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時代遅れの「自分たちのサッカー」をやるチームへ

「自分たちのサッカー」

この言葉が世間を賑わせたのは2014年のブラジルW杯、ザッケローニ監督が率いていた時の日本代表の時代です。

この時の意味合いとしては、自分たちがボールを保持出来て自分たちの力が発揮できれば勝てる。

という感じだったでしょうか。

結果はご存知の通り1分2敗のグループリーグ敗退。

このスタイルが悪かったのかと言われれば、答えは半分Yesで半分Noかと。

その答えこそが今回の主題であり、未だに多くの育成年代のチームが陥っているスタイルです。

実際に自分が指導していたチームもそうなっていました。

自分たちがやってきた事をやろう。
自分たちのスタイルを貫こう。

高校でも大学でも。

カラストだけはそんな事なかったですけど。
当時は実力差もあったし、賢い選手が多くいたので。

ではここから本題に。

半分Yes

自分たちのスタイルを持つ事は非常に大切です。

自分たちの強みを自覚して、チームとして発揮させる。

ザッケローニ監督時代であれば、技術的に優れている選手が多かったです。
だからポゼッションスタイルを基盤とするのは必然であったでしょう。

グアルディオラ監督がポゼッションスタイルでバルサとバイエルンで世界を席巻したのもこれくらいの時代でしたからね。
(まだマンチェスターシティには行ってない頃のお話です。)

それに憧れを持った指導者たちが自分たちのチームを持ち、多くのチームがポゼッションスタイルを育成年代にも持ち込みました。
選手たちもボールを持ってプレーする事に楽しみを感じる選手が多く占めていましす。

今では縦に早くと言って再びロングボールを繰り返すチームが増えましたが。

正直ポゼッションでもロングボールでも個人的にはどちらでも良いです。

大切なのはチームとしてのスタイルの基盤を持つ事なので。

しかし、ここからです。

当時のザッケローニ監督時代の日本代表が勝てなかった理由。

育成年代が自分たちのスタイルを貫いて失敗を繰り返す理由。

半分のNo

考える時に大きな穴があるんです。

一つ目は考え方の中に「相手が存在していない」という事。

フットボールは相手があってこそ。
(ここで相手チームの事を敵という人は個人的に良くは思いません。)

相手だってやりたい事はありますし、自分たちのプレーがうまく行かないように阻止もします。

結局、自分たちのやりたいようにしかやらないというのは余程力の差がない限りは不可能です。
試合通して行うのなんて。

しかし「自分たちのサッカー」をやるチームの話を聞くとほぼ相手の事は話に出てきません。

自分たちのやりたい事を防がれた時にどうするの?
って質問をすると大概何も言えなくなります。

つまり対策の対策まで考えてないわけですね。

これが技術的に出来ないのであればしょうがないです。
それは練習するしか改善の方法がないので。

今回は頭の中や考え方の話。

相手が長所を防いでくるであろう事を想定して、どうやって逆の準備をしておくか。

半分のYesで先述した、どうすれば自分たちのスタイルを効果的に出す事ができるか。

そこまで考えて戦術は考えるべきなんです。

例えば「自分たちのサッカー」の代表例のポゼッションスタイル。

キーパーやディフェンスラインから飛ばさずにショートパスしか来ないって分かった相手は必ずハイプレスに来るはず。
だからロングボールを入れて相手を下げさせてスペースを作ってからポゼッションをする。

マンチェスターシティがハーランドを獲得したのもそこが狙いだったはずです。

ボール保持をしたいから1発で裏のスペースで得点を取れる選手を一番前に置いておく。
だから相手が警戒してプレスに行きづらい状況を作る。

ハーランドの個人の力で年間で何点も1発裏スペースで取ってるのでチームの得点の形の一つにはなってますが。

ここで育成年代の話と合わせます。

「自分たちのサッカー」と相手がいることを考える事をうまく合わせて、技術的にも高いレベルで出来ているのが世代トップのチームです。

昔であれば個人の技術差だけでもありました。

今は圧倒的に戦術理解と準備に差があります。

だからこそ全国行くか行かないかのチームが都道府県の予選や地区予選に落ちてきた時に10点以上差がつく試合が増えたんです。

実際自分のいた地区では大量得点差が付く試合がここ数年で圧倒的に増えました。
自分たちも10点以上取られて試合がありましたし。

そして二つ目。

「自分たちのサッカー」というチームには守備意識が低いチームが多いという事。

ここまで読んでくれた方ならわかると思います。

自分たちのサッカー=攻撃になっている事を。

守備=つまらない

この図式が未だに育成年代の上位に入らないチームには潜んでいます。

だから先述したように10点取られる試合が出てくるわけです。

本来は守備の事を頭に入れて戦術を組み立てて守備をするのですが・・・。
その詳しい話はまた今度で。


まとめ

自分たちのサッカー=攻撃

悪いことではありません。
攻撃スタイルを持つ事は非常に大事。

ただ相手がいるという事を、フットボールには守備の時間があるという事を忘れてはいけません。

今の時代、攻撃戦術がかなり重視されていて育成年代だとそのあたりに理解を示さない子供達も多くなっているかもしれません。

でも自分たちのやりたい事だけでフットボールはできません。

現代社会で、やりたい事だけで生活できないように。

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