日向坂が紅白に出るために必要なこと〜アイドルにとって“人気”とは?〜
Twitterに散発的に書いたことではあるんだけど、ちょっとまとめておこうかと思って書いてみます。
さて、去年に引き続き今年も日向坂は紅白出場はなりませんでした。
ここでは、日向坂が紅白に呼ばれなかった理由を想像し、どういった対策が適切かをぼんやりと考えてみようと思います。
紅白で選ばれるのは「曲」ではなく「歌手」
まず大前提として、紅白の選出基準はこちら。
まずここで整理をしておきたいのは、「世論の支持」のアンケートで訊いている質問からも明らかなように、選ばれる主体は「曲」ではなく「歌手」であることなんですね。
これは、よく考えれば、紅白が「曲」が主体ならばレコード大賞のように歌手と曲を一緒に発表するはずで、そうでない以上、紅白歌合戦というものは、「この曲を聴きたい」というよりも「この人の歌が聴きたい」という性質が強いものであることが分かります。
(余談ですが、上記の理由から、紅白への批判としてよくある「今年発売の曲を歌わないのはおかしい」「昔の歌手が昔の曲で出ている」というものがあまり的を射ないものだと思われます)
こういった観点から「今年の活躍」を見てみると、曲そのものへの指標だけでなく「DVD・BDの売り上げ」「ライブやコンサートの実績」といった、アーティスト活動全体も評価対象になっていることが見てとれます。
女性アイドルの選出基準
では、ここからは、選出された、或いはされなかった歌手を比べて、具体的な選出基準を考えていきます。
ジャンルが異なると基準も変わってくると思うので、やはり坂道を中心に(日本の)女性アイドルで考えてみます。
選出されたグループ:乃木坂 櫻坂
選出されなかった主なグループ:日向坂 FRUITS ZIPPER 超ときめき♡宣伝部 など
ここからまず窺えるのは、少なくとも女性アイドルに関してはネット上のバズはそれほど重視されていないのかも、ということです。
無論、紅白全体ではネットのバズは重視しており、こっちのけんとやtuki.なんかはその現れだと思いますが、ビルボード年間ランキングの上位クラスでもない限り、少なくとも女性アイドルに関しては、ネットで流行った曲がどうこうというより、違う選出基準がありそうです。
乃木坂・櫻坂と日向坂の差
そういった観点でもう一度NHKの発表した選出基準を見てみると、特に坂道間で、乃木坂・櫻坂と日向坂で大きく分かれている点がひとつあることに気が付きます。
それは、“ライブの動員”です。もっと言うと東京ドームを埋められているかどうか。
乃木坂は世代交代を完全に乗り越え、ドームツアーすら余裕でこなす程の圧倒的な動員を誇ります。仮に今、「二週間後に東京ドームでライブします」と発表しても余裕で埋まるのが想像できるくらい、安定かつ充実した人気があります。
櫻坂も年々ライブの評判が上がり続け、今年は東京ドームを二日間ソールドアウトしてライブを行いました。ライブの動員数に関しては今最も上り調子のアイドルと言えると思います。
(ちなみに、櫻坂が紅白落選した2022年は、東京ドームのツアーファイナルは空席があったと言われています)
それに比べると、日向坂は東京ドーム公演が年内に控えていますが、チケットが一般で普通に買える状況です。ドームに限らず、地方の公演でも完売に至っていない会場があるというのが残念ながら現状と言わざるを得ないと思います。
とき宣やふるっぱーも、ライブの動員数、会場のキャパシティは乃木坂や櫻坂に比べるとまだまだの状況のようです。
人気は「ライブの動員数」に比例するという仮説
そもそも歌手の人気とは何を指すのでしょうか。一曲でも聴かれている曲があることでしょうか。それともファンの多さでしょうか。だとしたらファンの定義とはなんでしょうか。
そういったアーティストの人気を推し量るのにどういった指標が適切なのでしょうか。
かつてはCDの売り上げイコールその歌手の人気という時代がありましたが、秋元系アイドルが握手券商法でその仕組みをハックしました。
サブスクの時代になって、MVや楽曲の再生回数、及びそれらを加味したビルボードのランキング等が指標として使われがちかなと思いますが、それにしたって熱心なファン(ファンダム)がなんとか数字をハックして見掛けの人気を作り出そうと必死なのが現状と言えます。
そんな中で、紅白の選出基準として、特に熱心なファンを多く抱えがちなアイドルの人気を相対的に見るために、ひとり一票の公平な数字としてライブの動員数を見ているのではという仮説を考えました。
仮に、実際に見てるのは違う数字だったとしても、その数字とライブの動員数はかなり近い相関があるのでは、くらいのことは言えると思っています。
ひなたフェスの意義
さて、日向坂のファンからしたら、「ライブの動員数というなら“ひなたフェス”はどうなんだ」とお思いかもしれません。ひなたフェスのことは別のnoteに書こうかなとは思ってるんですが、特殊な状況を行政・運営・ファンが一体となって成功に導いた素晴らしく意義のあるプロジェクトだと思っています。
ここで日向坂がツアーの各会場即完売、東京ドームもソールドアウトまで持っていけてたら大きなプラスアルファになったと思いますが、そうなっていないのが現状なわけで。
ひなたフェスは異例の存在すぎて、プラスアルファ以上のものにはなりえていないのかなと思われますね…。
日向坂が紅白に出るために必要なもの
では今後日向坂が紅白に出られるようになるためにファンができることはなにか?
