンターバックをやっている選手はそんな事言ってられないので両方とも片足ジャンプができるようにする必要はありますが。
両足ジャンプも基本は一緒です。
股関節と膝を曲げてジャンプ。
慣れるまでは両足ジャンプで股関節を曲げるイメージを作ってから片足ジャンプをするのも良いトレーニングの流れではあります。
③上半身の使い方
これが意外と出来てない選手が多いです。
指導しててもここは良く指摘するポイントでもあります。
まずは上半身を反るというところ。
これが反れないと表の筋肉(腹筋)が使う可動域が狭くなるため、強いボールを返す事ができません。
パンチをイメージするとわかりやすいです。
強くパンチをしようとすると必ず腕や背中を後ろに引きますよね。
それと同じです。
また、反る事で滞空時間が長くなるのですが・・・、これがなぜそうなるのかは分かってません。 ただ長くなるのは体感済みなので間違い無いです。
論理的にわかる方いましたら教えてください。
大きくは
この二つの為に上半身を反ります。
ボールを見ながらジャンプしたタイミングで背中を反る。
当てたいタイミングで腹筋を使って、反った上半身を押し出す。
ただ、これは最初からジャンプしながらやろうとすると難しいので、最初は飛ばないで背中を反る練習をした方が良いです。
次に腕。
腕は背中を反るタイミングで前に出して、当てるタイミングで引きます。
相手がいなければ。
実際の試合だと相手がいると思うので、飛ぶときに相手を抑えたり、相手のジャンプ力をいただくのに使います。
腕を使う使わないはかなりヘディングの勝率やボールの飛距離にも関わってくるので、気にしないといけないポイントの一つです。
④脳震盪リスク
ヘディングの話をしているので、これに触れないわけにはいきません。
ヘディングをやる以上、脳震盪のリスクは必ず起きます。
特にヘディングを正しく当てられるようになる前に行うと脳が揺れるリスクがより高くなるので注意です。
それ以外にも競り合い時に相手の頭や肘が頭に当たり脳震盪になる事も。
実際に自分も頭同士、肘打ちで5回ほど脳震盪を起こしました。
一時期はそれで半年ほど運動禁止になりましたが・・・。
練習でも回数をやりすぎることによる脳震盪リスクは最近ものすごくシビアに考えられてます。
様々な国で育成年代でのヘディング回数は制限されていますし、日本でも回数制限や使うボールの種類を制限するように通達は出ています。
自分で教える時もチームの応じて回数や当て方を変えて対応しています。
ここではヘディングをする時には当然脳震盪のリスクがあるというところだけ覚えておいてください。
まとめ
ヘディングは大切な技術の一つです。
タイミング、飛び方、体の使い方。
これだけで勝率は上がるはずです。
その上で脳震盪が起こり得るという事。
今の日本サッカーではなくてはならない技術であり、全体的に能力が下がっている部分ではあります。
このnoteが蹴られ続けるチームに勝てないチームや選手の助けになりますように。
PS:ヘディング特化のパーソナルトレーニングを行っていますので、興味ある方は連絡ください。