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J2視覚化計画2023〈第40節〉

#J2視覚化計画2023

◎今節のアナリスト◎下輪 毅

前節、町田翡翠軍の一部昇格が決定し、日本職業蹴球連盟二部もいよいよ大詰めなり。

残る自動昇格の椅子は唯ひとつ。

凡そ半年、三十九もの節を経た末の、壮大なる椅子取り合戦に挑むのは、清水得洲波軍と寿尋磐田軍、東京緑一色軍の三軍団なり。いずれも日本職業蹴球連盟初年度および翌年から参加せし古参軍団にて、三十周年の御年らしき歴史の重みを感ずる三つ巴衆なり。

前節を終えての戦況は、以下の図表の通りである。

今節組まれたのは、三つ巴衆のうち、磐田軍と緑一色軍が激突すると云う大一番也。なお、清水軍はこの一戦よりも半刻早く試合が行われていたが、その経過を両軍耳に入れていたであろうか。

さてこの一戦、序盤に磐田軍の中心的主力・じゃーめいん殿が負傷し戦線離脱するという意外な展開に。緑一色軍はさすがの最少失点軍団、守備域での集中力高し。前半終了間際、磐田軍どぅどぅ殿の弓射が最大の好機であったであろうか。

中間休息時間、隣国駿河にて清水軍が熊本軍に敗れたという衝撃の一報が届く。さあらばこの一戦に勝った軍団こそが、二位自動昇格圏に上がることとなる。磐田軍はおそらくこれを知ったのであろう、後半開始からすこぶる前向きになり、押し込み始めた。

なれど好事魔多し。五十一分、磐田軍の固定式蹴込攻撃を跳ね返して、緑一色軍の“夏の助っ人”中原殿が奇襲の大駆け。速攻から最後に詰めた林殿が磐田軍の砦を陥落せしむ。

それでも前向きの姿勢を崩さぬのが磐田軍。途中投入された若武者・古川殿が局面を活性化させ、攻勢を続ける。実ったのは六十九分のこと。緑一色軍の意表を衝く超長槍突きが外れた直後の攻勢から、ついに上原殿の弓矢が緑一色軍のまてうす砦を射落とした。

そこから終盤に至るまで、磐田軍が積極的に、緑一色軍が奇襲的に攻め合うも、そこは三つ巴衆同士、自陣にて集中を切らさず、易々と崩れることもなき。

両軍死力を賭した一戦は、引き分けにて決着。清水軍が敗れたため、「相討ち」とはならず、互いに半歩詰め寄る価値ある引き分けと相成った。

三つ巴衆の今節終えての現況は、以下の通りである。

残るは僅か二節。自動昇格を賭けし三つ巴衆の対戦相手を見て気付く者は多いであろう。三つ巴衆が戦う相手は、「水戸軍」「栃木軍」「大宮軍」の順繰りなのである。

何という偶然か。それとも日程ノ君の悪戯か(かようなことまで見抜くのか、日程ノ君)。いずれにしろ自動昇格の命運を握る相手が北部関東地域に偏った。

ふと好奇心が頭をもたげるのは拙者の悪い癖やもしれぬ。
興を覚えたので、三つの本拠地を線で結んでみた。系図電気水戸城、漢籍栃木城、七九五大宮城を結ぶ大三角形の中心に在るものは…

…!!

……!!!

「麺処大木」とな!!!

大木と云わば、蹴球界では熊本軍の総大将・大木武氏を於いて他にあるまい。なれば此は大木氏ゆかりの軍団が、この乱世を制するという啓示ではあるまいか。

清水軍は今節、大木氏率いる熊本軍に敗れた。そして清水軍そのものも、かつて大木氏が指揮していた軍団である。やはり「麺処大木」とは清水軍を示唆しているのか…?

いやいや、大木氏はかつて京都軍の指揮官を退任したのち、磐田軍の若年隊を率いておったこともあるのだ。その当時の教え子は何人も今、職業蹴球家として活躍しておる。

待て、待て。大木氏はそもそも現役時代、富士通職業蹴球団に入隊、そこで同僚だったのが、現在緑一色軍を率いる城福浩将ではないか。ともに甲府軍を率いし共通点も説得力を増す。

謎を解明するつもで三点を結んでしまったがゆえに、謎が謎を呼んでしまった。一体どの大木氏ゆかりの軍団が自動昇格の座にすわるのであらんや。明かされるミステリーの行方とは?

J2、今まさにクライマックスである。

編集部注:そんなに「麺処大木」がキーワードになるのなら、甲府か熊本じゃないですかね?(困惑)

下輪 毅(したわ・こわし)
1970年高知県生まれ。ブルックスやフューチャーズを知る世代だが特に需要がないし話も合わない。座右の銘は「旅は道連れ、二部は情け」

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