↓
ライブに行く、以上。
一番即効性が高いのは結局シンプルにこれなんですけど、長期的に考えれば日向坂ファンの母数を増やすことしかないでしょうね。
日向坂もファンダムの活動を活発にすべきという声もあるようだけど、それはTwitterでいうとフォロワーを買うようなもので、見かけだけの数字が増えてもライブの動員が増えてなかったり他の数字と噛み合わなかったらすぐに見透かされるだけでしょう。
やりたい人がやる分にはもちろん自由にやれば良いとは思いますが、少なくとも紅白の選出にあまり影響があるとは考えにくいです。それをするくらいならライブ会場を埋めることの方が遥かに重要だと思います。
乃木坂が安定して選ばれている以上、ファンダムの活動もあくまでプラスアルファでしかないと思われます。ファンの母数を増やしてライブを埋める、それに尽きると思います。
結局、良い曲を作って良いライブをやるしかない
そう、結局のところ、ファン側にできることはそれ程多くなく、殆ど全てアーティスト側の仕事なんですよ。
日向坂:良い曲を作る
↓
ファン:これをライブで観てえと思う
↓
日向坂:ライブで最高のパフォーマンスを見せる
↓
ファン:また次のライブも絶対行きたい!
この好循環を作り出すしかないと思うんですよね。現に櫻坂ができているので、日向坂にだってきっとできるはずと信じています。
追記:本当に、東京ドームを埋めないと紅白に出ることができないのか?
今年に関しては特に東京ドームは象徴的だったのでフォーカスして書いた部分はありますが、そもそも紅白に出るアーティスト全員が東京ドームを埋められるかというとそうではないかもしれません。ライブ向きか否かだったり、どの世代に人気かというのでも変わってきますし。
東京ドームとか関係なく、紅白に坂道で二枠と決められているので日向坂が出られなかったという意見もあるかもしれません。
仮にそれが事実だとしたら、日向坂が紅白に出る手段は
①「乃木坂か櫻坂を押し退けて出る」
②「紅白に坂道の(日本のアイドルの)枠数が増えるようにシーン全体が盛り上がりその先頭に立つ」
のどちらかしかないことになります。
…よく考えれば分かると思うんですけど、①②のどちらにしたって、日向坂がドームを埋められるくらい勢いを上げるしかないんですよね。
今でも日本のアイドルが坂道の二組しかない現状で、乃木坂や櫻坂の勢いが落ちてドームを埋められなくなったら紅白の坂道の枠数が減るだけで、代わりに日向坂にという状況にはならないでしょう。
全てのアーティストが東京ドームを埋めないと紅白に出られないわけではない。けれど、日向坂を紅白に呼ぼうかとNHK側が考える頃には、必然的に東京ドームを余裕で埋められるくらいグループに勢いがついているはずだと思いますが、いかがでしょうか。
追記2:ライブに行く以外の応援は意味がないのか
もしかしたらそんな風に思われた方もいるかもしれませんが、決してそうではありません。
まあ、個人的には応援に意味を求めるという感覚が理解しがたい部分はあるのですが。まあその話は置いておくとして。
日向坂が勢いづけば自然とライブは埋まるので、ひとりひとりのファンが思い思いに日向坂の楽曲やコンテンツを楽しむのが結局のところ一番大事だと思っています。
ライブの動員数はあくまで日向坂が盛り上がった結果だと思うので。ファンのひとりひとりが日向坂を応援する、好きでいる気持ちに勝るものはないよ。
(でもそれだと中盤でライブに行けと言ってたのと矛盾しない?)(まあいいじゃん。あれは短期的にどうにかするならの話で、結局長い目で見た時に地道にファンを増やすことに勝るものはないので)